あらすじ
陰謀によって結婚直前に牢獄に囚われの身となった青年エドモン.14年後脱獄した彼は,モンテ・クリスト伯となって,次々と復讐をとげていった….正義と愛にあふれる壮大なロマン.
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長くもなく、文字も大きいため読みやすい本です。
デュマの作品は三銃士から入りましたが、この本も同様に貴族の暮らしが垣間見えるようでワクワクして読み進めることが出来ました。
単に復讐譚で終わらないあたり、大人から小さい子まで、考えを深められそうな一冊でもあります。
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復讐を果たしていく中もまた悩み悔やみ、なかなか幸せになれないダンテスさんが復讐を終えて、幸福への道が開かれるところで終わり、とてもすっきりしました。メルセデスがちょっと切ないですが、次読もうと思っている完全版でもう少し描かれているといいなと思います。
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勧善懲悪の復讐劇。
冒頭のエドモンが嵌められるところで、もう腸が煮えくり返っていたということで、この作品の読者を引き込む力は相当なものだと思います。きっとエドモンがなんの汚れもない無垢な好青年として完璧に描かれているからでしょう。
登場人物は多いようだけれど、それぞれ性格がはっきり分けられているのであまり混乱はしません。(とはいっても、私はダングラールとヴィルフォールが中巻まで混ざっていました。まあ名前が似ているからということで)
読者としてはばっさばっさと悪者を血祭にあげて復讐を完遂させることを期待するのですが、途中でエドモンが迷い始めるところで若干イライラします。でも読み終わる頃には、その迷いも含めてエドモンの人の良さというか、悪人ではないという人物設定に救われるはずです。残酷な復讐だけでは、エドモンの魅力が半減してしまうもの。
この頃のフランス文学は因果応報が鉄板のテーマだったのでしょうか。「赤と黒」然り、私の性格に合っているので、この時代に焦点を絞って他も探してみたいと思います。
ということで、非常におもしろい作品でした。不朽の名作、納得。
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見事復讐を成し遂げたモンテ・クリスト。
単なる残忍な復讐鬼ではない彼は、慈悲の心を持ち、果たしてこれでよかったのかと後悔しはじめます。
最後は復讐のためのみに生きる人生から、新しい人生へ旅立っていきます。
「待つこと、そうして希望を持つこと」
モンテ・クリストからのメッセージです。
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復讐のために生きながらも、結局ダンテスは復讐鬼にはなり切れない。
それは彼が生まれついての善人であり、誰よりも優しく、人を愛する心を持ち合わせているからなのだろう。
そして、マクシミリヤンとヴァランチーヌ、そしてエデという純粋な心をもった三人に巡り合えたからこそ、ダンテスの心も救われたのではないかと思った。
『待つこと、そして希望をもつこと』。
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人を欺き、名誉と地位を欲しいままにしてきた男たちが迎える結末とは。「待つこと、そして希望を持つこと」 モンテ・クリスト伯の最後の言葉の意味とは。愛と正義に貫かれた人間ドラマのクライマックス。
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モンテ・クリスト伯は「岩窟王」という書名でもその名を広く知られている。岩波少年文庫で読んだので、本来よりコンパクトにまとまっているが、それでもモンテ・クリスト伯の魅力は十分に把握することができる。今までで一番面白い本に出会ってしまったかもしれない。上・中・下巻とあるが、下巻では泣き通しだった。エドモン・ダンテスは友人らにはめられ、婚約披露宴中に逮捕され、14年間の牢獄生活となる。出獄した彼はモンテ・クリスト伯という名で社交界に進出し、次々と友人らに復讐していく。
14年間の牢獄生活の間に、婚約者は自分をはめた友人と結婚。父は飢え死に。復讐するには十分な理由があった。そして、牢獄での老神父との出会いが彼の復讐を実行可能なものにした。物理的にも精神的にもである。
ページをめくる手が止まらない。
とにかく、面白い!!
