安東能明のレビュー一覧

  • 聖域捜査[捜査シリーズ]

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    「生活安全特捜隊」結城公一、シリーズ第1巻。5つの短編からなる。
    そういう隊が実在するのかどうかは知らないが、守備範囲が広く、些細なネタかと思いきや殺人事件に進展するなど、目新しい展開でかなり面白く読んだ。
    結城が有能なのかそうではないのか、序盤戸惑いながら読み始めたが、勘のいい刑事のようだ。班長としてはまだ不慣れな様子が伺えるが…。
    2つ目の短編、「芥の家」の老女が投げ込んだキャベツ…。そういう展開になるのかと母親の無念が伝わってきた。面白かった。

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    2017年07月31日
  • 広域指定

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    柴崎令司シリーズ初の長編。
    9歳女児が行方不明になった。早期保護を目指す柴崎ら所轄。主導権を握りたい警視庁捜査一課。九年前に未解決のままの同様の事件を思い出す千葉県警察。三者のいろんな思惑や権力の壁、反発、入り混じる。また、この解決を機に返り咲きたい面々。

    真相は、なんとも稚拙な、、、おのれ可愛さの、クズのような、、、

    前作から活躍し始めた高野、よい働きでした。署長の坂元真紀もただのキャリア署長から変わり始めていて頼もしい。

    ところで柴崎はまだそのままだが、話がない訳ではない今回でありました。

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    2017年07月14日
  • 伴連れ

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    柴崎令司シリーズ3作目。短編です。
    やはり柴崎はまだ所轄にいて相変わらず女性キャリアの署長を補佐してる。
    新しく出てきた高野という若手の女性警官が警察手帳を擦られてあんたどうするのよ?という場面から始まる。
    この若手のイマドキの感性には戸惑うが、これがどうしてなかなか勘がいい。
    収録されている各話とも無駄なく展開が早く面白い。署長との板挟み、高野の鋭い一言も効いてる。
    標題にもなった最終話の伴連れは、ラスト3ページで唖然。このシリーズこれからも追いかけていきたい。

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    2017年07月14日
  • 広域指定

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    シリーズ4巻目は一冊通しての長編もの。個人的には短編の方がメリハリがあって好きだが、これはこれで良かった。早い段階で共犯者は分かってしまう(違和感ありすぎ)が、前巻のようなまさかのどんでん返しはなかった。しかし後味のいい終わり方なので良し。どうも、キャリアvs現場の構図が今まで読んできた多くの本から植えつけられてしまったようで、このシリーズは新鮮に感じる。うん、このシリーズ好きだ!

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    2017年07月10日
  • 伴連れ

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    シリーズ3巻目。この本、面白かった!1,2巻と同じシリーズか?と思うほど、どの話も秀逸。捻りも2つも3つも4つもあって飽きさせないし、3巻目にしてキャラクターが生き生きしだした。柴崎は相変わらず優秀だし、坂元署長もなかなか頑張ってる。でも、この巻は高野の活躍が凄い。5つの短編のうち伴連れは、最後の数ページで涙が出たり、ぎょっとして止まったり…。うーむ。重いテーマだ。

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    2017年07月09日
  • 撃てない警官

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    初読の作家さん。外向きではなく警察内部の話。派手な事件や殺人がないのにかなり面白く読めた。柴崎さん、どこかのシリーズのあの方の様に、管理職に収まっているより断然現場で活躍するタイプとお見受けいたします!個人的には助川さんのファンになりました。シリーズものらしいので、次も読まなくちゃ。

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    2017年06月19日
  • 出署せず

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    「撃てない警官」の続編。
    部下の自殺という不祥事の責任をとって綾瀬署に左遷させられた柴崎は、綾瀬署警務課・課長代理となった。
    警務課でありながら捜査にも関わらざるを得ない状況に陥る柴崎。
    どの短編も、物語の中心に事件を置きながら、犯罪に関わってしまった人たちの人間性を描いている。
    事件を起こす犯人も警察官も同じ人間なのだ。
    どんな立場に立たされようとも、何かを決断するときには下した人の考え方や生きる姿勢が表れる。
    柴崎にとっては不本意な左遷であっても、警察官としての責務を忘れるような柴崎ではない。
    キャリアの女性署長と刑事たちとの微妙な確執。
    間を取り持つ火消し役、調整役を柴崎が果たさなければ

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    2017年04月06日
  • 出署せず

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    警察署の人間関係を描きながら振り回される事件と新署長の話しを描いている。
    細かな積み重ねを作品ごとにしてラストの長い中編でその吹き出したものを描きながら事件を表す。
    なかなか面白かったし、柴崎の管理職としての悲哀などいいシリーズですね。

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    2017年03月04日
  • 広域指定

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    リアルな警察がいい加減な捜査でお茶を濁している一方、小説の中の警察官はちゃんと職務に忠実なのでした。

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    2016年11月03日
  • 伴連れ

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    管理部門の警官を主人公にした異色の警察小説シリーズ最新刊。やっぱりこの作者は上手い。短編ではあるけども今時の女性警官が成長していく姿を縦軸に入れて一貫性を持たせているあたりが読ませる。
    順調に本庁の管理部門で出世しつつあった主人公がある事件の責任を負わされて所轄に飛ばされ女性キャリア署長の下で刑事の真似事をさせられたりと日々奮闘する姿を描いたこのシリーズ。
    今日的なネタも盛り込みつつの展開はますます今後に期待が持てる。

