周木律のレビュー一覧
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普段アンソロジーなんぞには手を出さない性分ではあるのだが、創刊以来のお付き合いであるタイガであり、お気に入りの作家も複数参加しているということで、購入に至る。
東川篤哉「陽奇館(仮)の密室」・・・ユーモアミステリの覇道を往きながら、ユーモアミステリらしからぬオチ。
一肇「銀とクスノキ」・・・青春叙述ミステリ。
古野まほろ「文化会館の殺人」・・・臨床真実士ユイカ登場。素晴らしいの一言。
青崎有吾「噤ヶ森の硝子屋敷」・・・著者らしいの一言。
周木律「煙突館の実験的殺人」・・・著者の真骨頂。
澤村伊智・・・「わたしのミステリーパレス」・・・知らないお人。新鮮で面白かった。
面倒くさくなって適当になったけど、買って良かった読んで良かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ<あらすじ>
山奥の製薬研究所で謎の爆発事故が発生。
その現場で目を覚ました泉夏樹(♀)は全ての記憶を失っていた。
研究所を出て助けを求めようとしたそのとき、理性を失い凶暴化した人々が突如襲いかかり、噛み付いてきた。
それはまさに人を喰らうゾンビの群れだった。
なんとか逃げ出せた夏樹が研究所から外に出ると、研究所を取り囲むバリケードがあり、自衛隊と戦車が配備されていた。
そして拡声器から聞こえてくる言葉
『現在この敷地内はレベル4事態による封鎖指示により誰も敷地外に出さない』
仕方なく夏樹は研究所に戻ったとき、自分が研究所の責任者で、不老不死の研究をしていたこと。そしてゾンビに対するワクチンがあったことを思い出す。
記憶が完全に戻っていない夏樹だったが、とりあえず現状を打破すべく、死体にそのワクチンを注入し、それをゾンビが食べることで、そのゾンビを元の人間に戻す作戦を決行。
そして研究所にいた全てのゾンビが元の人間に戻った。
完全に安全になったことで夏樹は再度自衛隊がいる所に行き、ゾンビがいなくなったので敷地外に出してほしいと伝えるが、信用出来ないと言われてしまう。
じゃあ実際に見て確認してくれということで、自衛隊の部隊長を引きつれ研究所内を案内した。
しかし部隊長が数日間研究所に滞在し安全を確信した頃、事件が起きる。
ゾンビから人間に戻った人々が次々に死んでしまったのだ。
死因は老衰だった。
ワクチンのせいか不透明なので、夏樹は完全に記憶を取り戻すことを決意。
爆心地へ向かったところ、そこに研究ノートがあり、それを読んだ夏樹は全ての記憶を取り戻す。
夏樹は不老不死の研究をしていて、最初に作った薬は病気をも治してしまうほどの成果だったが、副作用が急激な老化だった。
しかもそれは経口感染で、研究所内にいる人々にまでその効果が出始めてしまっていた。
このままでは研究所自体が終わってしまうので、夏樹はその老化を防ぐ薬を開発した。
そしてその薬をみんなに投与したが、副作用が食人本能の覚醒だった。
この事態に政府は研究内容を知りながらも『バイオ事故が起きた』ということにして敷地内を封鎖。
国に見捨てられたことを知った夏樹は憔悴し、夏樹本人が研究所を爆破したのだった。
(ワクチンは単純に2回目の薬の効果を消すだけのものだったので、みんな最初の副作用の老化が再開した)
敷地内に残ったのは夏樹と部隊長のみとなり、2人は外に出ようと歩き出す。
しかし自衛隊により再び止められる。
状況を話しても理解せず、自衛隊は部隊長を狙撃!
国は2人をバイオテロの犯人として処理する決定をしていた。
自衛隊によって銃殺される部隊長。
夏樹は銃撃の中をくぐり抜け研究所へ退避し生き残った。
<オチ>
それから35年の月日が流れた。
自衛隊はその間もずっと敷地内を警備していた。
そんな中、研究所から1人の少女が姿を現した。
過去35年一切音沙汰無い場所から人が現れたことで驚く自衛隊員。
少女は自衛隊に言った。
私の名は泉夏樹です。封鎖を解いてください。と。
夏樹は35年間ずっと研究所で不老不死の研究を続け、それに成功したのだ。
自衛隊の報告に政府も驚き、是が非でも不老不死の研究成果が知りたい政府は封鎖を解き夏樹を囲う。
しかし夏樹は研究は成功したものの、それにより不老不死が自然に反した存在で間違いであることを悟っていた。
研究所一帯が無害であることを証明し、封鎖が解除されたことで満足な夏樹。
不老不死を知りたい政府。
教えたくない夏樹。
だったら拉致すると脅す政府。
こんなものは存在しないほうがいいと言う夏樹。
夏樹はかつて部隊長が持っていた拳銃を取り出し、自ら頭を撃ちぬき自殺した。 -
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ネタバレ理系ミステリ、ということで小難しい表現も多くあったが、まぁあんまり理系ぽい部分はちゃんと読まなくてもいけた(?)
ところどころちゃんと覚えておかないといけない表現や定義の仕方があったけど、理解が大切ではなかったと思う。
殺人のシステムについては、思いもよらず、驚かされた。
最初の死体がフェイクだというのは予想外だし、屋敷自体が動くというのも予想外。
はたまた内側に開いた穴に水が溜まるというのも予想外。つまりなんの予想も立たず、謎解きで初めてどんな風に事件が進んでいったのか理解した。
実は読んでいた本が作中作で、語り手によって捻じ曲げられているというのはよくある話。
がしかし、その語り手が犯人だったというのはなんとも「反則!」と言いたくなる。
しかしながら最後にその事実が知れた時には、本当に「えっ」と声を出して驚いてしまった。
結局のところ、期待通りの内容だったのかと言われると「わからない」というのが本心だが、
その仕組みの壮大さと、ラストのどんでん返しは天晴れだった。
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ネタバレ大厄災のため人類は絶滅の危機に瀕したが、カーネと呼ぶ人工知能を開発し、その統治により平和を享受していた。
十七歳の学生アムスは、ある日助教授の惨殺体を発見する。学長からは事件を多言しないよう命じられるが、アムスは密かに事件について探り始める。
かつて絶滅の危機に瀕した人類が、人工知能の統治のもと"生業"を同じくする人々とのコミュニティをつくり暮らしている世界で起こる、連続惨殺事件の真相を探るSFミステリです。
純粋にSFミステリかと思っていたんですが、メインの謎となるのは事件の犯人などより、世界観そのものについてです。あまり生殖とかをテーマにした話とかは苦手なので、そのあたりが話の焦点となっているのはちょっと辛かったなと思いました。
個人的には正直、うっっすら反出生主義者なのもあり、ラストにも登場人物たちの考え方についてもまったく理解も共感もできず困惑だけが残りました……。
というか、これ男性ってどういう気持ちで読んでるんだろう。女の自分でも男性性の扱いどうなのかと思ったのに。いや、作者さんも男性だったと思いますけど。
歪だろうがなんだろうが、それで何百年も平和なら別に良いとは思いますけどね。さらに極端にしたヒ●マイみたいな世界観だな……。