無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
題名の『たった一人の反乱』は絶妙。誰かの個人的な決意とそれと独立した誰かの決意が相乗的に重なり、ユーモラスながら何処か悲哀に満ちた物語を紡ぎ出す。この「反乱」とは自我の芽生え、悪く言えば自分勝手な主張といえよう。
作品自体は中盤まで非常に退屈。しかしながら半分か三分の二を超えたあたり、ツルのある決意から物語は面白くなってくる。本作品を読むと赤塚不二夫氏の漫画を思い出す。学生運動や授賞式のくだりなんか、もうわけがわからない。散漫にして奔放。なぜこういうプロットになるのか。理解に苦しみながら、またそれが面白い。丸谷氏の魅力はこのナンセンスさにあるのかもしれない。
Posted by ブクログ
反乱。それは秩序への反逆。あるいは自由への疾走。あるいは理由なき破壊衝動。あるいは……滑稽な喜劇。
登場人物の一人ひとりが引き起こす滑稽な反乱はカーニバル的であるが、その中から期せずして市民社会の中に潜む欺瞞が一つひとつ暴かれていく。しかし、市民社会が欺瞞に満ちていることを認めた上で、それに代わる新しい社会は構想しえないのだから、この市民社会を大切にしていこうとする主人公のセリフは、時代背景(本書刊行は1972年)を考えると、著者の当時の学生運動に対して向けられた言葉でもあるのだろうと思う。
だが、当初は人一倍体裁や世間体を気にして臭いものに蓋を閉め続けていた主人公が、終いには囚人を利用するというあけすけな行動に出ることができたのは、「欺瞞を利用する」という狡知を身につけたお陰ではなかったか。反乱を経て、反乱のおかげで、既成の秩序が強化される。この主人公の内面における秩序の強化は、そのまま市民社会の秩序が新しく生まれ変わったことをも予感させる。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。