周木律のレビュー一覧
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購入済み
挑戦状だもの
アンソロジーの「ほとんど一編試し読み!」だけあって、ボリュームは満点。
だが、流石に事件の結末は本編を。
つまり、この内容だけで推理をして、結論を出してから本編を買えと言う挑戦状か……? -
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ネタバレ堂シリーズ第6弾。
ついに沼四郎が建築した最初の堂に訪れた百合子=水仙はそこで起きた連続殺人の顛末が書かれた手記を読む。そこで描かれた殺人事件の犯人の正体は?書き手の「わたし」の正体は?多くの魅力的すぎる謎でとても面白かったです。
そして、さらに深く明かされる司の家族のアイデンティティにはとても驚かされました。またこれまで不気味な堂の設計者である沼四郎の本心が最後の後書きで明かされていて彼自身も、一人の人間だったんだなと思いました。それの対比のように藤衛の不気味さが際立っていて、そして多くの事件に暗躍することが明らかとなり、ラスボスにふさわしい人物だと思いました。ここまで“原点”の藤衛と繋がっ -
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ネタバレ途中数学の難解な知識を話しているところは、私にはちんぷんかんぷんでなかなか頭に入ってこなかったが、最後の種明かしはなかなかに面白くて、一気に読み進めた。
途中の南部や深浦、十和田の推理が、そりゃいくらなんでもないやろ笑、という発想のものばかりだったのは気になった。笑(窓からポールまで死体を投げてぶっ刺すとか)
眼球堂自体のトリックは、何かしら数学的・物理的なトリックが絡んでるんだろうなーくらいにしか考えておらず、水を溜めるという発想はすごかった。
エピローグのどんでん返しは全然予想しておらず衝撃だった。
にしても、数学の優位性を示すためにその他の権威たちを殺すって…頭おかしすぎやろ。笑
結局 -
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あとがきにも書いてあるように、この作品は理解できない数学に関する会話が割と長く続きます。
ですが、物語として成立していて、私は続きが気になってしまいあっという間に読破してしまいました。
ある程度読み進めていくと、ミステリー小説を他にも読んできた方でしたら、ある程度犯人は分かると思います。
けれども、犯人に関する人間関係や動機、様々なトリックと伏線にはなかなか気がつけないと思います。
物語終盤にはそれらトリックと伏線がするすると説明、回収されていきます。
個人的には読んでいってそれが爽快でした。
シリーズものであることが嬉しいと感じる終わり方。
引き続き堂シリーズを読んでいこうと思います -
Posted by ブクログ
ネタバレ堂シリーズ第5弾。
まさかそんなことになってしまうとは...。
前回からの登場人物である脇や小角田を始め、常連キャラの毒島や船生、さらには宮司警視正までもが死亡してしまうという展開にとてもしんどい気持ちになってしまいました。そしてここで宮司百合子が実は善知鳥水仙であり善知鳥神の妹で、かつこのシリーズの”原点”である藤衛の娘であるという衝撃の事実が明かされるという濃い内容となっていてとても面白かったです。
今回は数学と言うよりも経済学の考え方である、ゲーム理論・ナッシュ均衡・パレート効率が出てきて、大学で専門に近いものが出てきて、比較的読みやすいなと感じました。それをここまで残酷な殺人ゲームの設 -
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ネタバレ堂シリーズ第3弾。
5角形の館:五角堂を舞台に天才哲学者:志田幾郎の遺産相続のため招かれた11人の男女。そこで志田家の関係者が次々と殺害されていくという物語。今回は宮司の妹:百合子が殺人事件の探偵役として活躍し、もう一人の探偵役の十和田は善知鳥神から問題の出題のごとく、ビデオで見ながら推理していくというもの。今回も叙述トリックが使われており、悟の盲目設定や館が複数存在するなど驚かせる要素が多く面白かったです。今回の視点は百合子であるためわざわざ悟のことを語らないし、時計や光の違和感にも気づかないという所でとても読者に対してフェアだなと思いました。
トリックのトンデモ具合はいつもの通りだが、宮司