【感想・ネタバレ】双孔堂の殺人 ~Double Torus~のレビュー

あらすじ

二重鍵状の館、「Double Torus(ダブル トーラス)」。警察庁キャリア、宮司司(ぐうじつかさ)は放浪の数学者、十和田只人(とわだただひと)に会うため、そこへ向かう。だが彼を待っていたのは二つの密室殺人と容疑者となった十和田の姿だった。建築物の謎、数学者たちの秘された物語。シリーズとして再構築された世界にミステリの面白さが溢れる。「堂」シリーズ第二弾。

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ネタバレ

 飛び飛びになってしまったが「堂」シリーズ2作目。善知鳥に代わり宮司を語り部として始まるが十和田がいきなり逮捕されるという衝撃の展開からスタートする。客観的に自分が犯人でしかありえないという理屈に基づく行為で偏屈だが、この偏屈さが十和田の魅力でもある。とはいえ、変則なあまり犯人にまんまと利用されてしまっているあたり妙な小物さをどうしても覚えてしまう。理系ミステリの代表格である犀川先生や真賀田四季と比べると人間的にも大きく劣ってしまうからだろうか?十和田只人の惜しいところは偏屈さ以外の要素で他の名探偵達に劣るところが大きいことだ。理系的な要素では犀川先生や真賀田四季に、専門的な知識を伝えるコミュニケーション能力は浜村渚や京極堂に。易々と十和田を越えてしまう天才達がいるからこそ、十和田がただの偏屈野郎に思えてしまう。少々愚痴になってしまったが、とはいえ僕がもっと理系に傾倒していればもっと十和田についてこれたのかもという歯がゆさもある。このシリーズを読むための能力が僕にはないのかもと思うときもある。
 トリックの話をしよう。エレベータの描写の時点でトリックは何となく予想できた。今回は少し早足に読んでしまったがそうでなければもっと真相に近づけただろう。とは言え、ファイの読み間違えや平の体などの伏線は見事だと思う。ページが少ないからかキャラの活躍があまりないのが残念ではあった。
 少しモチベーションの上がらないシリーズではあるが、それは面白くないからではなくそれに勝るシリーズが多すぎるから。絶体に全て揃えるし、最後まで十和田の偏屈ぶりを見届けたい。

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2023年09月04日

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シリーズ1作目よりも面白い。
宮司兄妹が今後どんな風に物語に食い込んで来るのかが楽しみ。
それにしても、数学の話は難しい。昨今、高等教育の場でも数学の重要さが叫ばれているけれど、心から賛同。文系だからといって避けて通ってはいけない道だった・・・。

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2020年04月13日

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他の感想にもあるように、数学的な説明が多く、その“パート”に入ると内容が理解できているような出来ていないような感覚に陥るが、重要な要素はわかりやすくヒントとしてその“パート”に含まれているためあまり読み進めることに支障はないので問題はないと感じた。トリックについては前作同様、違和感の多さや多分に散りばめられたヒントにより自分自身でも推理(推測)することはできるが、それでも「やられた。」と思えるほど奇抜でシンプルな解が存在していることは騙された側としては気持ちがいい。しかし文章において詰めの甘さを感じないでもないことから星4とさせていただく。

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2024年12月21日

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トリック、解決に向けた流れ、手が止まらなくなる面白さでした。詳しくは書けないけど、全然予想できませんでした。
ただ、作者がことわっているとおり、数学の話は難しい。そこは読むのしんどいし、理解できなくてもストーリーの理解に影響ないけど、なんとなく悔しいです(笑)ポアンカレ予想、多様体、位相幾何学、どれも理解できず、ネットで調べても、あぁとはならない。前作の方がまだ数学部分はとっつきやすかったです。
次作も読みます。

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2024年10月31日

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ネタバレ

数学の話はちんぷんかんぷんで流し読みしたが、ストーリー自体はさくさく読めた。
結末はふむふむなるほど、といった感じだが、途中いろいろと解決されていない謎が残っているのは次回作に続くのか…?それとも私の理解ができていないだけ?

藤衛はどんな罪をおかしたのか?
宮司兄妹の親を殺した?
うとうかみはラストで何故百合子に接触してきた?

みんなうとうかみの悪事を秘密にしすぎ笑
木村位も自白のとき言ってもいいのに笑

次回作も気になっちゃうのでまた読みます。

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2024年10月21日

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あとがきにも書いてあるように、この作品は理解できない数学に関する会話が割と長く続きます。

ですが、物語として成立していて、私は続きが気になってしまいあっという間に読破してしまいました。

ある程度読み進めていくと、ミステリー小説を他にも読んできた方でしたら、ある程度犯人は分かると思います。
けれども、犯人に関する人間関係や動機、様々なトリックと伏線にはなかなか気がつけないと思います。

