陳舜臣のレビュー一覧

  • 小説十八史略(六)

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    南宋の滅亡で、十八史略は終わる。
    この著者の陳舜臣氏は元の十八史略を
    読んでこの本を書かれたんだろうが、
    その労力に感嘆する。
    中国4千年の歴史を宗の時代まで
    読んでみた感想は、これからの自分にとって
    世界の情勢を見た時に
    読む前と後では感じ方が変わったと思う。

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    2022年11月16日
  • 中国五千年(下)

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    下巻では、隋の滅亡につづく唐の興隆からはじまって、中華人民共和国の成立までの歴史をたどっています。

    著者は、「中国が一つであるという観念をつくったのは、秦の始皇帝の偉業でありました」と述べつつも、「中国を一つの宇宙世界であるという考えには達していなかった」としています。その後、北魏の孝文帝によって「すべての人は人種民族を問わず、最高の文明のレベルで統一さるべきだという考え方」が打ち出され、世界帝国としての唐の理念につながっていったという見かたを提出しています。

    比較的なじみのある王朝と皇帝の名前が多く登場するようになって、上巻であつかわれている時代よりも読みやすいように感じました。

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    2022年10月13日
  • 中国五千年(上)

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    中国を舞台にした歴史小説を数多く執筆している著者が、古代から現代にいたるまでの中国史を解説している本です。上巻では、隋による天下の統一までがあつかわれています。

    北魏の孝文帝について触れている箇所では、「権勢の争奪に明け暮れている歴史を読み、まれに理想主義の躍動を発見したときは、こちらの胸も躍るおもいがします」と述べており、良くも悪くも人間のなしうることをかき集めたようなエピソードが満載の中国史ですが、このような一幕に触れると気持ちのやすらぎをおぼえるような気分になります。

    著者は本シリーズ以外に、おなじく講談社文庫から「中国の歴史」シリーズおよび「中国の歴史 近・現代編」シリーズを刊行し

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    2022年10月13日
  • インド三国志

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    インドといえば
    カレー、ガンジー、ヒンドゥー教
    知っているようで知らない国。
    植民地であったのは知っていたが
    どうしてそうなったのか。
    それを紐解く内容が知ることができた。
    この歴史を知らなければ、
    今現在の複雑な世界状況を
    理解できないかも。

    その昔宗教というものは
    国を統治する上で必要だったろう。
    うちの宗教が正しいと思い入れが深くなると
    他の宗教が許されなくなるものなのか?
    ムガル帝国のアウラングゼーブ帝が
    寛容な人物だったら・・・

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    2022年09月17日
  • 中国の歴史(一)

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    以前に購入し、読破した本を再読。当時の記憶がほぼ無いため、初めて読んだような感想。
    中国の神話から説き起こし、字が発明されるまでの中国の人々の生活を推察している。それには考古学の成果も役に立っている。
    考古学の知識から、甲骨文字が発見され、今までは本当にあったか不明な殷という国家の存在が確認された。殷は商ともいい、商人や商業という言葉もこれが語源らしい。
    殷から周に政権交代が起こるが、その際、中国の人々は神を絶対視しない文化を手に入れたようである。ただ、その周も統一王朝というよりは、やや強い地方国家、という存在のようで、やがて同じような地方国家が乱立する春秋戦国時代が始まる。
    春秋戦国は、地方

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    2022年05月22日
  • 天空の詩人 李白

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     漢詩の世界に少し浸ろうと手にした陳舜臣氏の本。詩仙と謳われる李白の、詩を取り上げ解説をしつつ、その李白の人物像に迫ろうとしている。
     そこに司馬遷「太史公自序」の一節をあげている。
     「西伯(周文王)は羐久にとらわれて『周易』を演べ、孔子は陳・さいに厄して『春秋』を作り、屈原は放逐されて『離騒』を著わし、左丘明は失明して『国語』を残した。孫子は脚切りの刑をうけて兵法を論じ、呂不韋は蜀に遷されて世に『呂覧(呂氏春秋)』を伝えた。韓非は秦に囚われて『説難』『孤憤』あり。詩三百篇は大抵賢聖の発憤為作するところなり。これ人皆意に鬱結するところありて、その道を通ずるを得ず、故に往時を述べて、来者を思う

