丸谷才一のレビュー一覧

  • 女ざかり

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    分量は多いけれど、おもしろくて読むのが止まらない。
    20年前の作品であるにしても人物造形や会話などが古めかしくてちょっと現実離れしたところもあるし(それが丸谷才一らしいところでもあり)、筋書きそのものは話が大きすぎたり予定調和的なところもあるのだけれど、背景を貫く贈与論を中心とした日本の社会や民俗についての考察、新聞社論説室の仕事や裏の人間関係のくわしさ、登場人物の会話に登場するさまざまなゴシップや雑学がおもしろくて(そこが丸谷作品の真骨頂)、ついついページをめくってしまう。
    森鴎外が大した筋書きじゃない『即興詩人』を雅文体でくるんで読ませるように、丸谷才一は知的好奇心という包み紙で読ませるの

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    2013年02月14日
  • 快楽としての読書 日本篇

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    この本は丸谷才一が、週刊朝日や毎日新聞の書評担当として掲載したものを書籍としてまとめたもの。丸谷才一が書評を書くと、その本の内容がよくわかるだけでなく、関連して幅広い情報が得られる。書評では、対象とする書籍に関連する古い時代から現代にいたる様々な書籍と作家が幅広く比較評価してある。それらの作家の個性や時代を我々の前に示してくれる。文学の流れも理解できたような気になった。生き生きとした書評を読んでいると、ついその本が読んでみたくなる。

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    2013年04月23日
  • ポー名作集

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    訳文のせいかもしれないけど、思っていたより綺麗な文章だと感じた。個人的には、「モルグ街の殺人」コンビのシリーズが好き。

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    2012年11月29日
  • ボートの三人男

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    ユーモア小説といったらこれとウッドハウスくらいしか思いつかない。他にもあるのかしら。もしご存知の方がいらっしゃったら、教えてください。

    ボートでテムズ川下りというストーリーはあってないようなもので、この本の真髄は枝葉末節にある。これ以上ないほどどうでもいいエピソードが仰々しい美文によって綴られる、それだけで知らず知らずのうちに唇が歪んでしまうではありませんか。神は細部に宿る。違うか。

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    2012年11月22日
  • たった一人の反乱

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    昭和47年発行の書籍ですが、今読むと当時にしては随分挑戦的な内容だと感じました。話はとてもおもしろい。
    モデルとの再婚、犯罪者の祖母、教授の地位を捨てた父など。
    話は別として、当時の女性の話し言葉が美しい。また文体としていまでは使用しない言葉が多く出てくる。
    改めて日本語を勉強する必要があると思った。

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    2012年11月07日
  • 快楽としての読書 海外篇

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    国外の様々な作品についての書評が載っている。驚いたのは、書評についての書評が載っていること! ほぼ知らない本の話だったが、この書評を読んだら「読みたい」と思った。

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    2012年09月12日
  • 樹液そして果実

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    巻末の金屏風の起源に関する論考以外は、すべて文芸評論である。ジョイス、源氏物語、新古今、後鳥羽院、大谷崎、折口信夫、大岡昇平等自分の好きな人、作品を機嫌良く論じており、読者も気持ちがいい。母権性社会と源氏物語を結びつけた「むらさきの色こき時」が、構想が大きく楽しめた。

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    2012年01月23日
  • 年の残り

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    淡々としたその物語が好き。

    丸谷さんのものはこれまでエッセイしか読んだことがなかったけれど、これからは小説も読んでいこう。そんな気持ちにさせてくれた中編集。
    表題作「年の残り」と「思想と無思想の間」が個人的には好きだった。

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    2012年01月18日
  • 日本文学史早わかり

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    通説である政治史と文学史を一致させた区分ではなく、著者独自の勅撰集・七部集を基準とした時代区分に新鮮味を感じた。

    文学者というのは、新説を提起する存在でなければならないのだなあという感想を抱いた。

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    2011年12月12日
  • 樹液そして果実

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    1、ジョイス(空を飛ぶのは血筋のせいさ、巨大な砂時計のくびれの箇所) かなり、難しかった。ジョイスに連なる作家に刮目。
    2、古典(むらさきの色こき時、北野供養、王朝和歌とモダニズム、室町のころ、ばさら連歌)古今和歌集が鎮魂のためなど、なるほど?と思うことも。
    3、近代(題名略)森鴎外、折口信夫、北原白秋、伊藤整、後鳥羽院、谷崎松子、大岡昇平、中村真一郎、吉行淳之介、などたくさんの人作品に触れていて、それが王朝文学あるいは女権社会に連なるのが面白かった。
    4、芸術(六日のあやめ)

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    2011年08月05日
  • ボートの三人男

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    「犬は勘定にいれません」が、この本のオマージュだと知ってから、一度は読もうと思ってた。
    ユーモア小説というけど本当に面白いかな?と半信半疑だったのだけど、愉快な本だった。吾輩は猫である的な面白さ。洋の東西と時代を問わず、人間のやることを茶化したり皮肉ったりというのは、面白いもんなんだなぁ。

