安東能明のレビュー一覧

  • 鬼子母神

    Posted by ブクログ

    児童虐待・・何とも傷ましい事件がテーマとなるこの小説。

    心を病んでいる母親のダークな描写に、何とも「どんより感」が漂っている。

    しかし主人公である保健婦:工藤公恵も、清廉潔白なわけではない。

    スーパーで万引きするし、自分の娘も虐待している・・・



    タイトルである「鬼子母神」は、母でありながら他人の子を捕えて食べてしまうため、釈迦は彼女が最も愛していた末子・愛好を隠して子を失う母親の苦しみを悟らせ、仏教に帰依させたという。

    このような鬼の面と菩薩の面の二面性を持った神(鬼子母神)が、工藤公恵と似ているところがあるという意味なのだろうか。



    断っておくが、エンディングはハッピーエン

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    2009年10月04日