陳舜臣のレビュー一覧

  • レジェンド歴史時代小説 琉球の風 下

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    薩摩藩の侵攻に降伏した琉球王国が目指す先は、琉球の誇りを秘めた南海王国の建設。それは経済によって、屹立すること。

    その目論見・野望は、物語の時代では成し遂げられず、その後の歴史でも成し遂げられたとはいえない。
    ただ、形は違えど音曲の世界で成し遂げることができたのではないのかな、と思いました。
    時代に左右されず、過去・現在・未来を繋ぎ紡いでいくものとして。

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    2018年05月22日
  • レジェンド歴史時代小説 琉球の風 上

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    17世紀初頭の琉球王国。中国・明との朝貢貿易による平和な暮らしは、南蛮貿易の利権を得るための江戸幕府・薩摩藩に侵されつつあった。
    というところから、物語は始まります。
    感想は下巻で。

    親方と書いて「うえーかた」と読ませる、琉球言葉(でいいのかな?)にどうしてなじみあるのかな?と思っていたら、花の慶次でしたね。

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    2018年05月22日
  • 日本人と中国人――“同文同種”と思いこむ危険

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    中国と日本双方の文化を深く理解する陳舜臣という作家を日本に得たことは、大変幸運なことである。本書では中国人と日本人の相違点が、象徴的な文学、美術、戦闘などから提示されている。私が納得した点は、明治以前は日本人が中国と直接関わったのは秀吉の朝鮮出兵のみで、書物を通じて間接的に中国を理解していたに過ぎない、故に相互に理解し得ないことがあって当然だ、とする説明である。
    初版は1971年であり当時の中国は文化大革命の最中。時事を絡めていないだけに、2018年の今も本書の内容の多くは色褪せていない。しかし、第8章「中国人が最も信頼するものは”歴史”」というくだりは、さすがに現在の覇権主義を剥き出しにする中国を思えば、陳氏の洞察も及ばなかったということか。

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    2018年05月05日
  • 小説十八史略(五)

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    唐の2代太宗・李世民が子供のころからいかに大物だったか、兄の李建政との比較が分かり易い。隋の煬帝の無軌道ぶり、その最期も印象的だが、唐の初代・李淵そして李世民以外の皇帝も凡人揃い。いずれも女性に溺れる…。いかに李世民が傑出した皇帝だったかを感じることになる。則天武后以後も武后の娘・安楽公主、高宗の韋皇后、高宗の妹・太平公主らが次々に女帝の地位を狙っていたというから唐も安定していたとはいえないことに驚いた。若き日の玄宗がそれら女性の野心を砕き、2回のクーデターで韋皇后、太平公主を除き、地位を盤石にするのだが、後年の楊貴妃に溺れた醜態は思いもつかない。安禄山、史思明らの反乱と彼らが、女性に溺れ、同じ轍を踏んで滅びていく姿に、本当に人間は懲りない動物だ。玄奘、阿倍仲麻呂、鑑真や書家の褚遂良、顔真卿らも登場し、政治の世界との繋がりも興味深かった。

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    2017年12月26日
  • 小説十八史略(三)

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    時代は前漢の終盤から王莽の時代へ、そして後漢の光武帝へ。王莽の遠大な計画により、よく出来た人と思わせて大歓迎のうちに皇帝になったとは驚きだし、光武帝は何とグズで優柔不断なため、皇帝になりたくなかったが、死にたくなかっただけのために皇帝になってしまった皇帝がいたとは!滑稽とも言え、光武帝のイメージダウンも甚だしい。このような後漢だったので、乱れも早かったようだ。幼帝と皇后・皇太后の一族、そして宦官たちの跋扈の時代は醜い繰り返しの歴史だ。董卓・呂布、袁紹、曹操らが登場し、いよいよ三国志のクライマックスへ向かう。

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    2017年12月05日
  • 小説十八史略(二)

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     漢と楚の劉邦と項羽の戦いに始まり、漢成立後の劉邦の変貌、そして呂太后による悪事の数々。それが庶民レベルには平和な国だったというので、まるで現代を見るような感じである。そして呂太后以後も、文帝の皇后、長女。そして景帝の長女などと女性が権勢を誇る女性優位の時代だったとの歴史に吃驚しながら、惹き込まれる読書となった。文帝の竇(とう)皇后は宮城谷の「花の歳月」のヒロイン猗房。太皇太后として権力を揮ったとは小説とのイメージギャップに戸惑った。武帝の時代は衛士夫皇后の弟・衛青、そして次巻に登場する甥・霍去病たちが武将として大活躍した時代!不運の名将・李広との対比が一方には気の毒ながら、可笑しい。

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    2017年12月02日
  • 小説十八史略(一)

