あらすじ
犬だつて散歩する、いはんや人においてをや。広大な知性とユーモアの宇宙を駆けめぐる、ご存じ丸谷氏一流、読む散歩。イギリスの料理はうまくないという日本人の偏見は、漱石に責任がある。明治維新史の謎、高杉晋作の辞世を推測すると……。日本の武士の切腹は、中国式のホラを真に受けての風俗ではなかったか? などなど傑作エッセイ31篇を収録。あなたもどうぞ、面白くてタメになる、これぞエッセイの中のエッセイ!
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Posted by ブクログ
「コアラ」が白眉だね
博学エッセー集。ただ、読者層は謎。
阿部定について、またぞろ書いてゐて、ほんとなんて丸谷ってひとは陽物切り取り事件が好きなんだらう。となかば呆れた。そして相変らずの吉行淳之介だ。
白眉は、珍獣エッセー「コアラ」。
そこに、『たった一人の反乱』のとき、ファッション雑誌のカメラマンとモデルのオーストラリア撮影に同行した。とある。何を隠さう『たった一人の反乱』の主人公の妻が水商売の女なので、これは半分取材旅行なのだが、いちばん面白いのはコアラのうんちくと丸谷の反応ですね。