アレクサンドル・デュマのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アレクサンドル・デュマによる怪奇ロマン中編。
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27歳の作家アレクサンドル・デュマは、狩猟のためにフォントネを訪れていた。
狩りも一段落ついたところでデュマは血塗れの男を目撃する。
男は石切夫のジャックマンと名乗り、市長の家の玄関先で告白する。「俺は自分の女房を殺した。捕まえてくれ」
市長のルドリュは警察官たちと共に現場検証に向かうが、ジャックマンは現場に戻ることを激しく拒絶する。
どうにか現場であるジャックマンの自宅についた一行は、血塗れの地下室で首を切られた女房の遺体を見る。
ただでさえ凄惨な事件だが、殺人犯ジャックマンはさらに恐るべきことを告げる。「斬り落とした女房の首が俺に向かって喋りかけてきたんだ!」
翌日。
デュマは証人としてルドリュ市長の自宅に呼ばれる。その場に集まったのは、警視のクザン、現実主義の医師のロベール、自称不死者の文人エッテイラ、神秘主義者司祭のムール、博物館創始者のルノワール子爵、青白い顔をした美女グレゴリスカ夫人。
彼らの話題はジャックマンの証言のことに。切り落とされた首にはまだ意識があるのか?死んだ人間の意思がこの世に留まることがあるのか?
彼らは一人ひとり、自分が見聞きした不可思議な経験を語ってゆく。
ルドリュ市長
若い頃身を焦がした恋とその悲痛な終わり、しかし死んだ恋人の意思としか思えない不思議な出来事を語る。
ロベール医師
殺人犯に有罪宣告をした判事が、死者が戻ってきたとしか思われない経験をして衰弱していく姿。
ルノワール子爵
フランス革命で暴かれた国王たちの墓。だが王の遺体を侮辱した男はは不思議な人影に招かれて…。
ムール神父
人間には善良な性と邪悪な性がある。死ぬときに人の意識に残るのが前者なら天国に行くし、後者なら地獄に落ちるだろう。ムール神父が、あるならず者の魂を救おうとしてとった行為とは。ならず者の善意は勝ったのか。
エッテイラ
亡夫の遺言を果たすため、その意思に導かれた未亡人の話。
グレゴリスカ夫人
ポーランド出身のグレゴリスカ夫人の家族はロシアからの独立の戦士だった。一族の城に敵が迫り、修道院に匿われに旅に出た彼女は、モルタヴィア領で領主の息子に囚われる。独立、戦争、王家、吸血鬼伝説…。
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物語の背景は、フランス革命も終わったものの、人々の記憶にはまだ新しいという時代だ。登場人物たちの間に、恐怖の時代を共に生き延びたという共有感がある。
処刑方法としてのギロチンについて、一瞬で命を奪うから人道的という理由もある反面、斬られた首が動いたり喋ったりしたという目撃談もたくさんあったらしい。この処刑方法については、作者デュマの熱意を感じるのだが、彼の時代にも議論が交わされていたのだろう。
あとがきに書かれた作者アレクサンドル・デュマの経歴がなんというか…作品よりもドラマチックというか人騒がせというか(苦笑)、やはり面白いものを残す人は本人も強烈なんだなあと思う。
…女性問題も財産問題も色々やらかしてるのに、庶子達が面倒みてくれたって、よくできた子供たちだとも思った。 -
Posted by ブクログ
今回のレビューであるが…
前半は最終巻である7巻のレビュー
後半は全編のまとめとする
もし「モンテ・クリスト伯」を未読だが興味のある方は後半部分を参照いただけると良いかもしれない
泣いても笑ってもとうとう最終巻
毒を盛られながらも生き延びたヴァランティーヌ
体調不良の中、幽霊に遭う(笑)
正体はマクシミリヤンからの助けるに応えることにしたまさかのモンテ・クリスト伯
もちろんモンテ・クリスト伯はやることなす事が完璧なため、ヴァランティーヌすなわちヴィルフォールの屋敷の隣の空家を借り、徹底的に見守るのだ
モンテ・クリスト伯からヴァランティーヌはサン・メラン夫妻と自分を殺そうとする犯人を知り、ショックを受ける(人の良いお嬢様だからなぁ)
モンテ・クリスト伯はヴァランティーヌに必ず命を守ると誓い、自分を信じてほしいと懇願
ヴァランティーヌはその通りにすると誓う
……
が、ヴァランティーヌは死亡
(えー完璧主義のモンテ・クリスト伯がしくじる訳がない!…ってことは…⁉︎⁉︎⁉︎)
マクシミリヤン、父親ヴィルフォール、祖父ノワルティエらが大いに嘆き悲しむ
