多崎礼のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
純粋に“物語の世界”を楽しむ、という事を思い出させてくれるファンタジー。
冬至の夜に“語り部”達が集い、夜通し話を披露しあう「煌夜祭」。
廃墟となったとある島主の館にやってきた“語り部”は二人だけ。彼らが話す物語とは・・。
まず、世界観が好みですね。死海に蒸気で浮かぶ十八諸島の島々は、王島:イズーを中心にまるで太陽系の惑星のように、三重に輪界しているという設定です。
その移動手段は、“蒸気塔”から、蒸気を利用した気球を使うというのも、何だかロマンがあって惹かれます。(本書の口絵イラストでイメージが湧きました)
語られる物語ですが、一つ一つが独立していると思いきや、すべてが繋がっているのもポイントです。
物語に登場する“魔物”がキーとなってくるのですが、所謂“人を喰らう魔物”の恐ろしいイメージとはちょっと異なり、不本意にもそのような存在となってしまった哀しみだったり、切なさだったり、そもそもの存在意義だったりが、読み進むごとに解ってくる展開で、グングン惹き込まれました。
内容的に“ダークファンタジー”な印象ですが、哀しい話ではあるものの、根底には“愛”があり、伏線がきれいに回収されるラストも、しみじみとした読後感を残してくれます。
この著者さんは初読みだったのですが、他の作品も読んでみたいと思いました。 -
購入済み
煌夜祭
読み終わったあとに、もう一度読み直したくなる不思議な本でした
頭の中で物語を組み立てて繋がった時に新たな物語が出来上がるようでドキドキしました