安東能明のレビュー一覧

  • 消えた警官(新潮文庫)

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    柴崎警部シリーズ6作目。本作も連作短編5編による体裁だが、巻頭の作品から最後の作品における夫々の事件に関連があり、一つの長編として読める作品に仕上がっている。文庫書き下ろしならでは。
    柴崎&上河内の代理の名コンビがすっかりと出来上がり、そこに、着実に刑事として成長しつつある高野巡査が加わり事件解決へと導く。組織意識の強い警察で部署の違う3人が頻繁に行動をともにできるのか?というリアリティさには疑問をもってしまうが、まあそこはフィクションなので。その代わり、キャラの書き分けはもとより、やけにこだわる登場人物の衣装の描写、足立区をはじめ事件現場の道路状況、詳細な現場風景、柴崎の本業である署

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    2021年09月18日
  • 消えた警官(新潮文庫)

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     隠蔽捜査との重なりを感じる面はある。むろん世界観は全く異なるが。本務をこなしながら捜査にも参加することも全く違う。けれど、組織というものの捉え方がね。

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    2021年09月06日
  • 総力捜査(新潮文庫)

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    柴崎警部シリーズも5作目。連作短編の体裁で、巻頭作品で新キャラクター上河内警部が登場。
    本庁捜査二課からの異動で、柴崎とは階級も職名も同じ。だが柴崎が内勤畑で、上河内はバリバリの刑事と両者の警察官としての経験は全く異なり、性格も陰と陽とも言える対照的。それでいて課長代理という絶妙な立ち位置故に、署では遊軍的な動きをとってもおかしくなくそれでいてリアリティ高く見せることに成功している。
    既出キャラクターの絡みもシリーズが進むにつれて重厚になり完成度も高くなっている。また柴崎の家庭のシーンも随所に登場するので、このあたりがなんというか往年の刑事ドラマを見ているような安心感をもたらしてくれる。
    ラス

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    2021年08月14日
  • 広域指定

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    警視庁綾瀬署警務課課長代理の柴崎令司シリーズの4作目にして、初の長編。9歳女児の行方不明を端として、早々に本庁捜査一課が乗り込み、容疑者が浮上。容疑者の過去をたどると千葉県警のお蔵入り事件にぶつかる。長編ならではの展開を見せてくれる。
    今回は主人公柴崎に負けずに活躍するのは3作目で登場した女性刑事の高野巡査。坂元署長を始めとした綾瀬署の面々も登場。キャラクターが除々に成長する過程に立会い、警察組織の縦横の繋がりが段々と広がっていくのはシリーズモノの醍醐味。

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    2021年08月09日
  • 出署せず

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    警視庁綾瀬署警務課課長代理の柴崎令司シリーズの2作目。今回も連作短編集の体をなしている。冒頭に新キャラクターのキャリアの女性署長が登場。現場を知らない署長と捜査部門との軋轢の間にたち、刑事では無いのに、あれよあれよといつの間にか、事件の捜査に関わることになる柴崎。ヒーローの活躍劇のような派手さは無い。しかしシリーズを通して警察組織の複雑な人間模様が淡々とだか味わい深く描かれる。そして事件の意外性からのミステリーの面白さもある。
    本作の表題作でラストに掲載されている『出署せず』は、中編というか短めの長編のボリュームで、柴崎か綾瀬署の要となるストーリー。

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    2021年07月31日
  • 撃てない警官

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    警視庁警備部の係長、三十代にして警部とうエリートコースに乗っていた主人公の柴崎令司が、不祥事を理由に綾瀬署に左遷させられる。捜査部門の経験が殆どないままいきなり所轄の総務部門にて奮闘する連作短編集。柴崎令司シリーズの一作目。
    出世欲があり本庁への返り咲きを狙う柴崎のキャラは、正直共感しにくいしあまり魅力的ではない。だが、上司である捜査畑出身の助川副署長の元で、捜査のコツや面白さに気づいていく成長物語の様相がなかなか面白い。連作短編という形式のなので、柴崎は様々な事件に関わることで経験を積んでいく流れである。
    本作の一編である『随監』は日本推理作家協会賞短編部門受賞作。

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    2021年07月22日
  • 伴連れ

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    警視庁綾瀬署警務課長代理の柴崎令司警部は、かつては本庁総務部でエリートコースに乗っていた警察官だったが、とある事で左遷され、いまでは所轄署の内勤の身。
    現場経験が浅く、本来は後方支援が主務であるはずの柴崎だが、同世代の女性キャリアの坂元真紀綾瀬署長にいい感じで重宝される。少年犯罪、スリ、ストーカー、幼児虐待など次から次へと発生する所轄にありがちな事件や問題を解決していく一話完結の連作短編集。派手さが無い分、登場人物の設定、市街地の移動、現場など随所の細かな描写がリアリティーを生み、グイグイ引き込まれる。本作は『撃てない警官シリーズ(柴崎令司シリーズ)』の3作目だそうだ。シリーズとは知らずに読ん

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    2021年07月04日
  • 限界捜査

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    女子の行方不明から物語が始まる
    そして犯人からの電話
    たんたんと事件の経過が流れていた感じです
    それと並行して女子高生視点の物語も流れ出し
    ・・・単純ではない事件でした

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    2021年05月25日
  • ゼンカン 警視庁捜査一課・第一特殊班

