あらすじ
歴史の要点は、政権(王朝)の興亡にある。どのような人物が王朝をたて、どう政治をしたか。有徳と暴虐の交替、文化の差が政権を変える有様を、明快平易に語る史書。三皇五帝の神話時代から、祭政一致の神意国家、地方分権の封建制社会、秦の始皇帝による天下統一。再びの動乱、隋による再統一まで。<上下巻>
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Posted by ブクログ
中国を舞台にした歴史小説を数多く執筆している著者が、古代から現代にいたるまでの中国史を解説している本です。上巻では、隋による天下の統一までがあつかわれています。
北魏の孝文帝について触れている箇所では、「権勢の争奪に明け暮れている歴史を読み、まれに理想主義の躍動を発見したときは、こちらの胸も躍るおもいがします」と述べており、良くも悪くも人間のなしうることをかき集めたようなエピソードが満載の中国史ですが、このような一幕に触れると気持ちのやすらぎをおぼえるような気分になります。
著者は本シリーズ以外に、おなじく講談社文庫から「中国の歴史」シリーズおよび「中国の歴史 近・現代編」シリーズを刊行していますが、本シリーズはよりコンパクトなかたちで中国史の全体像を概観しています。ただ、長い歴史と広大な空間を含む中国史を文庫二冊のスペースで叙述しているために、説明が圧縮されてしまっているように感じるところもあります。とくに王朝交代のめまぐるしい時期は、混乱してしまいます。
Posted by ブクログ
タイトルどおり、中国5千年の流れを概観するという、壮大なスケールの書物。これは、筆力がないとできないことです。中国史を勉強するときに参考書にしたらかなり厚みをもって理解できると思います。私は、歴代王朝名と主要人物を暗記することでいっぱいいっぱいだったから、「そういうことだったんだー」「この人の名前は聞いたことあるぞ」と、面白かったです。