陳舜臣のレビュー一覧

  • レジェンド歴史時代小説 琉球の風 上下合本版

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    琉球の人々のしたたかさ

    欧州、大国明、強国島津、将軍家徳川の狭間にあって生き抜く道を模索していく琉球の人々を克明に描いている。一言で言えば貿易立国のDNAの物語だ。戦国時代の終わりを迎えていた当時の日本は勝つか負けるか、生か死かの精神にまみれておりまったく違う国家だった。多様化の時代、学ぶべきことの多い読書だった。

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    2024年10月11日
  • 小説十八史略(一)

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    ネタバレ

    もう2周読んだ。本当に興味深い話ばかり。どうやって極秘の会話を記録することができたのか、どうして王の好みの女性に育て上げることが可能だったのか、実際に見てみたいと思った。
    特に面白かったのは、徐福が秦の始皇帝に嘘を言ってお金を巻き上げ、秦の財力を徐々に削いでいく場面だ。厳しかった始皇帝を恐れることなく、自身の財産を獲得していく徐福の芯の強さに憧れてしまったほどだ。
    優秀な宰相が予想を見事に的中させたり、逆に味方に裏切られたり、有頂天になり堕落していったりと、人物の細かな心情まで読み取れる。
    全6巻読破したい。

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    2023年02月09日
  • 中国の歴史(一)

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    内容は難しいところがなくとても読みやすく、そしてとても面白い。中国史に興味はあるもののその壮大さに何度か挫折したことのある私でもこの本は夢中になって読むことができた。巻末には古代の遺跡や都の名前に現在の省も記入された地図があり、本で登場する国の位置関係を地図と照らし合わせながら読むことができ、歴史を地理の面からも学ぶことができる。少し古い本ではあるので最新の歴史がアップデートされていない部分はあるだろうが、中国史を通史で学びたいと思う人にはぴったりの本。

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    2022年05月05日
  • 小説十八史略(三)

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    時代は漢から三国志の時代へ。
    語り口としては、日本の昔語で、牛若丸や弁慶の話をしたり、戦国武将の話をしたりするのに似ているように感じる。
    正確なことを伝えるわけではないが、巷間に伝わるエピソードを楽しむことができる。

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    2022年03月08日
  • 小説十八史略(二)

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    時代は秦から漢へ。数々の有名武将や古事成語、漢詩に漢文を学習した学生時代を思い出す。
    ワクワク感や中国の広さを感じさせる。

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    2022年02月08日
  • 小説十八史略(一)

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    漢文で読む十八史略を、小説で読むことができる。しかも蘊蓄もついており、興味が尽きない。筆者独自の解釈などはあらかじめ断った上でこうではないかと書かれており、親切である。
    神話時代の殷以前から少し触れられており、面白い。始皇帝までがこの間で描かれている。
    高校生ごろこの本を読んだのを改めて読み返してみる。印象的な話が多かったせいか、結構覚えていたが、それでも面白い。

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    2022年01月16日
  • 小説十八史略(四)

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    三国の成立から晋、混乱の時代を経て隋による統一まで。
    三国志のその後が、こんなにグズグズだったとは。平和な世の中がいかにありがたいことか身に沁みる。

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    2021年08月15日
  • 小説十八史略(三)

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    漢の繁栄、前漢から後漢、漢朝の没落と黄巾の乱から有名な三国志の物語へ。
    三国志の物語にもそれ以前の国政の状況が前提にあり、歴史上の逸話などもつながりが理解できた。うれしい。

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    2021年08月15日
  • 小説十八史略(二)

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    立身出世物語として「項羽と劉邦」の部分はやはり面白い。王権の成立とその後の権力争いによる対立と衰退が繰り返される様に飽きが生じるかもしれないが、好きなところから読めば良いと思う。
    巨大帝国の盛衰の歴史という視点では「ローマ人の物語」に通じるところがある。

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    2021年08月15日
  • 小説十八史略(一)

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    中国の歴史を概観する。こういう小説を日本語で気軽に手にできることの幸せを感じる。著名な故事が記載されており、他の歴史小説に触れる際にも大きな助けとなる。また、中国の故事が日本の文化の根底にも大きく影響していることがよくわかる。
    なにより、面白い。

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    2021年08月15日
  • 小説十八史略(四)

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     吉川英治の三国志などは劉備の徳を強調しすぎて彼に魅力を感じず、なんで関羽がこんな奴について行くんだと思いながら読んでいた。しかし陳舜臣の描く劉備は、諸葛亮と出会うまで関羽、張飛、趙雲ら戦しかできない武人たちをまとめて、一人で戦略を立て、乱世をしぶとく生き抜いてきた英雄という感じがした。徳とか宗室の末裔とかを前面に出すより、大将としての劉備をしっかり書いた方が面白くなると思う。

