市塔承のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ悲しいけど、読んで凄く良かったと思う。
横文字の名前は苦手だけど、名前の語感とか雰囲気でこの名前はあの人だなってだいたい分かるから問題なかった。
ただ、拝月教会が最終的に敗戦した後に解体とか処罰があったのかとか知りたかった。
物語を読む上で、こんなに沢山の人を苦しめ不幸にし傲慢な殺戮を繰り返したのに、最後がなんだか足りない気がした。
父親も結局は主人公の相談内容を勝手に売って、結果は一人は生き延びたけど主人公の恋人とその家族が犠牲になり、また一族が一人ぼっち。凄く悲しい。
罪悪感で泣いたとあったが、どんな話し合いをしたのか非常に気になる。
いろんなやるせなさがある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ良かった…
どう表現したらいいのかわからないが、
読んでよかったと思える本。
2/3くらいまでは、
ふーーん、とか、へーーと読んでいたら
最後の方になって急に展開が早くなり、
一気に読んでしまった!
入れ子構造が複雑だが、
それも含め、わたしは興味深く面白く読んだ。
こんな本は読んだことがなかったから。
狂気の沙汰のレベルの入れ子。笑
マトリョーシカかな?笑
p402の
"この世界は何かを信じていることを美徳としている。〜
無条件でそれを全面的に信頼するということは、とても美しく綺麗なものに見える。
でもその美しさは、同じものを信じる人同士でしか共有されない。
そこから外れた者には酷く異形なものに見える"
ここが、刺さった。トゲのように。
この本の中では宗教に関しての話だが、
私たちが生きる現実でも同じことが言えると思う。
遠い異世界の話を読んでいるのかと思ったら、
ラストで急に神聖ニアニ王国の歪みが、
今まさにこの現実の地球で起きていることと
1ミリも変わらないと気づかされゾッとした。
盲信すること、正しいと信じて疑わないこと、
盲目とは狂気なのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレメフィスト賞受賞作であることと装丁に惹かれて手に取った。分厚くて読み切れるか不安だったけど問題なかった。
この本を今から読む人は何のネタバレも踏まずに読んで欲しい。(私に才能があればネタバレせずに面白さを書き残せただろうに...)
↓ネタバレあり感想
この本の特徴はなんといっても、複数の入れ子構造になっているところで、著者は書きながらよくこんがらがらなかったなと感嘆する。
ミレイがダルがってる部分が少しノイズに感じたり、複層構造であるが故に物語の進むテンポが悪いと感じる箇所もあったが、ミレイがヒアヌビレにツッコミを入れる場面で私自身もミレイにツッコんでいる様はメタ的な複層構造の効果を体感できて個人的に大変面白かった。
序章は神話や歴史物要素、第一章以降は謎解き要素が強くて、途中で味変したかのような楽しさがあった。序章で違和感があった記述について第一章以降にしっかり解決されモヤモヤが解消されたのも良かった。どの本もエリメの時間軸に続く史実であり、エリメ時間軸でも血生臭い事件に発展するとは思ってもみなかったけど。
本作はフィクションだが、権力の腐敗とそれに反抗する力を削られた人々という構図は今の現実社会に通じるものがあると思った。苦しい境遇の中で縋った宗教にも救われないニアニ人を哀れに思ったが、政治権力と結びつきの深い宗教団体のせいで人生を滅茶苦茶にされた人が現実世界にもいるではないか。表現の規制や言論の弾圧は今のところ表立って行われていない(と思っている)が、今後はどうなるかわからないと本気で思う。
エリメはおそらく歴史や地理や社会に本当に疎い。(記憶の抜け落ちのせいかと思っていたがそんなこと忘れる?って内容にまで及んでいるし、首都の旧名の話をルームメイトたちは知ってたのでマジで人一倍わかってなさそう。)その疎さが浅慮な行動に結びつき、結果としてジアネを死に追いやったのだと思う。(本当にカスなのは父トリーですが。)私も社会の情報が煩わしくて遠ざけてしまうことがある。しかし、やはりそれではいけないのだ。
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Posted by ブクログ
タイトル『それはそれはよく燃えた』の1文から始まるショートショート集。
ネットの炎上、恋心、火事など、こんなものまで「燃える」のかと思える作家25人の25作を1冊の本で読めるのはとても贅沢。
でも後味は25作25様で、ほっこり甘いものもあれば苦々しいもの、ざらっと心地悪いものなど本当にさまざま。
クイズノックのファンなので河村拓哉さん目当てでこのシリーズを読み始めたが、矢樹純さん、三津田信三さんなど、このシリーズは毎回新しい作家さんと出会えて、読書の幅が広がって嬉しい
私は総じてホラーが好きなので、今回の『それはそれはよく燃えた』はぞくっとする話が多くて、とても好み。不穏で悲しくて残酷。年末年始たっぷり楽しめた
