丸谷才一のレビュー一覧

  • ボートの三人男

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    コロナで自粛のような、ちょっとだるい休暇に読むとちょうどいい本。
    かわいい笑いであふれていて、なごむ。

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    2020年05月13日
  • 闊歩する漱石

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    ネタバレ

    夏目漱石の『坊っちゃん』『三四郎』『吾輩は猫である』を独自の視点で紐解く一冊。

    他作家の作品の引用や、文学史の話になると知らないことだらけで、これをすべて勉強するには時間が足りないと焦る気持ちになる。
    でも何も硬くなることはない。縛られずに自分で想像してみることの楽しさを教えられた。
    本は自由を与えてくれる存在なのだ。

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    2020年02月29日
  • 年の残り

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    六十九歳の病院長が、患者の少年との関係から回想する若き日々の情景――老い病い死という人生不可知の世界を巧みに結実させた芥川賞受賞作「年の残り」「川のない街で」「男ざかり」「思想と無思想の間」の四篇収録人生のひだを感じさせる六〇年代の作品。

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    2019年07月17日
  • 忠臣藏とは何か

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    赤穂浪士たちの討ち入りのときの衣装が火事装束だったことに注目するところから議論を説き起こし、彼らの行動の背景に『曾我物語』からの影響があったことを指摘しています。

    ただし、『忠臣蔵』が御霊信仰を動機としているという本書の主張に対しては、諏訪春雄による厳しい批判が提出されています。また小谷野敦も、本書の議論の杜撰さをくり返し指摘しています。

    そうした実証的なレヴェルでの問題はさておき、赤穂事件をもとにして『仮名手本忠臣蔵』が成立したという、歴史的事実と物語の関係を逆転させる著者の構想は、演劇的人間観にもとづいているといえそうです。本書の後半で『忠臣蔵』のカーニヴァル的な性格についての議論を展

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    2019年05月17日
  • 年の残り

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    丸谷才一の二冊目の本。こちらは中短編集。
    「たったひとりの反乱」はそうでもなかったが、こちらはより丸谷色の強い作品なのだろう。
    地の文と会話文が混然一体となっている。
    また、現在と回想とが自在に入り乱れる。
    確かに人間の実際の思考はこうなのかもしれないけど、読みにくいと感じる面も否めない。

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    2019年02月04日
  • たった一人の反乱

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    丸谷才一というと、旧仮名遣い、ジョイス、博識というイメージ。
    エッセイは読んだことがあっただけ。

    本作は、まず思ったのは、芝居にしたら面白そう、ということ。
    みなキャラが立っているからか。
    ただ、どの登場人物も表と裏を持つものばかり。
    時々立ち止まって、自分の来し方行く末を思う。
    そして、唐突に動き出す。
    そこには理由・背景はいらないのだ。

    とはいえ、600ページは長いな。。

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    2019年02月04日
  • ボートの三人男

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    昔、新聞か雑誌の書評で推薦されていた。いつか読もうと、はじめは、workpad にメモしていて、やがて携帯電話にメモして、iphone にメモして、evernote にメモして、何年ごしかで、やっと先日書店で買った。読んでみて、たしかにユーモア小説としてよくできていると思ったが、俺には必要ないと判断した。第4章で読むのをやめる。""

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    2018年11月06日
  • 女ざかり

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    ※弓子のコラムが何故水子供養批判になるのかよくわからない。住んでる世界が小説と違いすぎてるからか、いまひとつリアリティが感じられなかった。

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    2018年11月04日
  • ボートの三人男

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    解説にこの本はテムズ川の歴史と地理を紹介する目的で書かれたもので、ハナからユーモア小説を目指して書かれたものではないとあった。そのためイギリスの地理・歴史に明るくないとよくわからない。ユーモアの部分は面白い。東海道中膝栗毛に似ている。でも膝栗毛は下ネタがかなり多いけどこっちは下ネタが全くない。

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    2018年06月22日
  • 松尾芭蕉 おくのほそ道/与謝蕪村/小林一茶/とくとく歌仙

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    今回は俳句。
    松尾芭蕉・与謝蕪村・小林一茶
    芭蕉の奥の細道の句を初めて全部読みました。
    小林一茶の句がわかりやすく面白い
    露の世は露の世ながらさりながら

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    2017年11月22日
  • ボートの三人男

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    「話がわきにそれる」というけれど、これはそのわき道寄り道を楽しむ本、かな。
    行き先を決め、計画を立て、荷物を選んで詰めて、とここまでだけでもすったもんだどったんばったん、ああでもないこうでもないとひと悶着!
    ミョ~なプライドと屁理屈いいわけを共にした3人の紳士(?)と1匹の舟旅。
    舟を曳く場面やイギリスの地理や歴史などもうちょっと知っていればと思うところもあって、そのあたり自分自身に対して少々残念。

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    2016年07月18日
  • 口訳万葉集/百人一首/新々百人一首

