池上彰のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
物知りでわかりやすく物事を解説してくれる、テレビでおなじみの池上彰さんの本です。
世界情勢が浅く広くわかる本でした。
僕の感想としては、池上さんはやっぱりテレビの人で、いろいろ受け答えの中から、
説明する方が向いているんじゃないかなという気がしました。
とはいえ、僕はあまりテレビを見ない人なので、最近の番組で池上さんを見たのは
ほんの数回しかありません。
軽い不協和から協和へ、というか、
軽い不安定から安定へ、というか、
そういうふうな語り口、レトリックが多いなというふうに見受けられました。
読んでいて、最初の部分で「それはそうだけど、それだけとは限らないんじゃないか」だとか
思わせられるのですが、読み進めるうちに、それも早い段階で「あぁ、そう繋がるのか」だとか
と納得させられます。
ただ、ページ数の問題でしょうか、多角的に解釈することはちょっと足りないかなと思いました。
そこが、広くて浅い、と僕が評した所以です。
なので、一つの章で、その情報を読者が吟味する楽しみといいますか、情報を吟味する労力でしょうかね、
そういうのはすごく省かれる種類の本でした。
ということは、そこに書かれている情報については、そのまま、比較検討などの材料も無いままに、
著者の物言いをそのまま信じてしまわないといけなくなるきらいがありました。
そういうのはできれば避けたく思ってしまいます。
そりゃ、他の本でも、書かれていることを「信じる」という行為は必要になってきますよね。
だけれど、池上さんのこの本に関しては、あまりにスマートすぎて、整然すぎて、
もっと現実は入り組んで複雑なはずなのに、その複雑さを省いてしまってこちらに見せているな
という気がするのです。納得がいきやすいことの裏返しです。
つまり、自身の論説に都合の悪い情報などもご存じのはずなのに、それは見せないようにしながら
論理的に情報の解説を構築していっている気がする。
さりとて、省いた情報には、省いたなりの考証がちゃんと著者の中にあって、
もし、ページ数にゆとりがあるなあらば、
そこのところもきちんと説明してくれるのかもしれない。
と考えてくると、やっぱり、意図的に軽くて、浅くて広い本を作ったんだなぁとわかってきたりします。
そして、そういう、全体を見渡して、主要なところだけを網羅した、世界情勢の本に
ニーズがあるだろうと踏んでの製作だったのかなという気もしてきます。
ここで気をつけたいのは、こういう本を読んで、なんでも知った気にならないようにすることでしょうか。
やっぱり、それなりに自分の頭をひねってこそ得られる知識や解釈ってあると思うんです。
数多く端折られて論じられたものは、全体的に軽くイメージを持つためというような目的で
手に取る、あるいは向かい合うべきじゃないでしょうか。
そういう僕は、こういった入門書的なものはまぁまぁ読むけれど、そこから専門的な本に挑戦することが
本当に少ない気がしますね。僕にしても、みなさんにしても、いろいろな種類の事柄に触れて、
そこからどれが自分の興味に合うのかがわかれば、
その分野の深い所に足を踏み入れてみるべきなのではと思うところです。
どうなんだろねぇ、ずーっと浅くて広いままでいることと、少し的を絞って、
それなりに深いものを身につけることって。 -
Posted by ブクログ
ブルジョワが指導権をにぎり、ほぼ革命が達成しかけた「人権宣言」あたりまでを半分だとしたら、その後民衆も巻き込んでさらに激しい残り半分があったフランス革命に比べると、日本の明治維新も終戦時の民主主義革命も、後半の半分がない状況、いつも革命は二分の一だというお話。さて、今度の民主党の革命はどこまでいくか。
印象に残っているのは、「人権宣言」は民主党のマニフェストと一緒、それを実現しようとしすぎると、かえって革命が混乱していく、というくだり。人間は本当に言葉に弱い生き物だと思う。フランス革命自体はその途中から高まっていった残虐性を考えると正直全肯定できないけれど、それでも、巻末に収められた人権宣言は、その内容の崇高さ、言葉の美しさ、理想の高さにおいて、やっぱり人類の宝なのだろうと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ昨年の政権交代の意義とその後の展望について簡単に述べた本。「45分でわかる」と銘打った80ページ程度の本なのですぐ読める。著者は政権交代に肯定的な様子。
興味深かった点
・ニュースに出る八ッ場ダムの工事現場の映像は、実は本体工事のものではなく、道路の架け替え工事のもの
・経産省は2020年までにCO2を25%削減すると、一世帯36万円負担が増えると試算した。しかし、これはGDPが毎年1.3%成長することを前提としており、2020年には家計の所得が70万円増えることは説明されていない。民主党にはそういった説明能力が求められる
・マスコミにも政権交代がかかっている政党が味わうような緊張感が必要
というのには納得した。 -
Posted by ブクログ
池上彰の「そうだったのか!現代史」の続編。
前著に比べると、全体を俯瞰するというよりは個別の大きな事件をさらっていくという感じがして、扱う対象を狭めている印象を受ける。
実際、ページ数はどちらも大差ないものの、「そうだったのか!現代史」では18章の章立てだったのが、今作では10章の章立てとなっている。そういった意味で、前著が「現代史として押さえておきたい常識」、Part2は「現在でもよく聞く国際問題の実情」を与えてくれる。
池上彰の読みやすい文章力は健在なものの、扱っている対象が若干狭く感じるので前著よりもちょい見劣りしてしまった。
しかし、「イラク」や「アフガニスタン」を初めとして、「チェチェン」、「東ティモール」などニュースではよく耳にするものの、実際のところどんな問題なの?と思っている人は読むと得るものは多いだろう。
しかし、参考文献として挙げられている和書が非常に多いが、これを中心にしてこの本を書いたのかは気になる。むしろ、外国語文献の方が重宝するのでは?