絶望のマクシミリヤンは自らの命を絶つ決意をする
何とか留まらせたいモンテ・クリスト伯は自身の正体を告白
マクシミリヤンとその家族は父を救ってくれた恩人とわかり感激のあまりよろこびにむせかえる
マクシミリヤンも放心状態になるものの、簡単に気持ちは変わらない
モンテ・クリスト伯はマクシミリヤンに何とかあと1ヶ月だけ生きて欲しいといい、約束させる(何があるのだろう…⁉︎)
さて最大の宿敵であるヴィルフォール
父であるノワルティエの厳しい視線からももはや逃れられない
やるべきことはわかっている
4人に毒を盛った犯人、そう自分の妻に制裁を課すのだ
夫や子供の顔に泥を塗るようなことは、まさかしやしまいと夫人を追い詰める
おれの帰ってくるまでに裁きをつけないでいたなら、この手で逮捕すると言い放ち、外出
外出先はベネデットの公判を行う裁判所である
ここでベネデットは自分の名前を尋ねられ、姓名はわからないが父親の名前ならわかると言い、父の名前と父であるヴィルフォールが生き埋めにしたことまでを告白する(刑務所に面会に来たベルツッチオに全てを聞いた模様)
ついにヴィルフォールも観念し、後任の検事総長からの沙汰を待つと言いフラフラと帰宅する
道中彼は放心していたが、やがて妻のことを思い出す
彼はその女に対し死刑の宣告をしたのだ
自分の罪深さゆえに、妻にも罪という影響を及ぼしたのだ!それなのにこのおれが彼女を罰するなんて…
死なないでくれ…痛烈に願いながら急いで帰宅するが、間に合わず
さらには息子も道連れにしていたのだ
その絶望が絶頂の最中、モンテ・クリスト伯が登場し、正体を明かす
しかしヴィルフォールの息子の死を見たモンテ・クリスト伯はショックを受け自分の復讐の権利を踏み越えてしまったことに気づく
一方のヴィルフォールはとうとう気が狂ってしまう
モンテ・クリスト伯はマクシミリヤンとともにパリに別れを告げる
そしてまずマルセイユでメルセデスに会う
すっかり落ちぶれた貧しい暮らしとなったメルセデスと息子のアルベール親子
アルベールは二人の明るい未来のためにアルジェリア騎兵隊に志願(立派になったアルベール君!)そしてまさに出帆したばかり
メルセデスは悲しみに一人沈んでいる
ダンテスが復讐鬼になったのも自分のせいだと責めるメルセデス
そんなメルセデスを誠心誠意友人として慰め、そして二人は永遠の別れをする
メルセデスとの別れは辛く、またヴィルフォールの息子までが死んでしまったことで心の大きな変化と対峙するモンテ・クリスト伯
気持ちの整理を続けながら旅を進める
そしてあのシャトー・ディフのかつて自分のいた土牢へ行く
そこで案内人の診察によりファリア司祭の残した書物を手に入れることができ、何かが吹っ切れる
一方のダングラールは、モンテ・クリスト伯の策略により、とうとう金銭的に完全追い詰められ、逃亡を決意
そして道中のイタリアで山賊ルイジ・ヴァンパの手下に捕まる
金のものを言わせてきたダングラールに相応しい仕打ちが始まり、苦しむ
散々苦しんだところにモンテ・クリスト伯が登場し、毎度の如く正体を明かす
結局ダングラールは5万フラン貰い、自由を得る(だいぶ甘い復讐に感じるが、モンテ・クリスト伯も既に心の整理がついたからなのだろう)
さてモンテ・クリスト島にマクシミリヤンを招待したモンテ・クリスト伯
例の生き続けるという約束の1ヶ月である
マクシミリヤンの死に対する希望は変わらず
モンテ・クリスト伯がどれだけ慰めても、励ましても、頑として死にたいと言う
どうにもマクシミリヤンの心が変わらないことを知り、モンテ・クリスト伯は最後の手に出るのだが…
そう死んだとされたヴァランティーヌの登場
(でもなぜここまで引っぱったのかよくわからない…)
そしてエデを自由にしようとするが、エデはモンテ・クリスト伯と別れるなら死ぬと言う(やったー!)
モンテ・クリスト伯は
〜わたしを敵に対して立ちあがらせ、わたしを勝たせてくだすった神さまは、わたしの勝利の果てに、こうした悔恨の気持ちを残させたくないと思っておいでなのだ
わたしは、我と我が身を罰しようと思っていた
ところが神さまはわたしをお許しくださろうとおっしゃるのだ〜
そう考え、運命を受け入れエデと生きる決意をする
そして最後にマクシミリヤンへの手紙
〜この世には、幸福も不幸もあり、ただ在るものは、一つの状態と他の状態の比較にすぎない…
きわめて大きな不幸を経験したもののみ、きわめて大きな幸福を感じることができる
人間の智慧は、すべて次の言葉に尽きる
待て、しかして希望せよ!〜
いやいや最初から最後まで一貫して面白い!
