周木律のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ飛び飛びになってしまったが「堂」シリーズ2作目。善知鳥に代わり宮司を語り部として始まるが十和田がいきなり逮捕されるという衝撃の展開からスタートする。客観的に自分が犯人でしかありえないという理屈に基づく行為で偏屈だが、この偏屈さが十和田の魅力でもある。とはいえ、変則なあまり犯人にまんまと利用されてしまっているあたり妙な小物さをどうしても覚えてしまう。理系ミステリの代表格である犀川先生や真賀田四季と比べると人間的にも大きく劣ってしまうからだろうか?十和田只人の惜しいところは偏屈さ以外の要素で他の名探偵達に劣るところが大きいことだ。理系的な要素では犀川先生や真賀田四季に、専門的な知識を伝えるコミュ
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購入済み
あれから10年
震災から10年。
改めて原発に携わる人々の苦労を身に染みて感じました。
読んでいる途中に、東北地方で震度6強の地震があり、とても驚きました。
備えあれば憂いなし。 -
Posted by ブクログ
「Fukushima50」が良かったので、他にどんな本を書いているのだろうと思って、手に取った一冊。
あまり何も考えずに、読み始めたが、まさか、まさかのタイムリーな内容。でも、その分、単なるパニックミステリーとしてではなく、改めて今日本が置かれている現状を考える一冊となった。
四国の小さな村から始まった謎の大量死。日を追うごとに範囲は拡大し、突然何人もの命が奪われることから、政府は生物兵器によるテロとして、対応を始める。そんな政府の中で厚労省の参事官・斯波は上官の田崎と共に感染症の疑いを訴え続ける。
命を懸けてまで、四国まで行った斯波だったが、集めて来た検体からはウイルスも細菌も見つからず、責 -
Posted by ブクログ
周木律『小説 Fukushima 50』角川文庫。
門田隆将のノンフィクション『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』を原作にした映画『Fukushima 50』の脚本のノベライズと、書いてみればややこしい。
映画のノベライズということで、果たしてどうだろうと思ったのだが、原作には無かった登場人物の家族や生活や心情が描かれており、さらにリアリティが増して面白かった。
東日本大震災の大津波により福島第一原発は全電源を喪失し、後に日本全土を震え上がらせた未曾有の事態に陥る。原発の炉心溶融を防ぐために最後の最後まで命を賭けて闘い続けた吉田昌郎所長をはじめとする福島第一原発で働く多くの作業者た