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絶筆となった評論エッセイ「天空の詩人 李白」と、作家として忙しい日々を過ごしていた頃のほぼ未発表の詩集「澄懐集」を合わせ、漢詩という切り口で作家・陳舜臣を再発見できる一冊です。
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Posted by ブクログ
漢詩の世界に少し浸ろうと手にした陳舜臣氏の本。詩仙と謳われる李白の、詩を取り上げ解説をしつつ、その李白の人物像に迫ろうとしている。 そこに司馬遷「太史公自序」の一節をあげている。 「西伯(周文王)は羐久にとらわれて『周易』を演べ、孔子は陳・さいに厄して『春秋』を作り、屈原は放逐されて『離騒』を...続きを読む著わし、左丘明は失明して『国語』を残した。孫子は脚切りの刑をうけて兵法を論じ、呂不韋は蜀に遷されて世に『呂覧(呂氏春秋)』を伝えた。韓非は秦に囚われて『説難』『孤憤』あり。詩三百篇は大抵賢聖の発憤為作するところなり。これ人皆意に鬱結するところありて、その道を通ずるを得ず、故に往時を述べて、来者を思うなり。」 つまるところ、詩仙である李白にとっても、鬱結したる心が、本になっているところがあるのであり、それはいくら宮中で僅かながらも玄宗皇帝に仕えて、名声を得ても、いやだからこそ、その孤独さは増していくのであろう。 また李白の詩に対して、その俯瞰性を指摘し、天空の詩人と捉えている陳舜臣氏は見事である。
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天空の詩人 李白
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陳舜臣
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