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    夏を伝説の国とし、殷の紂王の時代から始まる。この当時はそう考えられていたからやむを得ないか。悪女の第1号、妲己を周の周公旦が育てた!本当!そうであれば稀代の悪女も悲劇の運命。それにしても美女(概して悪女)のオンパレードは凄まじい。ほうじ、夏姫、驪姫、始皇帝の母…。それだけ傾国美女が多いとのことだろう。西施は范蠡が育て、後年は范蠡とともに過ごした!これも驚いたが、実は呉越の話は史記や春秋左伝のような正史には登場せず、呉越春秋などの野史にしか登場しないため、実在人物かどうか不明という。第1巻では秦の始皇帝の全盛時代で終わる。始皇帝がなぜ趙の都邯鄲で生まれ、秦王家とは血の繋がりがないのに、秦王・子楚の子供として育てられ、実の父・呂不韋との関係など実にリアリティがあった。

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    2017年12月02日
  • 小説十八史略(四)

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    魏蜀呉の三国志から五胡十六国までの歴史である。

    三国志は横山光輝のマンガを読んでからだとわかりやすい。
    と同時に本書とマンガで若干の違いがある。
    歴史は複数の文献を参照した方が良いということに実感できる。

    五胡十六国は高校時代の世界史の授業でも混乱したが、やっぱり複雑。。。
    同時期にいろいろな国が乱立し、各々が独立的ではなく複合的に建国しては滅亡しの繰り返し。

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    2017年10月30日
  • レジェンド歴史時代小説 琉球の風 上

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    先日所要で沖縄に行ったで、きょうみを持ちました。

    沖縄関連の小説というと『テンペスト』を読んだことが有るんですが、これはそれよりも時代を遡っていますね。でも、『テンペスト』のときに、沖縄王府の政府高官の役職名を目にしていたので、なんか懐かしく感じました。同じく沖縄を描いた作品には『琉球処分』があるんですが、この作品や『テンペスト』とは全然違いますね。

    まだ上巻が終わったばかり。下巻でどうなるのか?って言うか、歴史的には出来事は決まっているんですけどね。

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    2016年12月11日
  • 小説十八史略(一)

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    中国の古代史が理解できる本。
    ややスピードが速く感じるものの、大まかな流れは楽しみながらわかります◎
    中国史に興味がある方は是非読んで欲しい小説です。

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    2016年06月11日
  • 対談 中国を考える

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    中国に造詣の深い二人の対談。昔からの友人だけあって、口調も親しみやすい。それにしても彼らのような知識を持って現地に出かけたら、どれだけ楽しいことか。「牛耳る」の言われも面白かった。2016.5.12

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    2016年05月12日
  • 諸葛孔明(上)

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    20151031 吉川三国志の興奮は無いがその分現実的なきがする。赤壁の戦いはクライマックスだったと思うがあっさりと始まってしまい少しかわされたような気分になった。

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    2015年10月31日
  • 対談 中国を考える

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    少し古かったけど、さすがに博識の2人。一緒に中国に行った人の名前が何人か出てたけど錚々たるメンバーでした。

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    2015年03月08日
  • 対談 中国を考える

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    中国を 二人の視点から考える。
    中国に対して なみなみならぬ 知識が
    中国の近世を見つめることで 中国がどうなっているか
    を明らかにしようとするが、毛沢東中国に関して言えば
    好意的な見方をしているのが おもしろい。

    マルクスレーニン主義が 具体化した国が
    ソビエトと中国だった。
    それが、やはり 大きな問題を抱えていた。
    すくなくとも 腐敗を生み出す仕組みが現存することは確かだ。

    談天半天
    第1章 東夷北狄と中国の2千年

    正座は、玄宗皇帝までしていた。
    宋の時代から、椅子となった。
    その頃は、褌がなく、あぐらは無理だった。

    魚をとるのはうまかったが、
    船を作るのは、へただった。

    日本は 儒教の影響を薄くしかうけなかった。
    儒教よりも漢学的な思考法を学んできた。
    それを洋学的な思考法に代えましょうとなった。

    批林批孔とは、どんな意味を持っていたか。
    それは 皮膚を脱いでいるような感覚。

    第2章 近代における中国と日本の明暗

    日本人はタスキとハチマキを開発した。
    文明は共有すべきもので、共有されるから文明なんや。

    仏教は 人が死んだら空である。
    陰陽道は 死んでも鬼になって、たたったり、いろんなことをする。

    日本人は分析的で 中国人は総合的だった。
    日本では 医者が 蘭学を学び それが 維新へつながった。
    蘭学から いとも簡単に ドイツ医学へ転身した。
    中国では 漢方医は その技術に固執し変化は産まれなかった。