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    2021年05月23日
  • 太平天国(二)

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    二巻に入り冗長な感じがする。このダラダラ感であと2巻続けてもらっては困る。三巻目は大きな展開を期待する。勿論史実から大きく離れずに。虫が良いかな。

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    2018年10月09日
  • レジェンド歴史時代小説 琉球の風 上

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    明にもう少し国力があれば、琉球(&日本)の歴史が変わっていたかもしれない…と考えると複雑な気持ちになる。

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    2018年10月28日
  • レジェンド歴史時代小説 琉球の風 下

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    薩摩藩の侵攻に降伏した琉球王国が目指す先は、琉球の誇りを秘めた南海王国の建設。それは経済によって、屹立すること。

    その目論見・野望は、物語の時代では成し遂げられず、その後の歴史でも成し遂げられたとはいえない。
    ただ、形は違えど音曲の世界で成し遂げることができたのではないのかな、と思いました。
    時代に左右されず、過去・現在・未来を繋ぎ紡いでいくものとして。

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    2018年05月22日
  • レジェンド歴史時代小説 琉球の風 上

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    17世紀初頭の琉球王国。中国・明との朝貢貿易による平和な暮らしは、南蛮貿易の利権を得るための江戸幕府・薩摩藩に侵されつつあった。
    というところから、物語は始まります。
    感想は下巻で。

    親方と書いて「うえーかた」と読ませる、琉球言葉(でいいのかな?)にどうしてなじみあるのかな?と思っていたら、花の慶次でしたね。

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    2018年05月22日
  • 日本人と中国人――“同文同種”と思いこむ危険

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    中国と日本双方の文化を深く理解する陳舜臣という作家を日本に得たことは、大変幸運なことである。本書では中国人と日本人の相違点が、象徴的な文学、美術、戦闘などから提示されている。私が納得した点は、明治以前は日本人が中国と直接関わったのは秀吉の朝鮮出兵のみで、書物を通じて間接的に中国を理解していたに過ぎない、故に相互に理解し得ないことがあって当然だ、とする説明である。
    初版は1971年であり当時の中国は文化大革命の最中。時事を絡めていないだけに、2018年の今も本書の内容の多くは色褪せていない。しかし、第8章「中国人が最も信頼するものは”歴史”」というくだりは、さすがに現在の覇権主義を剥き出しにする

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    2018年05月05日
  • 小説十八史略(五)

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    唐の2代太宗・李世民が子供のころからいかに大物だったか、兄の李建政との比較が分かり易い。隋の煬帝の無軌道ぶり、その最期も印象的だが、唐の初代・李淵そして李世民以外の皇帝も凡人揃い。いずれも女性に溺れる…。いかに李世民が傑出した皇帝だったかを感じることになる。則天武后以後も武后の娘・安楽公主、高宗の韋皇后、高宗の妹・太平公主らが次々に女帝の地位を狙っていたというから唐も安定していたとはいえないことに驚いた。若き日の玄宗がそれら女性の野心を砕き、2回のクーデターで韋皇后、太平公主を除き、地位を盤石にするのだが、後年の楊貴妃に溺れた醜態は思いもつかない。安禄山、史思明らの反乱と彼らが、女性に溺れ、同

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    2017年12月26日
  • 小説十八史略(三)

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    時代は前漢の終盤から王莽の時代へ、そして後漢の光武帝へ。王莽の遠大な計画により、よく出来た人と思わせて大歓迎のうちに皇帝になったとは驚きだし、光武帝は何とグズで優柔不断なため、皇帝になりたくなかったが、死にたくなかっただけのために皇帝になってしまった皇帝がいたとは!滑稽とも言え、光武帝のイメージダウンも甚だしい。このような後漢だったので、乱れも早かったようだ。幼帝と皇后・皇太后の一族、そして宦官たちの跋扈の時代は醜い繰り返しの歴史だ。董卓・呂布、袁紹、曹操らが登場し、いよいよ三国志のクライマックスへ向かう。