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    折口信夫の「万葉集」と小池昌代訳の「百人一首」
    はどちらも、少し難解というか、その良さがすべて理解
    できたわけではありませんが豪華な内容だったと
    思います。万葉集や百人一首をここまで深く読んだ
    ことは初めてかと思います。
    百人一首は、昔覚えた記憶があるのですが、割と
    忘れているもので、半分以下しか覚えていません。
    でも、かけ言葉や謎、背景、意味がここまで
    詳しく読めたのは初めてかもしれません。
    『新々百人一首』は中にはいい句もあるのでしょうが
    個人的に丸谷氏の旧態のかなづかいがどうしても
    気持ち悪くて、読む気になりません。
    なんで旧かなづかいをわざわざする必要があるので
    しょうか???
    現代の

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    2015年12月01日
  • 快楽としての読書 日本篇

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    日本小説の書評本かと思ったが、小説にはとどまらず和歌の世界にも、辞書の世界にも踏み込んだ論評。いくら本好きでもこの作者に敵う人はいないのではないか。

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    2015年01月29日
  • ボートの三人男

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    英国ユーモア小説の古典。

    いろいろオマージュ作品もあるようで、本作品の副題がタイトルの
    『犬は勘定に入れません』(コニー・ウィリス)も是非読んでみたい。
    ・・・実はチラッと最初だけ読んだけど入りがほぼ同じだった。

    ちなみに各章の目次的あらすじ的キーワードの羅列は、
    既読の『エーミールと探偵たち』にもそのオマージュを見た(と思う)。
    ↑やっぱり違った(笑)。なんだったかな…
    ↑判明!『飛ぶ教室』だった!やっぱりケストナーだったかー。


    内容については機知に富んだ場面がいくつかあって参考になった(何の?)。
    展開に派手さはないけど、ほぼ全編に渡って脱線しまくり(笑)。
    そしてスト

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    2013年12月05日
  • 快楽としてのミステリー

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    全般的に紹介されている本がちょっと古い感じかな?
    中途半端に読んだことのある時代の作品なので、ある程度内容のわかる本が多いんだけれど、なにせ、文語体なのでもっとクラシカルな本を紹介されてるのでは、と勘違いしそうな。(^^;
    読書案内的にはちょっと入手が難しそうな本が多いのが難点ですかね。

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    2013年10月05日
  • 恋と日本文学と本居宣長・女の救はれ

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    中国では恋愛文学が成長せず、日本に成長したのは儒教の影響による、との宣長の主張は興味深い。確かに日本には源氏物語があるが・・・。唐詩選の465首の中で、恋人を思う歌は2首とは、日本の万葉・古今・新古今と比べても驚く状況。某氏が「歌は我が国の風習だが、恋歌が非常に多く、まことに淫ら。恋歌でなくとも花鳥風月などの軽薄なことが多く、世の役に立たぬ無益」との言葉に対し、宣長が「歌の風雅な趣を知らない、頑固な考え。・・・道徳論にこだわってはいけない」という反論は見事との紹介。しかし、筆者が宣長の歌の下手さは尋常ではないという説明は実に可笑しい。「女の救はれ」は実は建礼門院は義経と通じ、「薄幸の妃」とは異

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    2013年08月15日
  • 輝く日の宮

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    ネタバレ

    読み終わったとたんああ、とため息をついて目を上げたくなる、そんな本だった。先へ先へと読まされてしまった感じ。

    安佐子は紫式部そのものなのだなあと。男性視点からの理想化もだいぶまじっている気がするけれど。最後に佐久良と話していてとつぜん千年前の情景が「おりてきた」シーンは美しくて恍惚とする。
    安佐子という一人の女性の現実的な苦悩も織り交ぜながらも、めまぐるしく移り変わる場面の一つ一つが黄金色に霞む王朝文化の情景と重なり合って、雅やかな「物語めいた物語」がそこにある、というふうに感じました。

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    2013年07月13日
  • ボートの三人男

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    あとがきを読んでからスタートすればよかったなぁと。
    勿体ないのでまた時間が在るときに地図片手にゆったり読みなおしてみたいです。

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    2013年03月29日
  • ボートの三人男

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    三人の英国紳士が10日間、ボートでテムズ河を旅する、ただそれだけの話ですが、それぞれのエピソードが声に出して笑ってしまう程面白い。実話に近いみたいです。
    面白い話の合間にふと登場する真面目で哲学的な話も印象的。
    ただ、テムズ河ほとりの歴史や地理が私にはちょっととっつきにくい箇所がありました(途中まさかと思ったけどこの本はそもそもは旅行案内書になるはずだったとか)。
    でもユーモア小説として今も世界中で愛読されているのは納得。本書の井上ひさしさんの解説も良かった。訳者の功績もあるのでしょう。
    三人三様に自分勝手な彼ら、あと、モンモランシー(フォックステリア)の活躍もお忘れなく。

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    2013年03月10日
  • 女ざかり

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    何で言葉が古いんだろう。時代背景と合ってないので気になる。

    けれども途中からそれは殆ど気にならなくなり、時に引き込まれ、でも所々余計と思えてしまう話も多く、つまらなくもないけど、もう一度読みたいとも思わない。

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    2013年03月03日