アレクサンドル・デュマのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレダンテスによる復讐劇もいよいよクライマックスです。
長かったですが、ようやくここまで来ました。
残りのターゲットはダングラールとヴィルフォールです。
ヴィルフォールに関しては予想通りといえば予想通りの結末でした。
もっとも、娘のヴァランティーヌに関しては予想通りというわけにはいきませんでしたが。
まあ、注意深く読んでいれば気付きそうですけどね。
ただ後にダンテスが後悔しているように、ヴィルフォール一家に対してはやりすぎの感はありました。
特にエドゥワールは、悪童だけれども犯罪に手を染めたわけではなかったわけですし、気の毒といえば気の毒でした。
思い起こせばダンテスに対する一連の謀略を首謀したのはダングラールでした。
当然どれだけ凄い復讐でお返しするんだろうと思っていましたが、4悪人の中で一番寛大な結末となり、ちょっと意外でした。
ダンテスの中でヴィルフォール一家に対する贖罪意識が尾を引いていたことが一番の理由でしょう。
最後に回されたおかげで命拾いしたのですから、何とも皮肉なもんです。
ただダングラールに関しては、信号機事件の時もそうでしたが、モンテ・クリスト伯の掌で踊らされるピエロのような描かれ方をしているようにも感じられ、確かに死をもって償うという展開はふさわしくないのかな、とも思えました。
そして最終章。
ヴァランティーヌを亡くし、失意の底にいるマクシミリアン。
彼にモンテ・クリスト伯はどういった手ほどきをするのか。
そしてエデはどうなるのか。
ラストの有名な一文はまさにダンテスの生きざまを表しているようで、読み終えて深い余韻が残りました。
完璧なフィニッシュです。
最後に岩波文庫版の山内義雄訳について。
一般では名訳と評価されており、これはこれでありだと思いますが、私にはあまり合わなかったです。
きっと素直に直訳したんだろうなあと思える箇所が散見され、総じてそれらの文は日本語として違和感があり、個人的にはもう一工夫して欲しかったです。
第1刷が60年以上前なので仕方ない面もあるのかもしれませんが、とっつきにくくて内容を理解するのに時間がかかったことは告白しなければなりません。
自分の読解力の無さは棚に上げつつ、歴史に残る娯楽作品の傑作であるからこそ、21世紀の言葉による新訳を出して欲しいなあと思いました。
光文社の古典新訳文庫なんてぴったりだと思うのですが。 -
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ネタバレ全7巻を読んだうえでの感想です。
いよいよダンテスによる復讐が本格化します。
最初の犠牲者はカドルッスでした。といっても、ダンテスが直接手を下したわけではなく、味方だったはずのアンドレアに殺されるんですよね。何とも皮肉なもんです。
殺人や押し込みをやらかしてはいるものの、カドルッスって根っからの悪人ではないと思うんですよ。
でも、怠惰で小心なところが災いして、しょうもない悪事を働き、結局坂道を転げ落ちるように堕落していく様は、人間誰しもが持つ歪な部分をデフォルメしているようにもに思え、読んでいて哀れになりました。
個人的にこのカドルッス、全話を通して一番印象に残っています。
次の標的はフェルナン。
既に新聞紙上でギリシャでの非道を告発されていましたが、今度は議会でエデにそれを証明され、父親の名誉を守るためにモンテ・クリスト伯に決闘を申し込んだアルベールは結局決闘を辞退するに至り、自身で決闘を挑もうとするもモンテ・クリスト伯の正体を聞かされて衝撃を受け、母子に逃げられた挙句、失意の中自殺するという結末を迎えます。
このあたりの展開は俄然スリリングで、とても楽しめました。
この後、ダングラールとヴィルフォールに対してもダンテスの策略が発動しますが、まだこの巻の段階では序の口です。具体的には読んでからのお楽しみということで。
また、アルベールとの決闘前夜のダンテスの苦悩の独白は、当時の社会における神と人間との距離感を表しているように思え、実に興味深かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ全7巻を読んだうえでの感想です。
ファリア司祭との別れ、シャトー・ディフからの脱獄、モンテ・クリスト等に眠っていた財宝の発見、カドルッスとの再会、モレル商会の救済、物語後半のキーパーソンとなるアルベールとの出会い、そしてルイジ・ヴァンパによる誘拐と救出と、物語は怒涛の展開をみせます。
その中でも私が印象深かったのはカドルッスとの再会でした。
てっきり最初の復讐の対象になるのかと思っていたら、まさかダイヤモンドを渡しておさらばとは。
物語終盤に復讐の鬼と化すダンテスですが、この情にほだされる場面は後になって思い出すことになります。
そしてカドルッスも・・・。
モレル商会を救済するシーンもいいですね。
全てが上手くいきすぎるきらいもありますが、第30章のラストは爽快な気持ちになれること請け合いです。 -
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全7巻を読んだうえでの感想です。
文庫本で3000ページ近くになる大作ですが、とにかく面白かったです。
一言でいうと復讐譚、ということになるのでしょうが、それにとどまらない数々の魅力を備えた作品です。
私が最も感心したのが、登場人物の造詣の深さと、全編に張り巡らされた伏線の巧みさでした。
第1巻だけでも、ダングラール、フェルナン、カドルッス、ヴィルフォールの4悪人はもちろん、主人公ダンテス、恋人メルセデスやファリア司祭など、それそれの個性がくっきりと描き分けられています。
ナポレオン失脚直後の時代背景が色濃く出ていますが、それに加えて愛憎、嫉妬、金や権力への執着や保身等の普遍的な人間像も描かれており、現代に生きる私たちが読んでも彼らに対してある種の人間臭さを覚えるはずです。
そして彼らのとった一つ一つの行動が、その後の様々な事件の意外な伏線として結びついていく展開には、現代のミステリ・サスペンス小説にも通じるような謎解きのワクワク感を堪能できます。
確かにある種の強引さやご都合主義的な要素もありますが、それを差し引いても、描かれた時代を鑑みれば素晴らしいとしか言いようがないです。
ちなみに第2巻以降も、物語の長さに比例して登場人物は増え続け、加えてあちらこちらの関係が入り組んでいく展開をみせますので、人物相関図を書きながら読んでいくのがおススメですね。
それではダンテス(=モンテ・クリスト伯)の波乱に満ちた人生を、じっくりゆっくりお楽しみください。 -
Posted by ブクログ
ネタバレついに来たか、いままでの伏線がこんなにもかと。
エデの描写は本当に力強くて美しい。
カドルッスに比べてフェルナンはあっけないものだった。でもあの後どう生きていくにも…ね。一番楽な選択かもしれない。
そしてメルセデスはアルベールに話したのね。復讐をしても正当である、権利がある、そう考えるのは割と時代とか国とか関係あるんだろうか?
まあ今の時代でもエドモンの人生を振り返ると第三者とかまったく関係ない人からしたらエドモンが復讐をしても正当な感じがしてしまうかもしれない。何より直接手を下してはいないし、過去の告発だからある意味自滅だしなあ…
カドルッスに関しても…うん。きっかけがあったとはいえ自滅か…
父の罪が子に問われる時代じゃない…うーん、今の時代はどうだろうか…と刺さった言葉もあった。