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    2017年12月05日
  • 小説十八史略(二)

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     漢と楚の劉邦と項羽の戦いに始まり、漢成立後の劉邦の変貌、そして呂太后による悪事の数々。それが庶民レベルには平和な国だったというので、まるで現代を見るような感じである。そして呂太后以後も、文帝の皇后、長女。そして景帝の長女などと女性が権勢を誇る女性優位の時代だったとの歴史に吃驚しながら、惹き込まれる読書となった。文帝の竇(とう)皇后は宮城谷の「花の歳月」のヒロイン猗房。太皇太后として権力を揮ったとは小説とのイメージギャップに戸惑った。武帝の時代は衛士夫皇后の弟・衛青、そして次巻に登場する甥・霍去病たちが武将として大活躍した時代!不運の名将・李広との対比が一方には気の毒ながら、可笑しい。

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    2017年12月02日
  • 小説十八史略(一)

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    夏を伝説の国とし、殷の紂王の時代から始まる。この当時はそう考えられていたからやむを得ないか。悪女の第1号、妲己を周の周公旦が育てた!本当!そうであれば稀代の悪女も悲劇の運命。それにしても美女(概して悪女)のオンパレードは凄まじい。ほうじ、夏姫、驪姫、始皇帝の母…。それだけ傾国美女が多いとのことだろう。西施は范蠡が育て、後年は范蠡とともに過ごした!これも驚いたが、実は呉越の話は史記や春秋左伝のような正史には登場せず、呉越春秋などの野史にしか登場しないため、実在人物かどうか不明という。第1巻では秦の始皇帝の全盛時代で終わる。始皇帝がなぜ趙の都邯鄲で生まれ、秦王家とは血の繋がりがないのに、秦王・子楚

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    2017年12月02日
  • 小説十八史略(四)

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    魏蜀呉の三国志から五胡十六国までの歴史である。

    三国志は横山光輝のマンガを読んでからだとわかりやすい。
    と同時に本書とマンガで若干の違いがある。
    歴史は複数の文献を参照した方が良いということに実感できる。

    五胡十六国は高校時代の世界史の授業でも混乱したが、やっぱり複雑。。。
    同時期にいろいろな国が乱立し、各々が独立的ではなく複合的に建国しては滅亡しの繰り返し。

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    2017年10月30日
  • レジェンド歴史時代小説 琉球の風 上

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    先日所要で沖縄に行ったで、きょうみを持ちました。

    沖縄関連の小説というと『テンペスト』を読んだことが有るんですが、これはそれよりも時代を遡っていますね。でも、『テンペスト』のときに、沖縄王府の政府高官の役職名を目にしていたので、なんか懐かしく感じました。同じく沖縄を描いた作品には『琉球処分』があるんですが、この作品や『テンペスト』とは全然違いますね。

    まだ上巻が終わったばかり。下巻でどうなるのか?って言うか、歴史的には出来事は決まっているんですけどね。

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    2016年12月11日
  • 小説十八史略(一)

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    中国の古代史が理解できる本。
    ややスピードが速く感じるものの、大まかな流れは楽しみながらわかります◎
    中国史に興味がある方は是非読んで欲しい小説です。

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    2016年06月11日
  • 対談 中国を考える

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    中国に造詣の深い二人の対談。昔からの友人だけあって、口調も親しみやすい。それにしても彼らのような知識を持って現地に出かけたら、どれだけ楽しいことか。「牛耳る」の言われも面白かった。2016.5.12

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    2016年05月12日
  • 諸葛孔明(上)

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    20151031 吉川三国志の興奮は無いがその分現実的なきがする。赤壁の戦いはクライマックスだったと思うがあっさりと始まってしまい少しかわされたような気分になった。

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    2015年10月31日