丸谷才一のレビュー一覧
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▼それこそ十代からの長い歳月で、丸谷才一さんの「一般向けの小説本」は多分あらかた読んでしまいました。相手がお亡くなりになっているから、そりゃいつかそういうことになります。
恐らくこの本が最後の一冊だったのでは・・・・そういう感慨がありました(笑)。
▼収録は以下
・横しぐれ
・だらだら坂
・中年
・初旅
▼「横しぐれ」
執筆当時の現代劇で、私小説風、ですね。
国文学者の中年男が主人公で、
<自分の父が戦前に道後で飲みかわした坊主というのは、山頭火ではなかろうか>
というミステリーに挑みます。
これはもう、語り口で載せていく不思議な日常ミステリー。
圧巻の筆力です。ただまあ、好みによっ -
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「コアラ」が白眉だね
博学エッセー集。ただし、読者層は謎だ。
阿部定について、またぞろ書いてゐて、ほんとうに丸谷ってひとは陰茎切り取り事件が好きなんだらうとなかば呆れた。そして相変らずの吉行淳之介である。
白眉は珍獣エッセー「コアラ」だ。長篇『たった一人の反乱』のときに、ファッション雑誌のカメラマンとそのモデルのオーストラリア撮影に同行したとある。何を隠さう『たった一人の反乱』の主人公の妻は水商売の女なので、これは『たった一人の反乱』の取材旅行であり、丸谷の小説の女性観が水商売の女ばかりといふ傍證にもなるだが、いちばん面白いのはコアラのうんちくと丸谷の反応です。 -
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筑摩書房 日本詩人選
丸谷才一 後鳥羽院
新古今和歌集を中心として、後鳥羽院の歌を解説した本。古典主義的な歌を想像していたが政治色が強く、「承久の乱は、文芸の問題を武力によって解決する試みだった」という著者の見解に驚いた
後鳥羽院と藤原定家の違いを「後鳥羽院は最後の古代詩人となることによって近代を超え、定家は最初の近代詩人となることによって中世を探していた」としたことは とてもわかりやすい
著者が、和歌史上最高の作品としたのは、百人一首「人もをし 人もうらめし あぢきなく 世をおもふ故に もの思う身は」でなく
「見渡せば 山もと霞む みなせ川 夕べは秋と何思ひけん」上句と -
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赤穂浪士たちの討ち入りのときの衣装が火事装束だったことに注目するところから議論を説き起こし、彼らの行動の背景に『曾我物語』からの影響があったことを指摘しています。
ただし、『忠臣蔵』が御霊信仰を動機としているという本書の主張に対しては、諏訪春雄による厳しい批判が提出されています。また小谷野敦も、本書の議論の杜撰さをくり返し指摘しています。
そうした実証的なレヴェルでの問題はさておき、赤穂事件をもとにして『仮名手本忠臣蔵』が成立したという、歴史的事実と物語の関係を逆転させる著者の構想は、演劇的人間観にもとづいているといえそうです。本書の後半で『忠臣蔵』のカーニヴァル的な性格についての議論を展 -
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折口信夫の「万葉集」と小池昌代訳の「百人一首」
はどちらも、少し難解というか、その良さがすべて理解
できたわけではありませんが豪華な内容だったと
思います。万葉集や百人一首をここまで深く読んだ
ことは初めてかと思います。
百人一首は、昔覚えた記憶があるのですが、割と
忘れているもので、半分以下しか覚えていません。
でも、かけ言葉や謎、背景、意味がここまで
詳しく読めたのは初めてかもしれません。
『新々百人一首』は中にはいい句もあるのでしょうが
個人的に丸谷氏の旧態のかなづかいがどうしても
気持ち悪くて、読む気になりません。
なんで旧かなづかいをわざわざする必要があるので
しょうか???
現代の