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    2025年12月17日
  • 伴連れ

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    高野が警察手帳を紛失したらしい。柴崎警部は頭を抱えた。彼女はその事実をあっさり認める。だが捜査を続けるうち、不祥事は全く別の貌を見せはじめた。少年犯罪、ストーカー、老夫婦宅への強盗事件。盗犯第二係・高野朋美巡査は柴崎の庇護のもと、坂元真紀署長らとぶつかりながら刑事として覚醒してゆく。迫真のリアリティ。心の奥底に潜むミステリ。最高峰の警察小説がここに。

    主役は高野巡査ではない。「撃てない警官」で登場した柴崎警部の視点から描かれている。「Mの行方」がなかなかの仕上がり。

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    2016年05月15日
  • 出署せず

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    前作のようなインパクトはないが、ほとんど牙を抜かれた主人公がそれはそれで面白い

    出てくるキャラが皆どこか人間くさく、生真面目な主人公が結果的にいいように使われ、断ればいいのにできないところや、現場が気になってしょうがなく、知らないところで事が進むと腹を立てたりと、どこか憎めない

    主人公が主体となって解き明かしていくスタイルではないが、ミステリー部分もうまくまとまっていると思う

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    2016年01月26日
  • 撃てない警官

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    これを読んではっと思ったのは、管理部門とかだと警察の人でも捜査とかに関わらないんですね。警視庁の人なんて言われたらそういう事にみんな1回位関わっていると勘違いしそうです。エリートだったのに左遷でそういう部署に飛ばされたら、周りからは使えない奴めなんて言われて悔しい思いしてしまうのでしょう。どんな業種でも現場と事務職の軋轢っていうのはありますですね。

    この主人公正義の味方でも悪党でもなく、ひたすら組織の中でもがいて自分の立ち位置を模索する様が何とも人間的で、僕的にはかなり良い作品だと思いました。
    主人公が自分を陥れた同僚上司たちに一矢報いようと、正規の方法では無く弱みを握ろうと画策しますが、現

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    2015年09月21日
  • 水没 青函トンネル殺人事件

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    青函トンネル工事中の殺人事件が、トンネル点検中に見つかる。吹付けコンクリートに生きたまま埋め込まれた人物は、当時中学生だった友人たちの父だった。
    一人は売れっ子デザイナーとして活躍し、フランスと日本を往復している。
    女性は服飾関係の仕事を、水産関係の仕事をしているものもいる。
    そんな中、青函トンネルで轢死体が見つかる。
    2つの事件の関わりと、コンクリートから見つかった被害者、犯人、関わりのある人間たちが絡み合いながら、事件解決を目指していく。

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    2015年02月26日
  • 潜行捜査

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    面白かったです。安東能明の小説は初めて読みましたが、読みやすく、良かったです。
    大晦日に起こった一家3人殺害事件。現場には多くの遺留品と指紋が残されていた。事件の解決、犯人逮捕は時間の問題と思われていた。捜査の中心にいた幸本は、捜査方針の対立から、捜査から外されてしまう。
    5年後、所轄署の生活安全課に異動していたが、ある事件の現場から5年前の指紋が見つかり、独自に捜査を始める。
    それまで、家庭を顧みなかった幸本は、独自の捜査で妻にも手伝ってもらうことで、家族の輪も取り戻す。
    最後には指紋のトリックを解き明かし、犯人を追い詰めていく。

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    2015年01月13日
  • 撃てない警官

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    何とも、変わったキャラクターの、短編連作警察小説であることか。
    何しろ、現場が嫌、事務部門が好き、という警察官が主人公なのだから。
    バリバリのエリートだった主人公は、陰謀により所轄に移動させられる。そこでは、否応なしに事件に遭遇し、いやいやながら捜査に携わっていく。
    今後、刑事魂に目覚め、活躍するのか、あるいはまた、本人が望む本庁の職場に復帰できるのか、次回作以降が楽しみ。

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    2014年10月17日
  • 出署せず

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    「撃てない警官」の続編。現場を知らない女性署長のせいで組織に軋轢がうまれるのがリアルに思えました。当初は小さな事件と思われたケースが重大犯罪に発展していくさまが興味深かった。

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    2014年09月12日
  • 出署せず

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    初めて読む作家の作品。警察小説。
    と思ったら、シリーズ第二作でした。短編集だが、重い人間ドラマが描かれ、実に読み応えがある。
    第一作も読んでみよう。

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    2014年08月29日
  • 出署せず

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    署長が男性から女性に変わってしまった・・・

    今回は副署長である助川の役回りが目立つことなく、
    どちらかというと、刑事課長の浅井がちょくちょく出る。

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    2014年08月11日
  • 撃てない警官

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    掲題の短編から、意表を突くような、
    引き込まれる展開になっているが、
    その後も主軸はありつつ、進んでゆく。

    綾瀬署に異動してからも、周囲のサポートを得つつ、
    捜査とは違うのだろうが、そういう能力を身につけてゆく。
    ただ、あまりにも自然にできすぎて、
    そこに違和感を抱かざるをえない。

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    2014年08月09日