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Posted by ブクログ
積読チャンネルで紹介されていて手に取った一冊です。
ショートショート集なので、少しずつ細切れに読めるのがよかったです。どの作品もそれぞれ面白かったのですが、なかでも米澤穂信さんの「燃えろ恋心」が圧倒的に好きでした。
リズムもテンポもよく、一気に駆け抜けていくように読めて、最後のオチまできれいに決まっています。これはできれば、内容を何も知らずに読んでほしい作品です。
特によかったのが、青春時代の「大人は自分たちのことをわかってくれない」「なんとなくこちらの味方ではない」という感覚の描き方でした。
ラブレターを買ってから、実際に書くまでの過程もいいです。誰かに恋をしているというより、恋をしている自分ごと、恋そのものに精一杯恋をしているような書きぶりがとても素敵な文章でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレやりたかったことは達成できてて、それがこの本の価値にもなっていて、だけど結末が追いついてない印象。読者の負担に対して終わりがそれかいという少し肩透かし食らった感がある。でも現実ってそんな感じだよね、とも思う。現実問題の宗教戦争も終戦で呆気なく幕を閉じてまたどこかで始まるものなんだろうね。ファンタジーの皮を被ったノンフィクションに近いものなのかもしれない。
読みやすさは配慮されてる。
各作中作の語り手の一人称は全部変えてあるし、宰相が敬語だったり吟遊詩人が体言止め多用して物語を読み聞かせてる臨場感出してたり。
それを差し引いても、登場人物の多さ、名前や国名の覚えにくさは辛かった。横文字苦手だし、メモ取らないで読んだからかもしれない。でも本読む時って普通メモ取らないもんな。軍総司令官、あんな名前長くする必要あったの?とかね。友人たちすら誰が誰か分からなくなるくらい耳馴染みがなくて……唯一、主人公家族だけは分かりやすいね。
途中で主人公がどういう入れ子構造でどういう話なのかの概要を語るところがあるから、覚えなくてもいいといえばいいんだけど、事実を明かされたときの驚きを感じたいならやっぱり覚えといた方がいいし、難しいところ。
滅多にない読書体験という意味では良かった。あと作者の若さがすごい。
宗教の名前は分かりやすいからずっと覚えてられそう。
タイトルは凄く好き。 -
Posted by ブクログ
メフィスト賞受賞作。471ページとなかなかのボリューム。エリメという大学で化学の研究している男性が部分的な記憶喪失となって目覚めるところから始まるお話。療養のためしばらく自宅ですごし、本を読み漁り、大学に戻る時に読む本で表題の本に取りかかるのだが、これが本の中に本が語られという4層入れ子状態になり、はっきり言って読むのが辛いです。ただ、あとで主人公らが振り返りしてくれるので、完璧に理解しなくても、大丈夫。あと、詩の表記が多く、ページ数ほど重くありません。最終記憶戻って一気の謎解きらへんがクライマックスなので、前半は頑張って読みましょう。
小学生でも凄くダメじゃないけど、戦争や殺しも出てくるのと、難しい本なので、高校生くらいからが向いてます。 -
Posted by ブクログ
千夜一夜物語のような入れ子構造で王国(宗教)の成り立ちと隠された秘宝。
この手の入れ子構造物語ってただただカオスになりがちなんだけど物語としてうまいこと成り立てていけてるのがすごい。
面白かったです。月をあがめたり聖戦とかいろいろ現実の何かを想起しないでもないけどあくまでもフィクションで。全体的にあんまり救いがないような暗さもあるし、最終章前は「玄関開けて入ってくるのが軍」みたいなバッドエンドも想像しましたが。というかフィクション色の強い宝探しものくらいのゆるい気持ちで読んだので最後の放射性物質うんぬんはちょっと逆に興ざめではあった。
いやしかし、デビュー作なんですね。しかもかなりお若い作者さんということで。次回作がとても楽しみです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレwhiteのときも思ったけど、最後の一行というタイトルでまとめるほどの驚きは別にない。
普通にミステリーのアンソロジーだったら最後に期待しない分もう少しおもしろく感じられそうだけど…
『プカプカ島』は初読みの作家さんだったし、オノマトペに気を取られすぎでいたから、最後の黒い卵の正体に「わー!そうだったか!そう言われればそうだよ」と楽しい驚きだった。
結果、一番おもしろい作品だった。
『雷鳴と稲妻』はこの夏メルカトル鮎シリーズに手を出そうかと考えていたので、様子見にちょうどいいと思ったけど…なにこれ?
ストーリーもおもしろい、ミステリーの世界観も好み、なのに最後ちょっとよくわからん。
本当にそんな動機で殺人するの?メルカトルってそういう人なの?それでシリーズ成り立つの?
???
とりあえずこの夏手を出すのは見送ろう。