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    2021年02月11日
  • 新装版 阿片戦争 (三)

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    単なる歴史書でもなく、大いに創作がくみこまれているのだが、これこそが歴史小説というような圧倒的パワーをもって読者をひきつける物語展開は素晴らしい。

    複数の登場人物の視点を巧みに組み合わせたり、話したりしながら総合的な歴史のうねりのようなものを実感できる。

    単に林則徐の世界というわけでも、英国側の事情というわけでもなく、複雑に絡み合った世界を立体的に構成するのだ。

    そこで大きな役割を果たすのが脇で物語を進める脇役たちである。歴史上に登場しない人物も巧みに語らせ、庶民の立場、わいろを要求する立場の人間の所作が物語に拡がりをもたせているのだ。

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    2019年09月02日
  • 秘本三国志(五)

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    三国志は好きでいろいろと読んできました。それぞれ誰を主人公にするかで作風が変わってきましたが、今回は道教・仏教の指導者の立場の人の立場で、悪役とかではなく中立に書かれていることで、三者の人物像が少しはわかったような気がします。

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    2018年11月21日
  • 小説十八史略(一)

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    中国の歴史に興味が湧いて最初はこれが良いという意見を参考に全巻まとめ買いしましたがわかりやすいしとても面白かった…!

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    2018年08月23日
  • 諸葛孔明(下)

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    諸葛孔明に憧れたのは昔の事。調べるほどに、等身大の彼が分からなくなり、次第に誇大化された偶像のようにも思えてくるから不思議だ。陳舜臣自らが巻末に記すように、誇大化するでもなく、矮小化するでもなく、丹念に史料を吟味することで捉えた、等身大に近い諸葛孔明がここにいる。彼を知るには、必読の書である。

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    2018年06月16日
  • 諸葛孔明(上)

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    三国志は読んだのだが、冊数多く、再び読むには体力が要るので中々腰を上げにくい。それが為に、物語の大筋や主要な登場人物は覚えていても、細かな部分は月日と共に抜け落ちていく。どんなに興奮して読んでも、それは残念ながら自然の摂理で仕方のない事だ。だからこそ、こうしたスピンオフのような著作が有難い。しかも諸葛孔明、陳舜臣。固い感じだが、口語体のタッチで読み易い。劉備と出会う前の諸葛家のストーリーが読める点では、三国志よりも詳しい。上巻は赤壁の戦いの途中まで。続きが楽しみだ。

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    2018年04月16日
  • 小説十八史略(一)

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    三国志に興味を持ったら次はこれ!教科書の中では単なる固有名詞だった煬帝や趙匡胤が命を吹き込まれ生き生きと登場する。

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    2017年04月28日
  • 中国の歴史(一)

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    こんなに近くの国なのに、その歴史をほとんど知らないなと思い読んでみた。五帝紀から15年戦争まで、5千年くらい?の歴史本。そして長い。全七巻のすべてが500ページを超える大作で、週末のみの読書では読み終えるのに2か月掛かった。また、あとがきにも書いてあるが、阿片戦争以降がやや駆け足に書かれている。ちょっと物足りないなと思っていたら、中国の歴史 近・現代篇なるものがあるらしい。しかも全10巻とか。いつか読んでみようかなぁ。。。

    追補 あとがきを読んで近・現代篇が全10巻と書いたけれど講談社版で全2巻らしい。どういう感じなのだろう。尽きることのないような資料を読み込んで、咀嚼と反芻を繰り返して自分

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    2016年12月04日
  • 小説十八史略(一)

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    陳舜臣『小説十八史略』(全6巻)読み上げました。
    史書など18の歴史書を子供用にひとまとめにしたもので、
    これは最高に面白かった。

    夏王朝から宋までの約3000年余りの中国の国家興亡の様子を概観したものです。
    皇帝、皇帝の母、皇帝の親族、重臣、宦官、地方豪族、西方、北方の諸民族などが
    入り乱れて、領土覇権を争います。
    その中には、親兄弟関係なく、欲望をむき出しにして、
    まさに骨肉の争いが展開されています。
    人間の欲望ってこんなにすごいのか、人ってここまで残忍になれるのか、
    読んでいて本当に考えさせられます。

    でも、このシリーズ最後の巻に、文天祥という武人の話が出てきます。
    漢民族国家の宋と

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    2015年04月02日
  • 諸葛孔明(下)

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    文献を丁寧に手繰り、孔明を神憑った天才としてではなく、悩み過ち奮闘し涙を流す一人の実在した「人」として描いた作品。而もその語り口は決して一般的な歴史小説のように厳しくなくたおやか。実存した孔明の人柄が浮かび出るよう。
    三国志演義で嫌いになった孔明を好きになった。戦記や武談を期待する向きにはそぐわない作品。実に好い作品でした。

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    2013年04月26日