陳舜臣のレビュー一覧

  • 小説十八史略 傑作短篇集

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    陳舜臣先生の偉大さを改めて思い知った一冊である。

    フィクションとして、陳先生の歴史小説ははっきり言って、直感的におもしろい!とか大興奮!とか生き様に感動!とかいう成分は皆無である。
    漢の生き様をこれでももかと書く北方謙三とか、つらいときにはいつもお世話になってます、宮城谷昌光先生の「よく生きるとはこういうことである」ということがはっきり提示されて、がつ〜んと感動さえられるフィクションあふれる物語に比べると、たぶん淡泊すぎて一見するとつまらない。

    実は私も、単に本を読むという楽しみだけなら宮城谷先生が一番好きだし、勝手に歴史作家脳内ランキング一位にしてました。

    しかし…、陳舜臣はやっぱりすごい。
    この短編集に、孟嘗君を描いたものがある。今どき、孟嘗君といえば、陳舜臣ではなく、宮城谷である。天下のNHK的にもそうである。
    でも、この陳版孟嘗君はあっさり、私的孟嘗君において、宮城谷孟嘗君を抜いてしまった。
    というのは、なんで、孟嘗君が説客を三千人も養って、彼らから信望を得られたかということにおいて。

    陳舜臣の説明はこう。
    孟嘗君は五月五日生まれ。この日生まれの子は不詳だから殺せと父親に言われる。しかし母親は密かに孟嘗君を育てる決意をする。
    が、いつか育て上げたあかつきには、父親に孟嘗君を認知させたい。だから、父親以外の全ての人が、この子は父親(清郭君)の息子であるとわかっていながら、清郭君にだけは知られない状態で育てなければならない。
    どうする?
    とにかく、そういうわけだから、他人全ての手を借りなければならない。そして、決して告げ口されないように他人に恨まれてはいけない!
    というわけで、孟嘗君の母親はとにかく、他人の下手に出ては、謙虚に振る舞い、贈り物を配りまくり、子である孟嘗君にも「あなたは他人のおかげでここまで生きてこれたのよ」と口をすっぱくして育てるのである。
    で、どうなったか。
    母親は、自分と孟嘗君のためという目的のために、他人につくして、接待していた。
    しかし、孟嘗君にとっては、生まれたときからその状況なのである。
    もはやそれが常態。つまり、目的(悪く言えば、下心)が皆無に、人に尽くし、接待する、超絶ネイティブ一流ホスト、孟嘗君が誕生した!
    とこういう理屈が、わずか一ページで語られている。

    な…なにこの説得力!そしてリアリティ!
    ああ、たぶん当時、現実に起こったこととして、こうだったのかもしれない、と全く納得いかされる内容なのである。

    これが宮城谷版だと、孟嘗君は五月五日生まれ。この日生まれの子は不詳だから殺せと父親に言われる。しかし母親は密かに孟嘗君を育てる決意をする。
    ここまでは同じなのだが、その後、白圭(なんか英雄っぽい人)に拾われ、諸国を歩き、徳を獲得!三千人を心服させる
    という、最高におもしろい話なのだが、まあフィクションでしかありえない展開になる。

    史料を読んで、実際、どういうことだったかということをリアリティを追求して、そのリアリティのうえに人物を描き出せる筆力では、陳舜臣先生は最強である。
    正月早々、めっちゃかんどうしました。
    歴史小説の歴史小説たる所以は、史料を使って書くというその一点にある
    たぶん、陳先生は小説家じゃなくて、紛れもなく歴史作家であるんだろう。



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    2009年10月04日
  • 中国の歴史 近・現代篇(一)

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    甲午の役(日清戦争)での敗戦からの近・現代史。
    朝廷では変法を望む光緒帝(帝派)と、そうはさせじと実権をにぎる西太后(后派)が牽制しあう。
    外では康有為と孫文、それぞれのカリスマが革新に向けて奔走する。前者は上書を繰り返しあくまで上から変法を目指す保皇派、対して後者は士大夫以上の者とは繋がらず秘密結社を終結して地方を押さえながら清朝そのものを覆そうと目論む革命派で、対照的な両勢力の台頭は小説を読んでいるみたいにドラマチックである。そのあたり小説家・陳舜臣が書いているだけあって、主観が反映されている部分が気にならなければ歴史教科書としては読みやすさで最高の部類。

    義和団事件の発生は中国人のメンタリティーを思うと想像に易い。
    キリスト教の布教が許されている中で排外的な結社・義和団が過激な仇教運動を起こし、多くの人が死ぬ。もっとも信教者のなかには施しだけが望みでまともでない悪質な者も少なからずいたし、特別待遇をうける教会に対する民衆の反発は大きかった模様。西太后が義和団を支持したことで混乱は激化。集団ヒステリーが起こる。それを宣戦布告として諸外国が北京へ侵攻…という流れ。
    国が民衆を煽った結果のコントロール不能、外圧の激化。というのは今も見られる。

    西太后は世界史上最も長期間一国の頂点に君臨した女性らしい。義和団事件の危機にしても自分で蒔いた種であるが、失脚を免れる手腕と執念は異常。
    2008.12.20

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    2009年10月04日
  • 小説十八史略(一)

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    中国の歴史を分かりやすく説明してくれる小説。
    代表的な漢文故事も網羅されとります。
    ってもう、これだけ長いと小説じゃないよ。
    とりあえず項羽と劉邦がアツい。よんでるとつい主人公に感情移入してしまう。なぜ素性の良い項羽でなくて劉邦が漢王になれたかというのが、必然性をもって理解できた。


