周木律のレビュー一覧
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周木律『小説 Fukushima 50』角川文庫。
門田隆将のノンフィクション『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』を原作にした映画『Fukushima 50』の脚本のノベライズと、書いてみればややこしい。
映画のノベライズということで、果たしてどうだろうと思ったのだが、原作には無かった登場人物の家族や生活や心情が描かれており、さらにリアリティが増して面白かった。
東日本大震災の大津波により福島第一原発は全電源を喪失し、後に日本全土を震え上がらせた未曾有の事態に陥る。原発の炉心溶融を防ぐために最後の最後まで命を賭けて闘い続けた吉田昌郎所長をはじめとする福島第一原発で働く多くの作業者たちの想いが伝わってくる。
一方で騒ぐだけ騒ぎ、肝心なことは国民に伝えず、福島第一原発に対して何ら有効な支援をせずに足を引っ張ってばかりいた同時の菅直人こそ、未曾有の大惨事をここまで悪化させた張本人ある。未だに激昂し、暴走しまくる沙悟浄みたいな菅直人や、「直ちに影響は無い」などと嘘ばかりを繰り返す猪八戒みたいな枝野の姿を思い出すと吐き気がする。
現在、世界を騒がせているコロナウイルスによる新型肺炎の安倍晋三内閣の対応を見ると福島第一原発事故を思い出す。初動で何ら策を打たず、世論を気にして策を打てばザルのような対応で全く頼りにならない。恐らく、近いうちに日本人のコロナウイルスの感染者は1,000人規模になるだろう。そして、国会で不毛な罵り合いが繰り広げられるのだろう。
本体価格640円
★★★★★ -
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ー 人類が有史以来続けてきた営みは、まさしく還元の一言に尽きるのだ。生活、争い、そして俗に愛と呼ばれるものに至るまで、これを理解するため人類はあらゆる還元を行った。
例えば生活とは、人間の生命に対する必要条件を要素に分解し充足する営みのことと還元される。争いも、資源や富の合理的または利己的配分に向けた暴力による解決手段のことと還元される。愛もまた、生殖活動とDNA保存という単純な要素に還元され、容易に説明される。
人類は、事象を還元作用により単純なものに定義し直し理解を進めてきたのだ ー
期待を裏切らないフィナーレ。
衆人環視の中で講義を行いながら、160キロも離れた孤島でいかに事件を起こしたのか。
閉ざされた孤島、「リーマン予想」講義、想像を絶するトリック、シリーズもの特有の伏線回収、とにかく素晴らしい出来栄え。
もちろんトリックは分かりっこなく、前代未聞。もはやSFミステリー。
トリックはあまりにもぶっ飛んでるけど、ここまで7冊読んできたからこそ味わえる余韻は奥深い。
面白かったなぁ〜。 -
Posted by ブクログ
ー 光…それは、空間と時間を超越した存在。過去、現在、未来、すべての時間を超え、すべての空間と相互に干渉しながら、すべてを照らし出す…
まさしくこれは、数学そのものよ。その定理は宇宙のどこにいても普遍的なものとして存在し、現在も、未来も、そして過去のどの時代においても…宇宙の開闢以前でさえも、あまねく在り続ける。
だから、誰かが数学を発見したなんていうのは幻想、ただのまやかしよ。ましてや発見者が特別の存在だなんてことも、超越することもない。超越しているのはただ、数学そのものなの。発見者が超越するはずがない…自らが、神なのだということもね ー
“堂シリーズ”6作目。これは『眼球堂の殺人』で感動した人たちのためだけの作品と言っても過言ではない。
今回は、王道の展開で挑戦状付き。…と見せかけて、トンデモナイ真相。これは分かるわけない。
次でラストなので楽しみだ。
それにしても、森博嗣の『すべてがFになる』から始まるS&Mシリーズや綾辻行人の『十角館の殺人』から始まる館シリーズと比較されがちで、犀川創平&西之園萌絵&真賀田四季ほどのキャラ萌え要素もなく、島田潔と建築家・中村青司ほどの深い世界観を構築出来ていないようにも思えるが、最後でなんとかして欲しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズを通して、そしてこの作品単体としてもとても面白かった。伽藍堂のときもそうだったけど、大胆過ぎる仕掛けに驚いた。ミステリというエンターテイメントだから得られる真相が解明されたときの高揚感を最大限感じさせていただきました。
ちょっとだけ気になったことを備忘として書いておく。以下ネタバレ
凍死した死体を発見したときの、焼死死体の状況については言及があったかどうか。大聖堂の断熱膨張と断熱圧縮によるトリックなら、あらかじめあった焼死死体のほうも凍ってると思ったんだけど、そこについて言及あったかな。あったからどうとか、なかったからどうこうということはないんだけども。
もう1つは大聖堂の仕掛けを起動させるスイッチについては、アトリウムには音声認識システムがなかったってことでいいのかね。まあ確かにそこかしこにマイクがあったら何回もスイッチ入ってしまう可能性あるし、多分ないって話なんだろうけども。
あまりに楽しくてかなりスピード感持って読んでしまったので見落とし、読んだけど忘れた等が考えられる。また見返して疑問解決したい。 -
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ネタバレ『失覚の病』を患った名探偵・六元十五、とその助手・三田村の物語
最終章
<あらすじ>
第5の事件が発生
悪徳企業の花純似社員が斬首される
この事件も六元が解決するが、聴覚を失う。
そして六元のもとに手紙が届く。
「畜から人へ。君の大切な人と引き換えになるのは、君の人生」
手紙の差出人は鹿野和義。
花純は誘拐され、次の事件の犠牲者として六元が指名されたのだ。
第6の事件
六元と三田村は鹿野から指示された場所に向かう。
そこにいたのは鹿野ではなく花純だった。
花純は三田村を銃撃し、その銃口を六元に向けた。
六元は今までの5つの事件の犯人全員が花純とつながっていたことや動機を推理し披露する。
そして六元は、赤の視覚を失った。
「六道連続殺人事件」を裏で操っていたのは花純だったのか?
