今野敏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
競作?
アンソロジー?
……この手の本の良さは、まだ読んだことのない作家を試し読みが出来るという点。
過去、同じような競作本をきっかけに「では、長編も読んでみよっか」と、京極夏彦や柴田よしきを読むようになった・・・。
さて、本書。好きな作家2名と未読作家1名を含む全4編。
【今野便】
さすがの安定感。
安心して読めた。キャラの立った二人の刑事の長編も存在する模様。読むべし。
【誉田哲也】
彼の作品の中では、自分の好み的にはちょっと残念。
まあでも、誉田さん“らしさ”が健在な点は、安心。
【福田和代】
初読み。
面白かった。ぜひぜひ長編も読んでみよう……本書購入の、一番の収穫。
短編のみで終わらせるのが勿体ないキャラ造詣。ぜひ、続編長編も書いてもらいたい。
【貫井徳郎】
2・5冊目。
初読は「慟哭」。可もなく不可もなく……だったかな。いや、わりと楽しめはしたけれど、結末と仕掛けが気に入らなかった記憶が……。
1・5冊目……タイトル失念。読むに耐えなくなり本を閉じた。
本作……。全体的にはちゃんと読めた。しかし……、文体、台詞回し、仕掛け、設定、どれを取っても自分には合わない作家だと再認識。明らかな“いわゆる推理小説” には、どうしても醒めてしまいらしい。
★3つ、7ポイント半。
前半3編だけなら、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初の爆破予告はガセだったが、再びコミコンの爆破予告がネット上に書き込まれた。信憑性が高いと訴える須田の直感を信じた安積は、警備の拡大を主張するが、爆破を阻止できなかった。安積達は「爆弾の被害にあって、病院の運ばれた5人の中に実行犯がいる可能性がある」と捜査を開始する。
新庁舎に強行班二係の係長として異動してきた相楽警部補は、安積班に対し異様なほどの対抗意識を燃やし、予告をした犯人の身柄を確保する手柄を立てた。安積は、5人の供述に矛盾があることを突いた須田の説を報告することで理事官の気持ちを動かすのだった。
私にとっては、12冊目の安積班シリーズ… 犯人は誰か? どのような爆弾をどうやってしかけるのか? 動機は何か?というそれぞれの謎もあやふやだし、後半盛り上がる急展開もなく、ミステリーというよりも、安積と相良、速水と後藤の対立構造の中から、それぞれの登場人物の心理や関係の変化を楽しむ物語なのだろうが、もはや安積班ファンになってしまったと言っても後ろめたくない私にとっても、少々物足らない作品であった。 -
Posted by ブクログ
怒りと向き合う
繁華街で起きた連続通り魔事件が本書で扱われる。
この手の事件は、実際の事件を思い起こさせて心苦しい。
さて、本書は犯人すり替えトリックを使った心理戦が妙。
メンタリズムなるものももてはやされているが、人間がいかに完璧ではないかを感じさせる意味で、本書同様興味深い。
見たいものしか見ていないというのはよく言われることだ。
そんなことはない、私はしっかり見ていると思われるかもしれないが、それは明らかなる間違いだ。
例えば、知らぬ間にできた傷、痣。
どこでついたのかさっぱりわからない。
自分に危害が加えられているというのに、だ。
こんな些細なことですら断言できないのだから、大きな混乱の中で人がどれだけ周りを正確に見られるか......。
人間の心理をついた物語は面白い。
ただ、物語である以上仕方がないとはいえ、少々ことが上手く運びすぎる。
実際の話を聞いてみると、プロファイリングはここまで精度が高くない印象だ。
人づてなので、検証したわけではないが聞いた話ではこうだ。
被疑者居住範囲の目星を警察が◯◯区内とつけたとする。
プロファイリングによると◯◯区のほとんどが「想定される地域」と示される。
ピンポイントで当てるには、人の行動というものはどうにも難しいようだ。
恨みや怒りを持った人間が即犯罪者になるわけではない。
行動にはそれなりの理由がある(はずだ)。
自分の中の正しさが果たして本当に正しいのか、私たちは常に他者の目を自己の中に持っていなければならない。
怒りは大きな力である。
それとどう向き合っていくか、それが一人一人の課題であるのだ。 -
Posted by ブクログ
東京・台場で少年たちの抗争があり、一人が刃物で背中を刺され死亡するという事件が起きた。直後に現場で目撃された車から、風間智也に容疑がけられたが、交機隊小隊長の速水警部補は、風間は背中から刺すような奴ではないと、彼の容疑を否認し、安積警部補と共に「車はZだった」という情報を追う。
ひとつの見せ場は、風間のスカイラインGT‐Rと速水が操る「法の許す範囲でばりばりにチューンナップされている」というスープラパトカーが繰り拡げる高速から筑波山へかけてのバトルだ!まるで『湾岸ミッドナイト』と『頭文字D』を彷彿とさせる描写に興奮する。
もうひとつの見せ場は、安積と速水という個性豊かな二人の主人公が見せる無言の信頼関係と、それを感じさせる会話だ。『隠蔽捜査』の竜崎と伊丹の会話の様に楽しめる。
筑波山で速水が繰りだす命がけのアタックに一度後塵を浴びてしまった風間は、速水と安積という二人の男を認め、固く閉じていた口を開くのであった。