丸谷才一のレビュー一覧

  • ボートの三人男

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    ユーモア小説が読みたくて選んだが、ゆるい展開のお話なのであまり盛り上がりどころがなく、なんとなく読み終わっちゃった。

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    2026年04月21日
  • 今は何時ですか?

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    ネタバレ

    今は何時ですか?

    「今は何時ですか?」、「墨いろの月」、「おしゃべりな幽霊」、「茶色い戦争ありました」の4編の作品集。
    著者生誕百年だそうです。
    竹蔵的には「茶色い戦争ありました」に出てくる、玉音放送がある前に終戦を告げる新聞を売る少女が印象的でしたが、他はあまりピンとこなかったです。特に表題作は何が面白いのかさっぱりわからなかった・・・
    今は、コンプライアンスとかうるさいので、現代の作家があまり書けない(書かない?)ようなエピソードもあり、昔を懐かしむには良いのかもしれません。

    竹蔵

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    2026年04月01日
  • 女ざかり

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    ネタバレ

    がんを看取りたい、看病してくれるとの申し出を受け入れようと決意したわけですが、往生際の悪さを描きつつだったので、その後の行く末が気になりました。

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    2025年05月20日
  • 横しぐれ

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    ▼それこそ十代からの長い歳月で、丸谷才一さんの「一般向けの小説本」は多分あらかた読んでしまいました。相手がお亡くなりになっているから、そりゃいつかそういうことになります。
     恐らくこの本が最後の一冊だったのでは・・・・そういう感慨がありました(笑)。


    ▼収録は以下

    ・横しぐれ
    ・だらだら坂
    ・中年
    ・初旅

    ▼「横しぐれ」
    執筆当時の現代劇で、私小説風、ですね。
    国文学者の中年男が主人公で、
    <自分の父が戦前に道後で飲みかわした坊主というのは、山頭火ではなかろうか>
    というミステリーに挑みます。
    これはもう、語り口で載せていく不思議な日常ミステリー。
    圧巻の筆力です。ただまあ、好みによっては面白くないでしょうが。
    北村薫さんや米澤穂信さんに繋がる水脈はここにあるんぢゃないかと思いました。

    ▼「だらだら坂」
    執筆当時の現代劇かと。
    サラリーマンの初老の男性が回想する。
    戦後直後の時代に、普通に堅気の学生が、ひょんなことから道元坂あたりで不良にからまれた。
    で、相手をぶちのめした。
    相手は死んだかもしれない。確かめていないけれど。

    ・・・・というだけの話をこれまた面白く読ませます。
    ぎらっとした暴力の匂いがします。

    ▼「中年」
    新聞記者、それも映画エンタメ系の記者。中年の男性。
    この主人公が、若手俳優の恋愛結婚相談に乗ったりしている。
    そんな一見コミカルな日常の中の、欺瞞や、ミソジニーや、嘘みたいなものを読ませます。

    ▼「初旅」
    これはあまり印象に残らなかった・・・・
    たしか何か不条理系の・・・
    タイムスリップか何かの現象に、盛岡に人探しに来た少年の話がからんで・・・
    そして何か曖昧に終わったような。。。

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    2025年04月08日
  • 犬だつて散歩する

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    「コアラ」が白眉だね
     博学エッセー集。ただし、読者層は謎だ。
     阿部定について、またぞろ書いてゐて、ほんとうに丸谷ってひとは陰茎切り取り事件が好きなんだらうとなかば呆れた。そして相変らずの吉行淳之介である。

     白眉は、珍獣エッセー「コアラ」だ。
     長篇『たった一人の反乱』のときに、ファッション雑誌のカメラマンとそのモデルのオーストラリア撮影に同行したとある。何を隠さう『たった一人の反乱』の主人公の妻は水商売の女なのだ。これは『たった一人の反乱』の取材旅行であり、丸谷の小説の女性観が水商売の女ばかりといふ傍證にもなるだが、いちばん面白いのはコアラのうんちくと丸谷の反応です。

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    2025年03月30日
  • 後鳥羽院 第二版

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    筑摩書房 日本詩人選
    丸谷才一 後鳥羽院

    新古今和歌集を中心として、後鳥羽院の歌を解説した本。古典主義的な歌を想像していたが政治色が強く、「承久の乱は、文芸の問題を武力によって解決する試みだった」という著者の見解に驚いた



    後鳥羽院と藤原定家の違いを「後鳥羽院は最後の古代詩人となることによって近代を超え、定家は最初の近代詩人となることによって中世を探していた」としたことは とてもわかりやすい