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大人になった今、こうやって読み返してみると、あのナポレオン時代から王政復古の時代のフランスの社会描写も巧みで、筋書きには無理がいっぱいあってもそんな情景描写が持つリアリティが勝っているところもあるように感じました。
因みに岩波文庫の完訳版は全7冊。 対するこちらの少年文庫の抄訳版は全3冊。 KiKi はどちらも読んだことがあるけれど、話のあらすじをちゃんと知っておく・・・・というレベルを求める読書だったらこちらの岩波少年文庫版で十分だと思います。 ところどころに入る挿絵も雰囲気があってなかなか素敵です♪
(全文はブログにて)
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2004年頃、巷では「岩窟王」やモンテ・クリスト伯」が大人気でした。
ある俳優さんが舞台でやれば見に行った友人がいましたし
アニメ化されて話題になっているというではありませんか!
そして他方向からは、職場の本好きな人が「改めて読むとすごく面白いのよ」と熱烈支持!
これは読まなくてはならないのか!と思いようやく読み始めたのが今月(笑)
子どもの頃にさんざん読んだり、見たりしているから今更感があったのだけど
職場の人の勧めにより、岩波ジュニアにしてみた。(文庫は長いし字が細かいから)
面白い!ザッツエンタテイメント!デュマはもちろん「三銃士」を愛好しているし、どんな作家か
わかっていましたが、こんなに面白い作品だなんて!
エドモンド・ダンテスの前半の悪夢・地獄のような境遇にひたすらハマり、
復讐のノロシがあがってからはスリルと達成感。
ダンテスの復讐相手の子ども世代の人間模様の行方も気になる。
アルベールとメルセデスの人物造詣もよかった。この2人がいて救いになる。
モレルさんとヴァランチーヌも。悪党ばっかりじゃ心も疲弊します。
これなら文庫読んだら良かったか!?
ダンテスも冷徹に復讐を遂行しながらも、罪のない小さい子どもの命が奪われたと知ると
その信念が揺らぎます。そこがまたいいんです。そうであって欲しい。
(でもその子が死んだのはダンテスのせいでないと思う。
我が子可愛さゆえにトチ狂った母親のせいだと思う。そういえば、この母親がおかしくなるのも
元はといえば、先妻の娘だけが、両祖父母から潤沢な財産をもらえるのに、自分の息子には
少しの財産しか行かないことを苦に思ったのが原因。せめて血の繋がった祖父の方が
平等に財産を上げていれば防げたかも。可愛がり過ぎるということの結果の一つかも)
罪をおかしたものが、その報いを受けること。
人間誰しもが罪を犯すことがなければ、そんな事を考える必要もないけど
世の中には本当にひどい人が恐ろしい事件を起こしている。
だから、そういう事でもなければやってられませんよ。
罪を犯して、すぐにバレて警察に捕まって、刑に服すなんてわかりやすいですが
悪いことしてもバレずにのうのうと暮らしている人もいる。
この話しのようにいつか復讐劇が始まるかもしれない、と思ったりすると少し嬉しい。
副業的な話しでいくと、この世で成功してる人、運のいい人っていうのは
「前世で善き行いをした人」「先祖が余徳を積んだ人」という。
私は前世とか来世とかの自分より今の自分をなんとかして欲しいとか思ってしまうのですが
それでも、時々「先祖の徳」とか「因縁」ってあるのかもな~思うことに出くわす。(前世とかは流石にわからん)
恐ろしいから具体的なことは話せないけど、自分の子どもたちに幸せになってもらいたかったら
自分の子どもだけよい目をみさせようななんて思わないことですよ。
他人にも親切にする方が、幸せへは近道かもしれません。
自分の立場や権力を悪用して、人を哀しませるようなことをしない事ですよ。
そういう意味でいうと、地位や権力を持たないほうがそうなる確率が減っていいですよね。
話しがだんだんズレてきたけど、今更だけど「モンテ・クリスト伯」読み物としても楽しく。
いろいろと考えさせられる本でもあり、ホームランです。今度は文庫で。
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通常版は読みきれるか自信がなかったので、岩波少年文庫版を。
め、メチャメチャ面白い…!一気読みしてしまった。
ミステリ要素もあって、伏線を追うのも楽しい。
似た名前が多いので冒頭の「おもな登場人物」と行き来しながらだったけど、そこにかなりのネタバレが…なのに、文中でも律儀に驚いてしまう。
終盤、復讐相手にモンテ・クリスト伯爵が正体を明かすシーンでは、つい頭の中で笑ゥせぇるすまんが「ドーン!」をやってしまう。
本作がもちろん面白いのだけど、それにしても少ししか読めてないけど岩波少年文庫はどれも面白いなあ。
昔は青い鳥文庫を手に取っていたので、勿体なかったかもしれない…
Posted by ブクログ
モンテ・クリスト伯はメルセデスに生きているか死んでいるかも分からん男のために一生涯禊を立てろとでもいうのか……