物語終盤にはそれらトリックと伏線がするすると説明、回収されていきます。
個人的には読んでいってそれが爽快でした。

シリーズものであることが嬉しいと感じる終わり方。
引き続き堂シリーズを読んでいこうと思います。

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2024年08月03日

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ネタバレ

『堂シリーズ』第二弾。
今回はクローズド・サークルではなく、事件が起きた後の現場を捜査していくというもの。今回はなんと十和田が犯人として逮捕されてしまうという展開は驚いた。なので今回は宮司が実質的な主人公として捜査していく。館にトリックがあるのはなんとなくわかっていたが、「分かるわけないやろ!」と思いながら読んでいました。宮司がエレベーターを降りていたときに感じていた違和感は水圧変化による物なのだなという考察が出来たりと最初からヒントが隠されていてとても面白かったです。今回の結末は前回に比べたらまだ救いがあるのかなと思っていたら、やっぱりお前が関わっていたんかい!という人物が出てきて思わず笑ってしまった。これからもシリーズは続いていくので呼んでいきたいです。

この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
十和田只人:津田健次郎
飯手真央/善知鳥神:種田梨沙
宮司司:細谷佳正
宮司百合子:長谷川育美
降脇一郎:古川登志夫
鰐山豊:大塚明夫
鰐山明媚:早見沙織
平国彦:小松史法
鳥居美香:伊藤彩沙
立林付:梅原裕一郎
藤毅:堀内賢雄
毒島:畠中祐
船生:田中敦子

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2023年02月19日

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建物はおもしろい。トリックはあまりおもしろくない。
でも自分が理論数学が好きなのと、十和田が好きなのでどうしても高評価になってしまう。
ミステリだけ見た時は2〜3だろうとは思う。

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2022年01月22日

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う~ん今回も面白かった。  
私ごときじゃ理解できない数学談義を流し読みして、気になる本編を読み進める。  
もう少し厚みがあってもと思ったけれど、十二分に面白かった。    
ダブル・トーラス。それさえ分かれば単純明快。  
そこに複雑に絡まる人間関係。  
盲点を突かれるのはほんと面白い。

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2017年02月17日

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堂シリーズ第2弾
「双孔堂の殺人」

ダブルトーラスと呼ばれる二つの穴が空いてる建物。そこで起きる密室殺人事件。
そして容疑者は十和田只人。

ヒントはちゃんとたくさんあって、なんとなく気づける˙ᴥ˙。

でも眼球堂ほどの衝撃ではないかも。
どうせならもっとトポロジーを絡めてほしかった。
あれだけトポロジー言ってたのにミステリは普通だった気が。

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2025年10月30日

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ネタバレ

シリーズものとして本格的にスタートということで、新キャラが登場し、善知鳥神もラスボスめいた雰囲気でしっかり登場。
あとがきにもあるように数学の話が難しく序盤は中々読み進まない(自分の信念を曲げない面倒くさいキャラが多すぎる笑。羨ましくもある)が、後半の謎解きは面白く読むスピードは上がる。

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2025年10月13日

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堂シリーズ第2作目。1作目が面白かったので。

とはいえ、前作ほどの面白さやワクワク感、衝撃は薄かったかも。
たぶん、あとがきでも書いてある通り、数学の話がすごく多かったことが原因だと思う。
ただここでシリーズの肝となる宮司司と百合子ちゃんが登場する意味で、本作を読む意義はあると思った。

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2025年06月28日

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 放浪する数学者を求めて訪れたのは"双孔堂"、警察庁キャリアである宮司はそこで密室殺人が起き、容疑者として尋人である十和田只人が捕まってることを知る。 自分が犯人であると結論づける十和田、既に出された解を変えるには事件の'前提'を覆さなければ・・・ シリーズ第二作。

 流石屋敷に主眼を置いてるだけあって面白いトリックでしたね。 キャラも立ってきてるしいいシリーズになってきたんじゃないでしょうか?

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2024年03月19日

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堂シリーズ二作目。
前作以上に数学蘊蓄がパワーアップ。
全体の3割ぐらい数学の話してるため、どちらかというと文系の自分には頭の中にクエスチョンマークが駆け巡っていましたが、なんか読んでて楽しかったです。
眼球堂に続き変な建物ですが、変で奇天烈な建物であればあるほど本格ミステリファンは喜ぶので(偏見)最高です。ただトリックは前作よりも劣るかな...
そして最後にあの人も登場。やっぱり出てきた。
森博嗣作品の某人みたいな感じになっていくんですかね?