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    2011年05月07日
  • 輝く日の宮

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    ネタバレ

    読み応えのあるボリュームを備えた作品。ただ、薀蓄がちりばめられ、主筋を辿るのを妨害するきらいがある。アサコの恋の行方だけに集中できたら、どうだろう?とも思える。また、社長となった長良との恋の行方も気なるところ。だが、この小説の主役は、「輝く日の宮」なのだろうから、この結末でOKなのだろう。

    で、作者がこめた数々の謎。これも、読者を惑わせるものだろうと思うし、いろんな読み方が出来てよいのだろうと思う。影の主役は、『源氏物語』であり、その創作の謎であろうのだろうから、表面に現れた暗喩や、文学史的な話題も、それぞれに役割を演じて、この作品を構成しているのであろう。

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    2011年01月24日
  • 輝く日の宮

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    源氏物語、そして紫式部と藤原道長に絡めて描かれる男女の関係の物語。日本古典に関するある程度の知識がいるうえ、文章は旧かな遣い。しかしその幽玄な雰囲気がストーリーに合っていて、いっそ美しいほど。

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    2010年11月16日
  • 女ざかり

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    大新聞社の舞台裏のような話と、論説委員に選ばれた主人公、離婚して大きな娘がひとりいて、母親と娘と三人で暮らす弓子の働く姿を、すごくおもしろく読んだ。弓子はまさに正真正銘の「バリキャリ」を絵に描いたような。インタビューなどを通じて各界著名人と懇意にしていて、もちろん、哲学者のすてきな恋人(不倫だけど)もいて、文章を書く仕事は楽しいし、お金はあるし、暮らしは優雅で。なんだか読んでいて楽しくて。あと、問題ある社説を書いた弓子に圧力をかけてきたのはだれかをさぐっていくという、ちょっとミステリっぽいところもあって、それもおもしろかった。首相公邸に入っていくところとか、どきどきわくわくしたし。丸谷先生らし

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    2011年09月18日
  • 女ざかり

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    ストーリー展開も軽妙で、作中で展開される独自の「贈り物論」も面白い。
    女性の描き方が「なんだかなあ」と思わなくもないけれど、そのあたりも含めて、書かれたのは平成ながらいかにも「昭和」な雰囲気がたっぷり漂った作品。

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    2010年07月27日
  • 輝く日の宮

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    懸念していた旧かなづかいもあまり気にならず、ものすごくーーおもしろく読めた。主人公の女性は国文学者。やはり学者の父親とのアカデミックな会話や、研究や学会での発表の場面など、専門的でまるで知らないことだらけだったりするんだけれど、難解とか退屈ということはなくて、研究ってこういうことをするのかーとか学会の発表ってこんななんだーなどと興味深かった。主人公の恋愛話もからんでいて、プロポーズされるところがすごくおもしろかったり。文章のスタイルがいろいろ変わって、論文の原稿だったり、戯曲だったり、になるのは、普通の文章のほうがいいなーと、大変失礼にも思ったけれども。やっぱりいちばんおもしろかったのは、源氏

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    2011年09月18日
  • 輝く日の宮

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    解説によると、この小説の構造自体が、「輝く日宮」巻の喪失に関する提言になっているそうです。本自体がミステリー。
    「源氏物語」が何事につけてもぼんやりと曖昧模糊に描かれていることを受けて、この小説も何事も「ズバリ」がありません。
    「輝く日の宮」喪失の謎が今、明らかに!ということにはなっていないのが、かゆいところに手が届かなくてちょっと欲求不満なんだけど、そのおかげでよりいっそう「源氏」に思いを馳せることになり、ますます源氏の虜に(それが作者のねらい!?)。

    400ページの分厚い中には、たくさんの知識が詰まっていて、芭蕉はなぜ東北へ向かったのか―義経五百年忌説など面白かったです。芭蕉は源平時代に

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    2009年10月07日
  • 闊歩する漱石

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    恥ずかしいことに三四郎は未読なのです(汗) 発想の仕方も文章もしゃれっ気も、まさに知的とはこの事って感じ。

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    2009年10月04日
  • 今は何時ですか?

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    著者作品を、しっかり読んだ記憶はない。
    名前だけはよく見聞きはしていた。文芸批評か、それこそ書き方読本ような本は、学生の頃に読んだか? 遠い記憶だ。

    本書は、生誕百年記念に、短篇を4つ編んだもの。
    短篇なのに、劇中劇? 入れ子構造にする複雑さはなにゆえか? 表題作などは、前後半の繋がりが掴めず、一度は読むのをやめようかとさえ思った。前半は、なんなら、ドキュメンタリーかと思ったくらいだし。 
    ロシアのアネクドートが出て来るのは面白かったが。

    でも、遺稿だという「茶色い戦争ありました」は良かったかな。
    「君は」と、語る視点が誰のものかもわからなかったし、けっきょく、この作品も作中作であり、しか

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    2026年06月05日
  • ボートの三人男

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    ユーモア小説が読みたくて選んだが、ゆるい展開のお話なのであまり盛り上がりどころがなく、なんとなく読み終わっちゃった。

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    2026年04月21日