<オチ>
すべての感覚を失った六元の目の前で三田村が豹変する。
真犯人は花純ではなく三田村だった。
その動機は六元を自分のもとに置きたいほど愛していたからだった。
豹変し六元に向かってベラベラしゃべる三田村だったが、それに答える六元。
すべての感覚を失ったのになぜ?
実は六元は第四の視覚を持つXXY型染色体を持つ特異者だった。
最後の視覚で読唇術を行い三田村に話す六元。
六元は戦時中に感覚を操作する薬の開発に従事させられ、恐怖心と良心を失わせる薬を作った。そしてその薬を三田村が飲んでいたことを三田村と再開した時に判ったこと。
そしてその薬の開発の影響で自身が失覚の病を患ったこと。
三田村が事件を起こした原因のすべては自分にある。と -
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ネタバレ『失覚の病』を患った名探偵・六元十五、とその助手・三田村の物語
第1章
<あらすじ>
昭和15年
喜怒哀楽愛憎の六情を見立てた連続殺人事件が発生。
六元十五は事件の真相を突き止め、人を操る術を駆使する凶悪犯・鹿野和義と対峙。
鹿野は崖から飛び降り、後日捜索するも発見されず生死不明扱いとなり、事件は終局。
その後、六元は表舞台から姿を消した。
昭和22年
六元の助手をしていた三田村は7年ぶりに六元と再会。
六元は六情連続殺人事件の生き残り・因埜花純と共に暮らしていた。
そこで六元が表舞台から姿を消した理由を聞かされる。
それは『失覚の病』を患ったからだった。
『失覚の病』とは人間から嗅覚・聴覚・味覚・触覚、それと視覚の内の赤・青・緑の計7つの感覚を奪う病で、
発症するきっかけは六元が推理をするときだという。
実際7年前の事件を解決したとき、六元は緑の視覚を喪失した。
そんな六元と花純のもとに差出人不明の手紙が届く。
「輪廻は回り出し、地獄の門は開かれり」
そして警察から難事件解決の依頼がくる。
監獄で死刑囚が突如炎上し焼死した事件
六元は事件の謎を解決するが、嗅覚を失う。
さらに自殺した犯人の遺書には謎の文面「地獄から天へ」
そして第2の事件が発生する。
上流階級の屋敷のパーティーで突然の餓死
この事件も六元が解決するが、味覚を失う。
その後、六元のもとにまた手紙が届く。「天から修羅へ」
これを見た六元は確信する。
天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道の『六道』になぞられた連続殺人事件であると。
すべての事件を裏で操っている真犯人がいると。
それは生死不明の鹿野和義なのか?
(中)へつづく、、、 -
Posted by ブクログ
2026年26冊目
すごく楽しめました!
もともと館系のシリーズも好きですし、仕掛けがある系の建物×ミステリーも好きな方でした。
しかし、やはりミステリーの御法度である隠し部屋や隠し通路があって、それがトリックの肝となっているものに関しては、アンフェアを感じてしまい、あまり好みではなくなってしまいます。
この小説は、そんな不安も関係なく、とても面白いものでした。
眼球堂という名前と建物の構造から、何となく“ああいう仕掛け”はあるんだろうなぁと推理を楽しんでおりましたが、まさか“あんな仕掛け”があったとは、、、
驚きとワクワク感で最高でした。
若干、“あの仕掛け”に関しては、いやさすがにこれは推測できないな…もうちょっとこれが推理できる事前情報出して欲しかったな…という箇所もありはしました。これが無ければ、星5にしてたかな…
クローズドサークルで、館系のミステリーで、個人的にはとても面白かったです。シリーズものらしいので、次回作も買って読んでみようと思いました。