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2023年12月28日

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堂シリーズ2作目。小難しい数学の話が延々と続くパートも多い。一方で今回初登場の宮司兄妹が非常に良い味を出している。
今後に繋がりそうな展開、そして数学と館ものをかけ合わせた今シリーズの方向性がある意味で明確になったと思う。読みながら「いや、これはわからん」と何度も挫けそうになりながら、良くわからないところは検索しながら読んでいった。
ここまで数学についての記述が徹底していると、他のシリーズとは違う読後感もあった。
シリーズ化に向けていろんな準備は整ったと思う。

肝心のトリックはやはり1作目のほうが面白かったが、キャラクターはとても立っていた。
ラストのどんでん返しも良いびっくりでした。

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2023年08月25日

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堂シリーズ2作目

数学的な専門用語多出のため、かなり難解な点はあるがぶっちゃけ分からなくてもどうにかなる

前作眼球堂と比べると奇想天外なトリックは抑え目だが十分に読み応えがある

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2023年08月15日

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数学の蘊蓄がちょっと五月蝿いかなと。

ミステリとしてはなかなか面白かったです。

シリーズ2作目なので、これからシリーズの醍醐味が味わえるのかなと思います。

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2022年06月24日

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とんでも館で発生した殺人事件、天才数学者と警視が不可能犯罪に挑戦する。十和田只人の堂シリーズ2作目、双孔堂の殺人。

今回はポアンカレ予想、宇宙の形がおおむね球体というヤツですね。次々出てくる数学用語はさっぱりわかりませんが、世界観は伝わります。おそらく今回で堂シリーズのフォーマットが決まったようで、本作は安楽椅子探偵の形でお話が進みます。

謎解き自体はシンプルなので考えやすく、解決編も納得性が高いです。理系の世界観を前面に出しながらも、昔ながらのしっかりとした本格ミステリーです。ほかの作品も是非読んでみたいです。

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2021年12月12日

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今回の話は難しかった。数学用語なんだと思うけど、何だか哲学みたいだし。最後のトリックのところも???な感じでした。
でも面白いんだよなぁ

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2021年04月16日

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肝心のトリックについては、1作目より落ちるかなという印象。あんまり館の形に必然性がないような…。結構難しい数学ネタが多いのは、好物なので割と良かった。作者は本当に数学科出身なんじゃないかと思ったりもするが、建築科出身なのだとか。シリーズとして繋がった物語がありそうな雰囲気も出てきて、次巻以降に期待したい。

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2021年04月11日

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表紙が綺麗。
数学の部分は知識ひけらかしのように思えて流し読みしてしまったが、トリックと全然関係ないように思えた難解な話が流し読みながらも閃きにつながる...と不思議な感覚を覚えた。
謎解きのヒントに気づけた部分は5割くらいだった。
あと「共同研究」という言葉の響きがなんかダサい...他になんか言葉ないのかな?

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2020年02月02日

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■館と天才たちと奇行の探偵、再び。第二弾開幕!

二重鍵状の館、「Double Torus(ダブル トーラス)」。警察庁キャリア、宮司司は放浪の数学者、十和田只人に会うため、そこへ向かう。だが彼を待っていたのは二つの密室殺人と容疑者となった十和田の姿だった。建築物の謎、数学者たちの秘された物語。シリーズとして再構築された世界にミステリの面白さが溢れる。「堂」シリーズ第二弾。

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2019年10月27日

Posted by ブクログ

数学が理解できたらもっとこのミステリ楽しめるんだろうなぁ。それ抜きにしても、館物として面白いとは思うのだけど。

ダブルトーラスと呼ばれる館で起こる殺人事件。そして自分が犯人だといいはる流浪の数学者十和田只人。この難事件に挑む宮司警視。
いつ神が出てくるのかと思ったけど、そこだったのか…と。

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2019年08月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

十和田、こんな人だったっけ?
『眼球堂の殺人』の時はもっと人間味があった気がしたんだけど…

十和田が自首する、という出だしは、読者を引き込ませる。
でも、このシリーズは、どんなに味付けしても建物に仕掛けがある訳で、書く側にとってはなかなか難しいだろうなぁ。
もう一階層あるんだろうなぁ…ってのも何となく分かっちゃうし。

作者も自覚してるけど、数学の話題が盛り沢山で、数1で挫折した身には非常に非常に辛かった。
まぁ理解できなくても、ストーリーは理解できるんだけど、やっぱり数学分かる人は更に面白く読めると思う。機会損失、残念。

で、トリックは想定内なんだけど、それ以外の部分で驚かされた。
何といっても善知烏神が出てくるところ!
全く油断してたので、全然気づかなかった(それにしてもすぐ分かったはずの十和田が無反応だったところにはモヤった)。
あと、シリーズ化するためか、新たな登場人物、宮司司をめぐる過去について、ほのめかすだけほのめかしておいて、次シリーズに持ち越しなのも、作戦なの?

なんだかんだと次も読むと思う。

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2019年01月28日

Posted by ブクログ

この作品世界では、本邦版FBIが存在していて、その組織名称に偶々、「警察庁」という、現実の日本にあるのと同じものが採用されている。警察庁の職員は、個別事件の捜査について自治体警察に対して常に包括的な指揮権を有するので、宮司警視はやりたい放題だ。かなり中央集権的な制度設計なのだろう。ちなみに「警視」という階級も偶々現実の日本にあるものと同じようだが、現実のそれよりも遥かに上の階級のようだ。とか想像力を働かせて読む。
これらを「ありえない。」といって拒否したり、逆に現実と混同する人はフィクションを読むのに向かないということ。
SFやファンタジーで現実世界とは違う物理法則や「未知の」物質が存在する前提を受け入れるのと同じである。

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2017年01月14日

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