山本博文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は2003年から2004年に雑誌「エコノミスト」に連載されたものを書籍化したので、日本の歴史を「人事」を通して考えようとするもの。自分も何年かに一回は異動になっていたし、上司・部下にどのような人物が来るかで仕事のやり方が変わってくるので、組織人であれば誰しも人事にそれなりの関心を持たざるを得ないであろうから、テーマとして面白い。
良く知らなかったこと、特に興味を惹かれたもの
・「再就職」が厳しい中高年豪族~郡司の任命制度、試験プロセスが理解できた。
・「学閥」出身者の悲劇~菅原道真失脚について、他の学閥の嫉妬が原因であった。
・「実力主義」を育てた乱世~朝倉孝景と朝倉孝景条々の内容が -
Posted by ブクログ
本書の持つ歴史的意義は、少なくとも2つある。1つは、サムライが往来で兇器となる刀を差しやみくもに人を斬る好戦的で野蛮だと思われていた当時の西洋人の誤解を解消したこと、そしてその武士道論を通じて日本的思考の枠組みを日本人として初めて英語で世界に問うた日本文化論だという点である。
新渡戸は、武士道の体系を義、勇、仁、礼、信(誠)、名誉、忠義の順で解説。各徳目の詳細は本書に譲るが、それぞれの関係性は、智仁勇が義を支え、信が礼を支え、義と礼が忠を支える構造となっており、徳目の最上位にくる忠は武士自身の名誉と恥を重視する他律的な行動規範が基本となる。
さらに本書では、武士の教育、切腹と仇討ち、刀、女性の