安東能明のレビュー一覧
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殺人などを扱う花形部署とはちがって、地味な部署の
生活安全特捜隊。風俗や環境犯罪など派手さがない
事件を担当する部署だけど、たぶん一般庶民の私たちに
関わりあいが多く、私たちが比較的相談しやすい部署
だと思います。凶悪犯罪者の心理より私たち庶民の
気持ちに近い存在だと思いますので、警察内部の
縄張り争いとか手柄の取り合いとか大変でしょうけど、
クサらず仕事をして欲しいです。
手がけた事件は地味でも、どこかでその情報が生きる
かもしれない。直接の手柄にはならないけど、
持ってる情報が解決の鍵になったのなら「アシスト賞」
みたいなご褒美つけて、それぞれの部署の連携が
よくなればいいなと思います( -
Posted by ブクログ
いやー、面白かったです♪
誘拐犯 対 警察・日テレ・神奈川大陸上部と言う内容・・・と言うと誘拐犯に対してみんなで力を合わせてという図式が浮かびますが、微妙に利害が違っているところも面白いです。
箱根駅伝前夜、出場する神奈川大学の女子マネが誘拐され、彼女と想いを通わす復路の走者を往路で中継車に乗せろと言う目的不明の要求が出されます。
そして犯人と警察、放送局、神奈川大学を巻き込んだ展開へ・・・
実際に出場している大学が出て来ますし、舞台は勿論大手町~箱根の各区、撮影斑などのスタッフもそのままでとても臨場感があります。
また放送や無線、PCやインターネットの技術を駆使してテレビ局や警 -
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保健婦としてセンターに勤める工藤公恵は、日々、たくさんの母子と接してきた。そんな中、検診で自分の子供が病気ではないのかとしつこく迫ったという、渡井敦子・弥音母子のことを同僚から聞く。そしてある日なぜか公恵はその渡井敦子から名指しで電話で助けを求められることになる。
保健婦として母子の様々な問題に対応する日々を送る一方で、自分の子供・美香との関係をうまく築けず、時には虐待に近い行動をとってしまう公恵。だからこそ、渡井親子の問題に自分達を重ね合わせて深入りするようになるのだが・・・なんとも最後までいたたまれない。美香に対する公恵の、なんともいえないどす黒い感情・・・これが本当に辛い。子供を虐 -
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「箱根駅伝」は正式名称を東京箱根間往復大学駅伝といい、大手町から箱根までの往復217.9キロを10人のタスキリレーでつなぐ大会。
あの苦しそうに走るランナーたちを尻目に、暖かい部屋でヌクヌク状態の自分が、いつも申し訳なく思う・・^_^;
前置きはこれくらいにする。
この「箱根駅伝」の裏側で、もしも誘拐事件が発生していたら・・・というのがこの小説だ。
登場する大学やテレビ局もすべて実名・・これが非常にリアリティを醸し出す。
レースがはじまり、ランナーがタスキをつないでいく傍らで、テレビ局に届く様々な犯人からの要求。
あのテレビ中継のせわしい中で、人質の命の灯がだんだんと -
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午前5時を期して 時間が15秒遅れた。
発端はたったそれだけのことだった。
それによって人が死ぬなどということは 誰が考え得ただろうか。しかし たしかにそのたった15秒によって何人もの人間が命を落としたのである。
そもそも時間とはどこで誰が決めるのか?
電話やテレビなどの時報もすべてが正確に一致しているわけではないと言う。時計を見せずに生活させると 人間は一日を25時間として動くようになるとも言われる。時間とは一体何なのだろう。
こんなにも不確かであるにもかかわらず 日常からなくすことのできない時間というものを 乗っ取ることができるとしたら 人はどうするだろうか。そして時間を乗っ取 -
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観光地の相模湖へ5歳の息子を連れて行き遊覧船に乗っていたら、突然ある場所を指さして「僕はここで殺された」と話し出す。
そこから父親の宮津和夫はタイムリープに巻き込まれて、息子の前世の男と会い、なぜ殺されたのか、阻止することはできないのかと過去・現代を行き来しながら謎を解いていく。。。
と、結末が気になって読む手が止まらなかった。
タイムリープ系のものあるある(私の中で)だけど、
なんで主人公はこう、もっと上手く立ち回れないのかなぁとやきもきしたが、二転三転するストーリーに飽きることなく読み終えた。
特にエピローグがよかった。
すべてはこのエピローグのためだったのかと、なんだかしんみりした -
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山梨県、甲府市の繁華街、オリオン通り、石和温泉郷、当時繁華街は暴力団が街を支配していて、懐かしい小説⁉️
新任キャリアとマル暴刑事。異色のタッグが「頂上」を捕る!
キャリアの仁村は山梨県警捜査二課長に着任早々、県知事・有泉の贈収賄事案を手掛けることになる。県の人事委員長の職をあっせんする見返りに、葬儀会社会長・新原から三百万円相当の洋服仕立券を受け取ったというのだ。一方、県警組織犯罪対策室長の皆沢は地元暴力団の抗争事件を追っていた。激化した抗争に巻き込まれ命を落とした女は、仁村たちに情報を上げていたスパイだった……。県を揺るがす2つの事件。その衝撃の真相とは!? -
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救いのない物語
ごく短い作品であるが、最初から最後まで救いのない物語であった。題名の「鬼子母神」では、最後に救いがあるのだが、この作品にはそれさえもなかった。これに類するようなことが現実にもあるのだろうと思うと暗澹たる思いにとらわれる。