丸谷才一のレビュー一覧

  • 輝く日の宮

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    昨年他界した丸谷才一のベストセラー。立ち上がりに奇妙な感覚におそわれる。ちょっとした夢物語のような....。
    残念ながら源氏物語を読んだ事がないので、小説にある中身をすべて理解できたわけでない。本書を本当の意味で理解するためには源氏物語や紫式部や、その時代の背景を知っておくと深く楽しめるだろう。
    最後に出て来る表題にある「輝く日の宮」についてもまさにそのことが言える。そういう意味で準備不足な読書でした。
    ただこれまで2冊の丸谷才一の著書を読んで、旧仮名遣いが普通に、普通の速度で読めるようになったのは大収穫です。

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    2013年01月19日
  • 女ざかり

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    自分はあまりなじめない主題だが、丸谷氏の悲報を機に読んでみた。旧かなづかいの文章が何故か読みやすい。ストーリーは一度だけでは理解できないところがある。登場人物も多くて覚えきれない。でも粋な主人公には憧れを持った。

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    2012年12月25日
  • 女ざかり

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    追悼として、丸谷才一を初めて読んだ。筒井康隆絶賛というだけあって、その徹底して理知に勝った小説技法から文章を書く天才ということはよく分かった。しかし、小説としてガツンと面白いかというとそうでもないかな。美人新聞記者の社説が問題となり、最後は総理官邸でクライマックスを迎える、一貫して流れるのは日本の思想の問題、贈与の哲学であるということ・・・テーマとしては大変興味深いが、しゃれていて、コミカルで、技法が詰まった文章を駆使して、通俗小説?大衆小説?中間小説?ぶった中に深遠な思想を書き込むという才気に溺れているだけのやうな気もする。詰まらなくもないがもったいない本。

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    2012年11月16日
  • 女ざかり

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     1993年発刊のベストセラー。架空の全国紙の論説委員を務める主人公が記した社説を巡って、巻き起こる筆禍事件を題材にしている。時代設定はよくわからないけど、93年当時だろうか。裏表紙には「大新聞と政府と女性論説委員の攻防をつぶさに描き」とあるけど、描いているのは、そういったエンタメ一色ではない。確かにユーモアにあふれてるし、主人公の女性は離婚歴がありつつも、歴然としたエリートで。取り巻く人物も味があって楽しい。かといってテーマ性が浅いわけでもなく、「ものの贈与」に込められた日本的文化性の機微を描き出している。作中のクライマックスでは、論説委員の座を守ろうと、親類のつてをたどって時の総理と直談判

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    2012年08月11日
  • たった一人の反乱

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    日本では人の良い小説はいけない,たちの悪い,冷ややかなものの見方や人生への態度が文学者の理想とされる,長編小説というものは成熟した知的な中流階層があって成立する,という朝日新聞の記事を読んでなかったら間違いなく切れてた。読んでる最中は一冊でいいやと思ってたけど,読み終わるとこういうのもありかなと思う,不思議な本。

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    2011年11月09日
  • 輝く日の宮

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    学会とか、学者とか、女とか、色々なことが気になる小説。源氏物語の失われた賞「輝く日の宮」研究だと思って読むと、肩透かしの気分かも。でも、読み終わったら、すごく達成感がありました。

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    2011年03月29日
  • 輝く日の宮

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    旧かなづかいが読みづらかったり、突然シナリオのような記述になったりと、かなり戸惑った。期待していた源氏の話にはなかなかたどりつかないし・・・。
    読むのを止めようと思ったことも何度か。

    でも辛抱して読むうちに、かなづかいにも慣れ、この作品の楽しみ方がわかってきた・・・ような気がする。
    他の著書も読んでみようかな?

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    2010年10月28日
  • ボートの三人男

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    ユーモア小説の古典と云われてる作品が文庫化されてたのですばやく購入。これぞ英国ならではのナンセンス。合わない人はまるきり何がおかしいかわからないと思いますが好きな人はついクスクスと笑ってしまうようなエピソードの連続。ストーリーはほとんどなくどんどん脱線してゆくのと、やや古い作品のためボートはモーターなど無く人力で曳航してたりのギャップがあったりで、花粉症で慢性的な寝不足のためしばしば睡魔に襲われてしまったのは不覚。

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    2010年04月20日
  • 若い芸術家の肖像

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    ●「ぼくは自分が信じていないものに仕えることはしない。それがぼくの家庭だろうと、祖国だろうと、教会だろうと。ぼくはできるだけ自由に、そしてできるだけ全体的に、人生のある様式で、それとも芸術のある様式で、自分を表現しようとするつもりだ。自分を守るための唯一の武器として、沈黙と流寓とそれから狡知を使って」/ジョイス「若き芸術家の肖像」より
     
     沈黙、流寓、狡知( silence,exile,cunning)のタトゥーを左腕に入れた模様。

     

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    2009年10月04日
  • ポー名作集

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    理性と夢幻、不安と狂気が妖しく綾なす美の世界をつくりだす短篇の名手ポーの代表的傑作(「モルグ街の殺人」「盗まれた手紙」「マリー・ロジェの謎」「お前が犯人だ」「黄金虫」「スフィンクス」「黒猫」「アシャー館の崩壊」)

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    2009年10月04日
  • たった一人の反乱

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    おそらくあなたがこの題名から受ける印象と、この本の中身は全く違うであろう。
    弘兼憲史の漫画を思い浮かべてしまうような、俗な要素が極めて意図的に散りばめられている。

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    2009年10月04日
  • ポー名作集

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    やはり名作、一度は読んでおくべき。黒猫は、ミステリーというより怪奇ものだが、ストーリーがたんたんと進むのが帰って不気味。

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    2009年10月04日