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    特殊班のお話
    5の事件がそれぞれ描かれその捜査に当たる
    辰巳が優秀すぎる
    日吉が語りで、つねに辰巳と行動をともにしていた

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    2021年05月22日
  • 夜の署長

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    著者らしい地味な警察小説短編集。
    過剰にならない程度に刑事たちの個性が描かれており、少しキャラ付け的な部分が抑制されすぎているようにもおもえる。その意味では退屈だと感じる人もいるかもしれない。ただし丁寧に読んでいくと、新人キャリアらしい野上の背伸びやじゃじゃ馬娘的な古城の喧嘩っぱやさなどが随所で見られ、微笑ましく思える。あくまで主人公は「署長」であり、もっといえば著者が本当に書きたいのは彼を狂言回しにした事件の解決のプロセスそのものであり、野上は読者の視線の代弁者に過ぎないとも思えてくる。ただし、著者の野上に対する暖かな視線も感じられるので、登場人物の扱いが粗末だとは全然感じない。
    テンポの良

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    2021年01月10日
  • 広域指定

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    ネタバレ

    柴崎警部シリーズ第4作。ついに長編である。
    柴崎以外のキャラクター、特に女性陣、坂元所長と高野巡査のキャラがしっかり立ってきたから、長編でも安心できる。シリーズを追うごとに作品自体も成長していくシリーズは足腰を鍛えて読みごたえがあるいうこと。

    ミステリー部分も驚天動地…とまではいかないまでも、どんでん返しもあり、ファミリードラマ、性犯罪者の社会復帰問題など内容も多岐にわたっており、いよいよシリーズも円熟味を出してきた感じ。

    坂元署長や柴崎本人の去就が決するあたりまでがシリーズクライマックスになるのかなぁ。そろそろそのあたりにも触れてきそうな次作に期待。

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    2020年12月30日
  • 伏流捜査[捜査シリーズ]

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    生安特捜隊結城チームがあらゆる事件を追うシリーズ3弾。 脱法ドラッグをテーマにした事件の結末は「足りないんだよう!、遊び足りないんだよぉ」最近起こった幼女放置事件を彷彿とさせる。特養老人ホームを舞台に起こったオレオレ詐欺の真相は老女の恩情…。発端と結末の落差は相変わらず、そうなるのかと感嘆!

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    2020年07月11日
  • 境界捜査[捜査シリーズ]

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    シリーズ2作、結城を中心とする生安刑事たちの奮闘を描く連作短編集。麻薬密輸、小動物死体の不法投棄、児童ポルノ違法カジノ…小さな事件に潜む謎を追及し大きな謎を解いていく。華やか部署ではないが地道な捜査、事件の広がり、読み応えあり。

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    2020年07月09日
  • 侵食捜査

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    シリーズ2弾。赤羽中央署生安課の疋田は若い女性の入水死体を引き上げる。自殺と思われたその事件は連続殺人事件に発展して…。医療事故を発端とした事件だが展開が思わぬ方向に広がりしかも目まぐるしい。この作者さんの警察小説は他と違って本筋の捜査している感が強くていい

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    2020年07月04日
  • 消えた警官(新潮文庫)

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    2年前に失踪した刑事小畑の行方を軸にした連作小説集。主人公芝崎警部がひき逃げ、施設での老女の不審死、女子高生絞殺、女性身投げ事件を追う…。騒ぎの一つ一つの短編も読み応えあり。地味だが(逆に地味に)これだけ読ませる正統派警察小説は珍しい。

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    2020年06月29日
  • 消えた警官(新潮文庫)

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    シリーズ第6弾。
    キャラクターもおなじみになってきた。
    今作は上河内が際立つ。
    短編集のようにも読めるが、
    「警官の失踪」というひとつの大きな謎が
    全編を貫く。
    派手さはない警察小説だが、
    ラストに向かうにしたがって、スピード感が増していく。

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    2020年04月05日
  • 聖域捜査[捜査シリーズ]

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    主人公は所轄の地域課と交通課に勤務し続け、警視庁生活安全部特別捜査隊に異動した班長。撃てない警察シリーズと同様、本流のではない立場で犯人を追う。題名通り「人が抱えている他人には触れられたくない聖域」に入り込み事件を解決していく…。

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    2018年10月17日
  • 総力捜査(新潮文庫)

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    シリーズ5作。中央から左遷された所轄の警務課長代理柴崎が捜査二課から異動してきた上河内らとともに事件を追う。今までと違った面を見せる坂元署長や助川長副署長、左遷されてきた岩城、成長著しい高野らとの絡みも相まって完成度の高い連作ミステリとしても楽しめる。中央への未練を残しながらも徐々に捜査へのやりがいを見出さす彼の変容が興味深い。

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    2018年09月29日
  • 撃てない警官

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    警視庁総務部から所轄の警務係に左遷された柴崎。事務方の彼が現場に直面し、「何故自分が」と内心悔しい思いをしながらも細かく捜査をしていくのは持って生まれた真面目さなのでしょうか。

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    2018年09月21日
  • 伴連れ

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    シリーズ第3作,警視庁の中枢から所轄の警務課長代理に左遷されたエリート柴崎が,中間管理職の悲哀,花形部署への返り咲きを狙う野心,真相を追求する警察官としての良心に揺れながら事件を解決する。老老介護をテーマにした「伴連れ」が秀逸。気をつけねば。

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    2018年09月19日