あらすじ
破格の推理力を持ち、その名を轟かせた美貌の名探偵・六元十五。だが、戦火の気配漂う中、突如として探偵は表舞台から姿を消した。あれから七年――。助手として、数多の難事件をともに解決に導いた三田村は、荒廃した東京で六元に再会した。探偵は、告白する。推理に集中すると、感覚を失う「失覚の病」に冒されていることを。しかし、不可解な連続殺人が発生し、再び二人を事件に呼び戻す。
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Posted by ブクログ
『失覚の病』を患った名探偵・六元十五、とその助手・三田村の物語
第1章
<あらすじ>
昭和15年
喜怒哀楽愛憎の六情を見立てた連続殺人事件が発生。
六元十五は事件の真相を突き止め、人を操る術を駆使する凶悪犯・鹿野和義と対峙。
鹿野は崖から飛び降り、後日捜索するも発見されず生死不明扱いとなり、事件は終局。
その後、六元は表舞台から姿を消した。
昭和22年
六元の助手をしていた三田村は7年ぶりに六元と再会。
六元は六情連続殺人事件の生き残り・因埜花純と共に暮らしていた。
そこで六元が表舞台から姿を消した理由を聞かされる。
それは『失覚の病』を患ったからだった。
『失覚の病』とは人間から嗅覚・聴覚・味覚・触覚、それと視覚の内の赤・青・緑の計7つの感覚を奪う病で、
発症するきっかけは六元が推理をするときだという。
実際7年前の事件を解決したとき、六元は緑の視覚を喪失した。
そんな六元と花純のもとに差出人不明の手紙が届く。
「輪廻は回り出し、地獄の門は開かれり」
そして警察から難事件解決の依頼がくる。
監獄で死刑囚が突如炎上し焼死した事件
六元は事件の謎を解決するが、嗅覚を失う。
さらに自殺した犯人の遺書には謎の文面「地獄から天へ」
そして第2の事件が発生する。
上流階級の屋敷のパーティーで突然の餓死
この事件も六元が解決するが、味覚を失う。
その後、六元のもとにまた手紙が届く。「天から修羅へ」
これを見た六元は確信する。
天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道の『六道』になぞられた連続殺人事件であると。
すべての事件を裏で操っている真犯人がいると。
それは生死不明の鹿野和義なのか?
(中)へつづく、、、
Posted by ブクログ
戦後を舞台としたミステリ。推理するごとに五感を失ってゆく病に冒された探偵・六元。彼が関わらされる恐るべき連続殺人は、実に奇想天外でインパクト抜群です。六道になぞらえ、殺害方法のバリエーションもあまりに見事。焼死はまだしも、餓死は……こんな方法があるとは!
そしてその事件の影に見える、かつての事件の犯人の影。さらに一つずつ感覚を奪われていく探偵。かつてないスリリングな展開にどきどきです。
Posted by ブクログ
う~ん優秀な探偵さんだ。
しかしまぁ役に立った感覚から失っていくとは、なんとも因果なものか……。
倒したはずのラスボス復活疑惑。
推理せずにはいられない名探偵の宿命。
続く。