確かにフェルナンの手を取ったことは納得できないまでもそれでもモルセール夫人ではなくメルセデスとして絵を描かせたり正体を見破ったりと、生きるためにフェルナンの手を取っただけで心の中にはエドモン・ダンテスがいることは分かるのに、そんな健気なメルセデスに対して許す許さないだの言ってるのはとても傲慢だなと感じてしまう。
エデが伯爵を愛しているのは一種のグルーミングだと思うのだけど、伯爵は父として愛していた筈なのに最後にエデを恋人として愛することについての伯爵の心の変化の描写が少くて少しモヤりもした。
古典で男性が作者であれば、恋愛描写や女性像はこうなるのはまぁ妥当ではある。
復讐劇に関しては最後に伯爵が復讐相手に対して慈悲を掛け、一人の人間として生きていく形で締められるのがよかった。
Posted by ブクログ
" アンドレアはとぶようにして部屋へはいると、カドルスの手紙に火をつけて燃やし、灰のあとまで消してしまった。" P.76
"「いやだ」とカドルスはいった。「いやだ。神さまなんていやしない、摂理なんてありゃしない、ただ偶然があるだけなんだ」" P.105
読中、ちょっとぐぐったりすると「モンテ・クリスト伯はラノベ」だとか「モンテ・クリスト伯はなろう」とかヒットしたりする。
この作品に限らず、他の文学作品にもそう思うことはある。「名作、古典、文学」というラベルは、「ラノベ、なろう」などのラベルと競合しないということに気付かされる。『はつ恋』なんて、タイトルの少女漫画感とは裏腹に、すげえNTRだしな!
エドモン・ダンテスはダーク・ヒーローであるし、傷のある男でもある。人気が出ないわけがない。「眼光鋭く覆いかぶさるように威圧する影」という描写は多くの漫画作品にもさり気なく登場するが、原点はモンテ・クリスト伯にあったりするのかなと思ったり思わなかったり。
当時の読者はおそらく、現代において週刊少年誌の連載に熱狂するかのごとくこの作品に熱狂したのだろう。
そもそもいい年になっていまさら未読の名作作品を読んでみようと思った理由はFGOで、なんでエドモン・ダンテスが主人公たるプレイヤーキャラクターを共犯者あつかいしてんの?という疑問から発した。
わかるような分からんような。明示的な理由は見いだせなかったし、暗示的なものは一読では抜き出しできない程度におぼろげだ。「待つこと希望を失わないこと」の一言に由来するのかもしれない。
最新の幕間では主人公のトラウマあるいは罪悪感を、主人公のあずかり知らぬところで忘却させているというというような描写もあった。原典たるモンテ・クリスト伯は暗躍はすれど、そんな働きを見せたことはない。換骨奪胎のたぐいであろうが、さて。
Posted by ブクログ
入院中に読破。
男の復讐の物語。
福岡さん紹介、既に購入は全7巻でもっと重厚感があったように思う。
長編は考えさせられる。待つこと希望を失わないこと。
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オリジナルは1844−46年。新聞連載。
子供のころ、親世代の本で読んだ「巌窟王」。
再読しようとまずは岩波少年文庫で手に取った。
いずれはオリジナルを読みたい。
(ちなみに、子供のころ、ほぼ同時期に同シリーズで「鉄仮面」を読んだ。こちらはデュマではなく、ボアゴベ→黒岩涙香原案バージョンだったようだが、未来ある青年が全てを奪われて投獄される、青年には婚約者がいた、という点で、巌窟王と鉄仮面は似たイメージがあった。実際は舞台となった時代にけっこう開きがあり、鉄仮面はルイ14世で17世紀、一方のこちらはナポレオン以後で19世紀の物語だった。)
さて。
巌窟王の物語は前半のドラマが凄まじくて、私の印象もほぼそれで終わっていた。
しかも今回これが実話ベースだったことを知り、非常に驚いた。
モンテクリスト伯が蘇ったとき、どんな復讐をしていくのだろう、とワクワクしながら中巻下巻を読んだ。
中巻はちょっと中だるみを感じた。
アンドレア・カヴァルカンチとか、ルイジ・ヴァンパとか、話を伸ばしてるだけじゃない〜?と思ったが、下巻に入り、子供世代の物語が複雑に絡み合うと面白くなってきた。
アンドレアも非常に得難いキャラで、退場間際の言動が清々しいほどだった。
モンテクリスト伯の復讐について
フェルナン→ダンテスへの悪意はそんなに強くない。自身のジャニナ時代の悪事をバラされて名声を失い自殺。
ヴィルフォール→ダンテスへの悪意はないが、自身の父との政治的立場の違いから保身のためにダンテスを見殺しにした。家族を失い、アンドレア(ベネデット)の存在をバラされて発狂。
カドルス→アンドレアに刺されたチンケな死に方。
ダングラール→最もダンテスに悪意をもち、彼をおとしめた人物。にもかかわらず、成敗が最後だったためか、モンテクリスト伯が虚無モードに入ったおかげで、洞窟でボッタクリに遭っただけで助かった奴。本当にそれでいいのか、復讐しまくるべき相手はこいつではないのか??
