アレクサンドル・デュマのレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレモンテ・クリスト伯はメルセデスに生きているか死んでいるかも分からん男のために一生涯禊を立てろとでもいうのか……
確かにフェルナンの手を取ったことは納得できないまでもそれでもモルセール夫人ではなくメルセデスとして絵を描かせたり正体を見破ったりと、生きるためにフェルナンの手を取っただけで心の中にはエドモン・ダンテスがいることは分かるのに、そんな健気なメルセデスに対して許す許さないだの言ってるのはとても傲慢だなと感じてしまう。
エデが伯爵を愛しているのは一種のグルーミングだと思うのだけど、伯爵は父として愛していた筈なのに最後にエデを恋人として愛することについての伯爵の心の変化の描写が少くて少しモ -
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレモンテ・クリスト伯があちこちに蒔いた罠が、いよいよ仇敵たちを追いつめる。
まず最初に舞台から去ったのはカドルッス。
彼はエドモンが陥れられるのを知っていて知らんふりをしていただけなので、他の人たちに対するよりも憎しみは少なかったのだろうか。
最初は落ちぶれていたカドルッス夫妻に大きなダイヤモンドをプレゼントしたりした。
けれどもそれが引き金になって、小悪党だったカドルッスは人殺しの犯罪者になったのだから、やはり復讐するつもりだったのか、それともカドルッスにチャンスを与えたのか。
カドルッスはエドモンの手によってベネデットとともに監獄から抜け出すことに成功したが、その後もやはり人目を避けての -
Posted by ブクログ
ネタバレいよいよ復讐が佳境に入る。
ダングラールはことごとく株で失敗し、体裁を取り繕う余裕もない。
ダングラール夫人とヴィルフォールの過去の子殺しについては、モンテ・クリスト伯がその事実を知っているのかいないのか判断がつかないまま宙ぶらりん。
ヴィルフォールの家では彼の義理の父母と、父の召使が立て続けに死亡。
かかりつけの医師はこれを連続殺人であり、犯人は娘のヴァランティーヌであると見なす。
検事総長の家族が連続殺人犯である、と。
フェルナンは過去の悪行が新聞に掲載されるが、今のところフェルナンがモルセール伯であることは知られていないので、アルベールが父の名誉を守ろうと動くことが却って事実を顕にし -
Posted by ブクログ
" アンドレアはとぶようにして部屋へはいると、カドルスの手紙に火をつけて燃やし、灰のあとまで消してしまった。" P.76
"「いやだ」とカドルスはいった。「いやだ。神さまなんていやしない、摂理なんてありゃしない、ただ偶然があるだけなんだ」" P.105
読中、ちょっとぐぐったりすると「モンテ・クリスト伯はラノベ」だとか「モンテ・クリスト伯はなろう」とかヒットしたりする。
この作品に限らず、他の文学作品にもそう思うことはある。「名作、古典、文学」というラベルは、「ラノベ、なろう」などのラベルと競合しないということに気付かされる。『はつ恋』なんて、タイト -
-
Posted by ブクログ
"「ねえ」と、伯爵夫人はいった。「バイロンはわたくしに、自分は吸血鬼はいると信じているといいましたわ。自分でも見たといって、その顔を説明してくれましたわ。それがまったくあの方とおんなじなのです。あの黒い髪、あのふしぎな炎で燃えているような目、あのすさまじいまでの青白さ。それに、いっしょにいる女の人がまた、ふつうの女の人じゃありませんのよ。ギリシアの女……きっと、あの方とおなじに魔法使いの女かもしれませんわ」" P.329
作品解説によれば、二年間、新聞紙上で連載された作品だそうで、連載が途切れると騒ぎになるほどの人気を博したそうである。
なるほど、随分と悠長な復讐物語であ -
Posted by ブクログ
ネタバレいよいよモンテ・クリスト伯の復讐の罠が、仇たちに投げかけられる。
ダングラールには高裁で大損をさせ、ヴィルフォールとダングラール夫人の昔の罪がいよいよ暴かれようとする。
そしていったん物語から姿を消したカドルッスが落ちぶれて復活。
人を殺してまで手に入れた宝石と大金はどうなったん?
とにかくモレル家の長男マクシミリヤンのことが大好きなモンテ・クリスト伯。
ところが彼は、モンテ…めんどくさいな、エドモン・ダンテスの敵であるヴィルフォールの娘と恋仲なのである。
意に染まぬ男と結婚させられそうな娘・ヴァランティーヌを救うため、モンテ・クリスト伯に助けをもとめようとするマクシミリヤンにヴァランティー -
Posted by ブクログ
ネタバレ無実の罪で決して脱走などできないシャトー・ディフの監獄に囚われたダンテスは、ファリア司祭から語学や化学などの実学を学び、コツコツと脱獄の準備を進めていた。
しかし、ファリア司祭はついに3回目の発作を起こし、亡くなった。
この機にダンテスは脱獄を実行する。
そして船乗りの経験を活かして、密輸業者の船に乗り込み、機会を見つけてモンテ・クリスト島に隠された宝を見つけ、姿を消したのだった。
とはいえ、ダンテスが変装をしたところで読者にはわかる。
まず最初に姿を現わしたのは、ダンテスのかつての雇用主のモレル氏のところ。
モレル氏は最後までダンテスの無実を信じ、何度も関係者に掛け合ったけれども、ナポレオ -
Posted by ブクログ
ネタバレローマでモンテ・クリスト伯が出会ったふたりの青年、フランツとアルベール。
どちらも良家の青年らしく好奇心のままに行動することに躊躇せず、汗して得た金ではないのに(ないから?)無造作に金を使い、社交の場に顔を出す。
比較的慎重で常識的なフランツは、ローマ以前にも一度モンテ・クリスト伯と会っているので、彼の狙いはてっきりフランツだと思ったのだけど、今巻でモンテ・クリスト伯のターゲットはアルベールだったことがわかる。
アルベールを通してフェルナンとメルセデスの夫婦と知り合うモンテ・クリスト伯。
その後ダングラールとヴィルフォールとも出会うが、彼がエドモン・ダンテスであることに気づいたのはメルセデス -
Posted by ブクログ
ネタバレ岩波文庫なのに読みやすい!というのに、まず驚きました。
注釈なしでもスラスラ読める。(初刷は1956年で、私が読んだのは2018年の94刷)
同じく岩波文庫の『レ・ミゼラブル』とはえらい違いです。
ストーリーは子どもの頃に抄訳で読んでいるのでわかっていますが、それでもページを繰る手がとまりません。
エドモン・ダンテスくんの人の良さというか、世間知らずというか…にヤキモキしてしまいます。
ダンテスの美しい恋人メルセデスに横恋慕して、彼を陥れようとするフェルナンの行動はわかるとして、ダンテスと同じモレル商会で働いている会計士のダングラールがなぜあれほどまでにダンテスに対して憎しみを感じているの