    山脇東洋、緒方洪庵。

    中国には 裸に対する羞恥心があった。

    中国は 普遍的世界を追求する。
    康有為は 思想的な人間。
    儒教の教えでは 昔ほどいい。

    譚嗣同は 体制内改革をしようとした。
    譚嗣同はいう梁啓超にいう
    『きみ西郷たれ、われ月照たらん』

    林則徐、左宗棠、曽国藩、李鴻章。
    ここらあたりの人のことが よくわからない。

    孫文の日本人への警告
    孫文と袁世凱との関係 および 袁世凱が政治家だった。
    (浅田次郎の小説を読むことである程度の理解の広がりがあった)

    西郷は 日本の武士道の体現者のようだ。
    『翔ぶが如く』

    第3章 日本の侵略と大陸の荒廃

    中国人は 海が苦手。
    宦官たちは 皇帝の命をうけて 真珠などを探すが、
    それは いったい誰がやったのだろうか。
    竜涎香、螺鈿の貝、アワビやナマコなど 
    収穫したのは 日本人でなければ、
    ベトナム人が やったのだろうか。 

    『天下の形勢を知ろうと思えば紹興爺に聞け』
    周恩来のおじいさんが 紹興爺だった。

    幕僚そして参謀。
    明治17年にメッケルが作った参謀。
    参謀は 天皇の幕僚だった。
    機密費によって 腐敗した。
    張作霖は その機を見て 成り上がっていった。
    そして、日本軍の中にいながら イギリスなどとも手を組もうとした。
    謀略を個人的におこなったことが、重なり大きな戦いに発展。

    日清、日露まで 参謀は 自制心があった。
    日本が近代化するうえで 一番の失敗は 朝鮮を占領したことです。
    領土欲のない膨張論。
    資本主義的リアリティがなかった。つまり、産業がなかった。
    タイワン、そして 南進。
    北に関して言えば ソビエトの脅威の中にあった。

    日本の参謀本部は、昭和何年における作戦課長は誰と言う名前ではない
    誰がやっても同じことをする権能と機能みたいなものがある。
    それが魔物みたいになっている。

    辻政信は言う
    『北辺の瑣事は関東軍にまかせられたし。』

    現実は何だという認識能力が、こんなに単一民族の国では育たないです。
    情報に不慣れな日本人が、情報と謀略に取り憑かれてしまった。
    自分に不都合な情報は 握りつぶす。
    ムードで 情報や認識を断ち切る。

    『情報というのは、見なくてもわかる能力だから、情報をうけるのには、大変な研ぎすました認識能力がいる。日本人は受け手の能力に欠けた民族なんやろ。いやな情報は捨てる。』

    第4章 シルクロード、その歴史と魅力

    敦煌 ウイグル サマルカンド ラサ。
    行ってみたいですね。

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    2014年07月14日
  • インド三国志

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    極東では日本の明治維新がはじまろうとする時代、三百年繁栄したインドのムガル王朝が滅亡しようとしている。インドの歴史を遡りムガル王朝の立国、周辺部族との関わり、当時の東インド会社の台頭などによる時代の変化を知ることができる。ムガルとはモンゴルという意味なのだとか、西部からインドの地を侵略した民族を指す。

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    2014年07月12日
  • 対談 中国を考える

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     司馬さん8割、陳さん2割くらいの内容です。もう少し陳さんにもしゃべらせてあげて欲しかった。
     中国に関しては、造詣が深い2人なので、お互いが「これ知ってるか?あれ知ってるか?」と初期のオタク会話のようになっていて、いまいちでした。

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    2013年10月09日
  • インド三国志

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    来週から、インド旅行なので、読破。

    とりあえずムガル帝国が、イスラム教なのにはびっくりした。
    そして異民族とも。
    清朝の中国に似てるとこがある。

    イスラムVSヒンドゥー

    真髄をみれるかもしれない。

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    2015年07月14日
  • 諸葛孔明(下)

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    上巻の方がいい感じです(まあ時代的にもね。
    関羽が死んで以降の蜀の崩壊が切ない。
    どうしても五丈原で終わってしまうから消化不良感が否めない。

    てか全体通して夫婦仲がステキ
    本屋さんで「孔明のヨメ」って漫画見かけてときめきました( *´艸`)

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    2013年04月30日
  • 小説十八史略(四)

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    人間は、呆れるほど同じことを繰り返してるんだなー、ということが良く分かる本。権力の中枢にいる寄生虫は、たぶん現代も生き続けてる。

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    2012年08月29日
  • 諸葛孔明(下)

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    後半、やたらとニルヴァーナという単語がでてくる。
    ニルヴァーナというこのインド語の意味は漢語化するのが難しく、
    その音をとって涅槃としたようである。
    (涅槃の中国語はnie pan、ニルヴァーナに近い?)
    仏教がまだ、いかがわしい新興宗教だった背景が浮かんできた。
    そんな時代に理想を貫いた男の話であった。

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    2015年07月14日