というかんじで、ちょっと霧の中。
東南アジアの物語だったら、きっと親の因果が子に報い的な流れで、子供世代も一緒に片付けてられていると思うが、この作品では子供世代はちゃんとしており、親の悪事の精算を真摯に受け止めて再出発している。
モンテクリスト伯も、ちゃんとそれを助けている。いい奴。
最後に個々の人物について
・ノワルチエ氏…キャラたちすぎ。きっと生き残ると思ってた。フランツとの婚約破棄シーン、かっこよいではないですか。
・ヴァランチーヌ 影薄い。ヒロイン。
・ウジェニーとダルミー嬢
百合の逃避行シーン、良かったと思う。スピンオフとか書いて欲しいよ。彼女らの価値観は新しいもの、ということかな??
・子供世代の男キャラが多すぎて何がなんだか、ですが、フランツが一番好きだなあ。
・エデ
いい。養女としてではなく、モンテクリスト伯を愛しているんだなあ。
物悲しい褐色肌美女(美少女)を連れている、あまり食事をとらない白い肌の金と教養と人脈のある謎の男、って絵になるわ。
エデと旅立つという終わり方もすごくいいと思う。
メルセデスは可哀想だけど、これはこれでいいんだよ。
Posted by ブクログ
読みやすいと思う
上→熱い、いい導入
中→読み手としても若干中弛み、いろいろ工作してた気がするけど印象が薄い
からの下巻
ほとんど伏線回収って感じだったけど、いい回収の仕方だったと思う
それぞれの相手にあった自滅のさせ方だった
途中良心の呵責、自分の行いに対しての猜疑心が生まれたところはもっと人の心を殺していけよって意味わからん応援の仕方をしてしまった
最後どんな風に締めくくるのかと思ったけど、生き残った人達はちゃんと自分を確立して生きて欲しいなって思ったいい終わりでした
Posted by ブクログ
不愉快な思いをしました。またなんですが。
読んでいたら、「こんな本を読んでいるのか(笑い)」
だからどうだと。
あんたは口先だけで一切読んでいないじゃあないですか。
他人様を見下したいだけの御仁です。
お婆ちゃんが読んでいたのを見て馬鹿にしておりました。
今回は息子ですが。
本人はひどいものですよ・・・まともに読んでいねえ。
Posted by ブクログ
いよいよクライマックス!
次々と復讐を遂げていくエドモン・ダンテス
気持ちいいくらいにピタッと鮮やかに決まっていく復讐なんだけど、
悪いやつらだけじゃなくて、(意外といい人だったりすごくいい人だったりする)家族も不幸になっていったりするのがツライところ(仕方ないけど)
でもまあハッピーエンド・・かな?
頭の良さもすごいけど、お金がすごい
お金の単位がいまいちわからないんだけど
ぼかすか使っている
金に物を言わせている・・
メルセデスのばかっ!(しょうがないんだろうけど)
アルベールいいこだな~
ヴァランチーヌいいこだな~(でもなんかおバカっぽいな)
ウジェニー(男装して友達といっしょに出奔)かっこいいな
エドモンはメルセデスといっしょになるのかなーと思ったけどエデなんだなー
そのへんはどうなんだろうな
解説してほしい