    ほんとは読んだのこれと違って全集版なんですが、それに載ってた特別書き下ろし作品山河在り第一回も探偵小説らしく好ましい。

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    2009年10月04日
  • 小説十八史略(一)

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    入手して、一冊の分厚さと巻数に、ちょっと読むのを躊躇していた。
    けれど、読み始めると面白い。

    昔の伝説の中でしかわからないような人物が、
    生き生きと伝わる。

    時代の雰囲気も、よく分かるように思える。

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    2009年10月04日
  • 秘本三国志(六)

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    三国志モノで、目から鱗、陳 舜臣氏にはまるキッカケとなったシリーズ。
    曹操のファンになり始めたのも、これがキッカケ。
    でも、孔明一番は変わらず〜

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    2009年10月04日
  • 秘本三国志(五)

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    三国志モノで、目から鱗、陳 舜臣氏にはまるキッカケとなったシリーズ。
    曹操のファンになり始めたのも、これがキッカケ。
    でも、孔明一番は変わらず〜

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    2009年10月04日
  • 秘本三国志(四)

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    三国志モノで、目から鱗、陳 舜臣氏にはまるキッカケとなったシリーズ。
    曹操のファンになり始めたのも、これがキッカケ。
    でも、孔明一番は変わらず〜

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    2009年10月04日
  • 秘本三国志(三)

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    三国志モノで、目から鱗、陳 舜臣氏にはまるキッカケとなったシリーズ。
    曹操のファンになり始めたのも、これがキッカケ。
    でも、孔明一番は変わらず〜

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    2009年10月04日
  • 秘本三国志(二)

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    三国志モノで、目から鱗、陳 舜臣氏にはまるキッカケとなったシリーズ。
    曹操のファンになり始めたのも、これがキッカケ。
    でも、孔明一番は変わらず〜

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    2009年10月04日
  • 秘本三国志(一)

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    三国志モノで、目から鱗、陳 舜臣氏にはまるキッカケとなったシリーズ。
    曹操のファンになり始めたのも、これがキッカケ。
    でも、孔明一番は変わらず〜

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    2009年10月04日
  • 小説十八史略 傑作短篇集

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    オッサンが熱い!40過ぎだって、50過ぎだって、いやいや70過ぎだって私の心をとらえるくらいかっこいいんだ!いくつになっても男盛りっていうのはいいですね(笑顔)。男たちの生きざまに魅せられて、得体の知れない感情の昂ぶりのために泣きそうになりながら読みました。

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    2009年10月04日
  • 小説十八史略(五)

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    大唐帝国キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!

    玄宗皇帝までのお話。

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    2009年10月04日
  • 小説十八史略(三)

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    ここからが、なかなか小説ではお目にかかれない時代となるのではないか?

    史記も前漢の武帝までだし。

    三国志の時代はともかく、王莽の新や後漢の話は興味深かった。

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    2009年10月04日
  • 秘本三国志(一)

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    らしいと言えばらしい劉備殿が見られます。大概劉備殿は「聖人君子」として描かれますが、「読書嫌いで友達を増やしたがる」という人はこういうキャラじゃなかろうかと。

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    2009年10月04日
  • 小説十八史略(一)

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    面白いです。中国史を神話の時代から語ってくれます。これを読むと日本の文化がいかに大陸からの文化に影響されてきたかがわかります。分厚い文庫6冊ですが、あっという間に読んでしまった記憶が・・・。

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    2009年10月07日
  • 秘本三国志(一)

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    文庫で全6巻。三国志は大学で専攻したほどハマった物語で、色んな作家が書いた小説や、歴史書の陳寿「正史三国志」や、日本に入ってきた話の元になっている小説版・羅漢中「三国志演義」なども数々読んだけど、この陳舜臣版が1番好き。ドラマチックさでは吉川英治版が1番だけど、これは同時代の架空の人物の視線で、淡々と史実にある程度忠実ながら物語としても俊逸。蜀を正統としている「三国志演義」や吉川三国志の流れを愛する人には面白くないかも。逆に「正史」や史実を知っている人にはとてもオススメ。

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    2009年10月04日
  • 小説十八史略(三)

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    項羽と劉邦のところはかなりハマリました。そこのところだけ後で読み返したりするくらい、私はエンジョイいたしました。

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    2009年10月04日
  • 小説十八史略(三)

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    武帝の黄金期を中心に後漢末までを描いた巻で司馬遷が登場する巻です。個人的には『史記』が好きなのでここがクライマックスです。この時代以降は興味があったり、なかったりです。

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    2009年10月04日
  • P+D BOOKS 青玉獅子香炉

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    陳舜臣の本は割と読んでいるが直木賞の作品は読んだ事がなかったので手に取った。
    短編集なのもあり読みやすい一冊。
    面白かった。中華って、玉がよくでてくるので、そこら辺の背景やらも分かったので良かった。

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    2026年08月11日
  • 小説十八史略(三)

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    女たちの政権争いもひと段落し、“漢の武帝”の時代となる。
    その中でも中島敦の小説で有名な“李陵”が登場するが、祖父李広の因果が中心でそれほど魅力的ではない。
    光り輝くのは“後漢 班超”の西域活動、大秦(ローマ)への道を夢見る文系青年の活躍は、短いページながら心ときめく。

    そして後漢も末期、いよいよ三国志の時代。

    この第三巻だけで、前・後漢史の紀元前130年から紀元190年頃までの約320年分の魅力に富んだエピソードが語られた。

    次はいよいよ三国志そしてその後の混沌とした時代。

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    2026年07月14日