    著者が、和歌史上最高の作品としたのは、百人一首「人もをし 人もうらめし あぢきなく 世をおもふ故に もの思う身は」でなく


    「見渡せば 山もと霞む みなせ川 夕べは秋と何思ひけん」上句と下句の衝突と調和を見出している


    個人的には「鶯(うぐいす)のなけども いまだふる雪に 杉の葉しろき あふさかのやま」が 色彩豊かで わかりやすい


    「我こそは 新じま守よ 沖の海のあらき浪かぜ心してふけ」も島流しに負けないメンタルを感じる



    風雅和歌集
    あはれ昔いかなる野辺の草葉よりかかる秋風ふきはじめん
    *古代への思慕〜天地のはじめから現在までの厖大な時間を三十一音に封じ込める


    新古今和歌集 春歌
    ほのぼのと春こそ空にきにけらし天のかぐ山霞たなびく
    *「ほのぼのと」は「春こそ空にきにけらし」「霞たなびく」の双方にかかる

    新古今和歌集 春歌
    さくら咲く とほ山 どりの しだり尾のながながし日も あかぬ色かな
    *めでたい言葉「さくら」「とほ山」「しだり尾」「ながながし」「あかね」を続けた挨拶の歌の傑作



    新古今和歌集 春歌
    みよしのの 高ねの桜ちりにけり 嵐もしろき 春のあけぼの
    *風に散る桜の花=日本人の美意識の基本
    *春の夜明けの眺めは後鳥羽院の生涯の主題


    新古今和歌集 秋歌
    野はらより 露のゆかりを尋ねきて わが衣手に秋風ぞ吹く
    *「野原」が冒頭にくる破天荒さ
    *香をたきこめた袖に野の風がまつわる〜遠い野原から訪れる風は速い
    *一句の俗が 「露のゆかり」「わが衣手」の雅と衝突


    新古今和歌集 哀傷歌
    思ひいづるをりたく柴の夕けぶりむせぶもうれし忘れがたみに


    新古今和歌集 
    みるままに山かぜあらく しぐるめり都もいまや夜さむなるらん
    *熊野詣りの旅の心
    *都の人=広く都の人、後宮の女性









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    2023年05月06日
  • たった一人の反乱

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    馬淵英介(主人公)のスノッブな思考に珍しいもの見たさの覗き見趣味を刺激される。日本型学歴階級社会エリートの、うちに秘める異常な優越感と貴種意識に違和感と嫌悪を感じながらも、引き込まれる自分自身の俗物性を痛感しながら、むず痒く複雑な感覚で読めた。
    ストーリーがユニークで内省語りの多い軽やかなハイテンポの読み物である。「たった一人の反乱」という題名への疑問はいろいろ考えさせられながらも、解決することなくそのまま最後まで続く。

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    2022年10月12日
  • 横しぐれ

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    旧仮名遣いだが、文章は流麗。
    一文が長めで、よく連想から過去の話に移るので、時系列が把握しづらくなる。

    父親と高校時代の国語教師が四国旅行時に出会った坊さんの正体を探る「横しぐれ」、記憶喪失になった少年と従兄弟を探しに盛岡へ行く主人公が交互に描かれる「初旅」が面白い。

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    2022年05月02日
  • ボートの三人男

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    ゆったりしながら読むのがちょうど良さそうな本。
    小話がいっぱい詰まってる。そして、可笑しい。
    おいこら、前と言ってることと違うぞと思ったり、間抜けだなと思ったり。
    1番チーズの話がくだらなくてお気に入り。

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    2021年05月05日
  • 犬だつて散歩する

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    昭和60年(1985)の出版なので、ずいぶんと古い。まあ面白いんだけど、どうでもいいことが多いね。著者がコアラを抱きたかったなんてことや、アメリカのジョンソン大統領が電動ハミガキを人に贈るのが好きだったなんて(その理由もせこい)、はあそうですかてなもんです。それにしても、またまた阿部定の話題を書いているけど、よっぽど好きなんだねえ。吉田茂や吉田健一、ホームズも好きなようです。長大なポルノ漢詩を紹介しているけど、エロいことも大好き。

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    2020年09月21日
  • ボートの三人男

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    コロナで自粛のような、ちょっとだるい休暇に読むとちょうどいい本。
    かわいい笑いであふれていて、なごむ。