この長さで延々惹きつけ続けられるのもなかなかじゃありませんか
【自分なりの解釈とまとめ】
モンテ・クリスト伯は大きく分けて3遍から成るように思う
最初の一部目はエドモン・ダンテスという青年を知るための紹介とそこから地獄に落とされ14年もの間獄中生活で全てを無くし死の極限まで行きながらも、復讐のために残された何かを搾り出しながら生まれ変わろうとするまで
第二部はモンテ・クリスト伯となり、巧妙な復讐劇を仕掛け、実行
第三部は復讐が終わり、何を思いどう生きるのか
【なぜ面白いか】
当初復讐劇で7巻もどう展開するのか⁉︎
そんな風に読みはじめたのだが…
散りばめられたジグソーパズルのピースが、圧巻の方法で回収され収まるところにピタっとハマる
痛快さ
また復讐と言えども直接的に手を下すわけではなく、家族や過去の弱点、人の欲望や野心を洗いざらい見つけ出しジワジワと炙り出す
使えるものはとことん使う
金で解決することは惜しまない
この辺りのエンタメ度の高さは見事
そしてモンテ・クリスト伯の人柄
徹底した努力と鍛え抜かれた精神力
恩は決して忘れない、約束は守るその人情深さ
完璧に見えても迷ったり葛藤する人間臭さ
作中でも皆がモンテ・クリスト伯に惹きつけられるが、読み手もまた然りなのだ
そうどれだけ非情な復讐鬼と化したかに見えたものの、やはりエドモン・ダンテスなのだ!
そして彼の心情の見せ方が実に上手い
エドモン・ダンテスとしての苦しみと絶望は徹底的に一人称で読み手に見せる
しかしモンテ・クリスト伯となり、ある程度復讐の目処が立つまでモンテ・クリスト伯側の心境や胸の内は我々には見えないのだ
そのため彼が今何を感じ、これからどうしていくのか全くわからないのだ!
だが終盤から少しずつ心の叫びが溢れ出す
何の迷いもなかった復讐劇に思わぬことが起こり、心が乱れ出す
溜まり溜まった彼の心の圧が噴き出る様は素晴らしく心が揺さぶられた
そして最後は哲学だ
「とにかく復讐して幕が降りる…」という作品ではない
モンテ・クリスト伯の葛藤や神への問いかけ
全ての復讐が終わった後、彼が何を思い、どう感じ、どう始末をつけ、どう行動するのか
きちんと責任持ってデュマが描き切る
そこに読者が満足するのではなかろうか
アドベンチャーであり、ミステリーであり、サスペンスであり、ヒューマンであり、ラブロマンスまである、しかし哲学さえも感じる痛快で究極の復讐劇エンターテイメント
ちょっと褒めすぎだが、しっかり楽しめ大満足であった -
購入済み
素晴らしいコミカライズ
美麗な作画と読み応え抜群な構成で、大満足の一言です。
原作小説は未読ですが、とにかく丁寧にストーリーが練り上げられていて終始飽きず、テンポも良いです。単なる勧善懲悪とだけではなく、ちょっとしたロマンスや思想、宗教、歴史、様々な要素があり、思わず涙してしまうシーンもありました。なにより作画力も高く、細かい小物や衣装、背景など時代考証や検証などかなり手が込んでいると感じました。購入を検討されている方がいらっしゃいましたら、声を大にしておすすめしたいです。後悔しません! -
Posted by ブクログ
モンテ・クリスト伯爵 (ジェッツコミックス)
岩窟王ことエドモンダンテスの復讐譚。
原作?は小学生の頃に子供向けの本で読んだ記憶が?悪い奴を騙す復讐劇くらいの印象かな(笑)
あれだけの物量の物語を良くコミックス一冊に纏めたなあ♪と感じます。
前段の、裏切り、別れ、圧倒的、徹底的な絶望から、復讐の鬼となるダンテスの描写は、読んでて引くくらい!
しかし、予想していなかったメルセデスとの再会、それからのダンテスが取り戻す人間らしい葛藤が表情に現れる。
ラストのエデの想いが、復讐に魂を売ったダンテスを人に戻すシーンは鳥肌モノ。
ラストシーンでダンテスが言う
「きわめて大きな不幸を経験した者のみが
きわめて大きな幸福を感じる事ができるのです
生きる事の素晴らしさを知るには
一度は死を思ってみる事が必要なのです
待て、しかしして希望せよ!」
と
文字だけでは感じ得ない、コミカライズという表現方法の素晴らしさを感じます。
子供の時に読んだ時には理解できなかったエデの大人の想い。
今なら原作を群像劇として読めるのかな?原作いってみようかなぁ、メルセデスのその後も気になるし♪