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    2020年05月13日
  • 闊歩する漱石

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    ネタバレ

    夏目漱石の『坊っちゃん』『三四郎』『吾輩は猫である』を独自の視点で紐解く一冊。

    他作家の作品の引用や、文学史の話になると知らないことだらけで、これをすべて勉強するには時間が足りないと焦る気持ちになる。
    でも何も硬くなることはない。縛られずに自分で想像してみることの楽しさを教えられた。
    本は自由を与えてくれる存在なのだ。

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    2020年02月29日
  • 年の残り

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    六十九歳の病院長が、患者の少年との関係から回想する若き日々の情景――老い病い死という人生不可知の世界を巧みに結実させた芥川賞受賞作「年の残り」「川のない街で」「男ざかり」「思想と無思想の間」の四篇収録人生のひだを感じさせる六〇年代の作品。

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    2019年07月17日
  • 忠臣藏とは何か

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    赤穂浪士たちの討ち入りのときの衣装が火事装束だったことに注目するところから議論を説き起こし、彼らの行動の背景に『曾我物語』からの影響があったことを指摘しています。

    ただし、『忠臣蔵』が御霊信仰を動機としているという本書の主張に対しては、諏訪春雄による厳しい批判が提出されています。また小谷野敦も、本書の議論の杜撰さをくり返し指摘しています。

    そうした実証的なレヴェルでの問題はさておき、赤穂事件をもとにして『仮名手本忠臣蔵』が成立したという、歴史的事実と物語の関係を逆転させる著者の構想は、演劇的人間観にもとづいているといえそうです。本書の後半で『忠臣蔵』のカーニヴァル的な性格についての議論を展開していることも、こうした推測の根拠になりうるように思います。

    このように考えると、蓮實重彦が『小説から遠く離れて』(河出文庫)のなかで、著者の『裏声で歌へ君が代』のもつ物語の構造に対して批判的な検討をおこなっていたことが思い出されます。本書でえがかれているのは、歴史が物語となったのではなく、物語が歴史となったということであり、ひとはあらかじめ物語の内に囲い込まれてしまっているという人間観が『忠臣蔵』にそくして論じられているということができるからです。その意味では、本書を導入として著者の根本的な文学観ないし人間観へと考察を進めていくことが可能ではないかという気がしています。

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    2019年05月17日
  • 年の残り

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    丸谷才一の二冊目の本。こちらは中短編集。
    「たったひとりの反乱」はそうでもなかったが、こちらはより丸谷色の強い作品なのだろう。
    地の文と会話文が混然一体となっている。
    また、現在と回想とが自在に入り乱れる。
    確かに人間の実際の思考はこうなのかもしれないけど、読みにくいと感じる面も否めない。

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    2019年02月04日
  • たった一人の反乱

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    丸谷才一というと、旧仮名遣い、ジョイス、博識というイメージ。
    エッセイは読んだことがあっただけ。

    本作は、まず思ったのは、芝居にしたら面白そう、ということ。
    みなキャラが立っているからか。
    ただ、どの登場人物も表と裏を持つものばかり。
    時々立ち止まって、自分の来し方行く末を思う。
    そして、唐突に動き出す。
    そこには理由・背景はいらないのだ。

    とはいえ、600ページは長いな。。

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    2019年02月04日
  • ボートの三人男

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    昔、新聞か雑誌の書評で推薦されていた。いつか読もうと、はじめは、workpad にメモしていて、やがて携帯電話にメモして、iphone にメモして、evernote にメモして、何年ごしかで、やっと先日書店で買った。読んでみて、たしかにユーモア小説としてよくできていると思ったが、俺には必要ないと判断した。第4章で読むのをやめる。""

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    2018年11月06日
  • 女ざかり

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    ※弓子のコラムが何故水子供養批判になるのかよくわからない。住んでる世界が小説と違いすぎてるからか、いまひとつリアリティが感じられなかった。

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    2018年11月04日
  • ボートの三人男

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    解説にこの本はテムズ川の歴史と地理を紹介する目的で書かれたもので、ハナからユーモア小説を目指して書かれたものではないとあった。そのためイギリスの地理・歴史に明るくないとよくわからない。ユーモアの部分は面白い。東海道中膝栗毛に似ている。でも膝栗毛は下ネタがかなり多いけどこっちは下ネタが全くない。

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    2018年06月22日
  • 松尾芭蕉 おくのほそ道/与謝蕪村/小林一茶/とくとく歌仙

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    今回は俳句。
    松尾芭蕉・与謝蕪村・小林一茶
    芭蕉の奥の細道の句を初めて全部読みました。
    小林一茶の句がわかりやすく面白い
    露の世は露の世ながらさりながら

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    2017年11月22日