あらすじ
「楽土」は神々によって開かれた。そこには飢えも痛みもなく、怒りや悲しみもない。争いの存在しない地には、「音導師」と呼ばれる言葉で問題を解きほぐす者たちがおり――新シリーズ開幕!
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Posted by ブクログ
多崎さんの新シリーズ!!
イラストレーターは「夢の上」と同じ天野英さんで、嬉しい限り。
「煌夜祭」から追っかけ続けてきましたが、
本当にこの作家さんの描く世界観は素晴らしいな、と思います。
誰もが抱える切なさ、痛みを、人間の温かさでふんわり包んでくれる。
自然と涙が出てきてしまうような優しさに溢れています。
今回は和風ファンタジーという事で、今までとは毛色が違います。
傷つき疲れた人のために存在する土地<楽土>。
そこでは悲しみも苦しみもなく、皆が穏やかにクラス事ができる。
たまに起こる諍いも<音導師>が<音討議>によって収める。
…という、なかなか特殊な設定なのですが、そこはさすが多崎さん。
読み進めていくうちにスッとこの世界に馴染む事ができます。
表紙のイーオンは、最初少年かと思いましたが、
どうやら相当酒癖&口の悪い三十路の女性らしい(笑)
でも大きな猫さんとのコンビが微笑ましく、彼女が主人公で良かった!
このシリーズは、「春」「夏」「秋」「冬」と季節に合わせて出るようで。
いつもは全巻揃えて一気読みが基本ですが、
今回は過ぎ行く季節を感じながら、リアルタイムに読んでいきます♪
Posted by ブクログ
楽土という世界と音導師という職業、面白いと思います。1巻を読むと、この物語世界がどのようなところか、音導師とはどのような仕事なのかを知ることができます。
伝説の音導師と言われるイーオン、そして彼女が連れ歩くことになった少年シンはどんな過去を持ち、物語がどう進んでいくのか楽しみです。
Posted by ブクログ
暴力ではなく言葉での解決、今の社会にも大切だと思われること。楽土が舞台だからか、優しい人が多くてとても安心感がある。でも登場人物だいたいに影があって過去があって、それが透けて見えるので、魅力的なキャラクターばかりだと感じた。心のキズが、話が進むごとに見えてきてツライけれど、その時々で支えてくれる人がいて、また顔を上げるサヨは、支えたくなるヒロインだなあと思った。これが、恋!
Posted by ブクログ
音叉を持つ、特別な職業である音導師たる女。
知己にお願いされ、専属になるためにその村に降りた。
そもそも最初からいる専属に、息子が連れてきた言葉。
抜けてるのかとも思ったのですが、完全に
そのままのような気がします。
と思っていたら…でしたが。
勝負をする前にやってきた、他からの依頼に
連れられた先の依頼。
主人公は彼女ですが、話の軸というか
握っているのは、降りてきた女。
話というか、事件はとんとんと終わりますが
その間に葛藤する気持ちや感情。
背を向けて、なかった事にするのも手ですが
解決するのが、一番すっきりします。
Posted by ブクログ
文が綺麗。使われている言葉が素敵、この作者さんのネーミングセンス好きだなぁ。
登場人物もくせがあって、読んでて楽しかった。
シンの名の意味…気になるな。
Posted by ブクログ
多崎先生の特徴とも言える幕間、お話とお話の間に組み込まれる短いお話が、今回は逆にテンポを崩しているように思いました。とはいえこれは伏線(だと思う)ので、続きの3冊を楽しみに読み進めたいと思います。
※追記※ 2巻を読み終えてあれ?と思ったので、読み返してみました。伏線といえば伏線、しかしとあるキャラクターの視点だったのですね。お見それしました。
Posted by ブクログ
設定が入り組んでいてとっつきにくいけど、面白い。和風ファンタジーとでも言えばいいのだろうか。所々に出てくる外来語の当て字が面白い。突照(ツンデレ)とかww
言葉をテーマにしているのだろうから、その辺りのセンスは素晴らしいと思った。
そして、私は名無し少年に萌えて仕方がないのであった……。
Posted by ブクログ
待ちに待った多崎礼氏の新シリーズ。
今回は、和風ファンタジー。
主人公は、音導師という職業のサヨという女性。
音導師とは、何か揉め事があった時に、音討議という話し合いの場で論者を務める者のことを言う。
また、音導師は、音叉である杖を持ち、それを鳴らすことができなければならない。
つまり、弁が立つだけではなく、何か素質のようなものが必要らしい。
八百万の神に認められるということだろうか。
世界観とかは、少し難しかったのだが、ぶっきらぼうだが、なぜか憎めない伝説の音導師イーオン、名無しの少年、大きな猫さん、無敵の防人トウロウ、こういった人々に支えられサヨが成長し、自分を取り戻していく過程が面白くて、グイグイ引き込まれた。
次巻で、イーオンの過去がわかるのだろうか?
今からとても楽しみである。
Posted by ブクログ
多崎礼さんの新シリーズ、新しい世界。独自の世界はまだわからないことが多いけれど、もっと知りたいと思えるだけの魅力に溢れている。今回はまだ導入で世界の紹介的な感じにでしたが、次の巻以降、少年がどうなっていくのか…。全4巻とのことで今回は春の巻。次の夏の巻
は八月発売だから、季節と合わせて出してくるかな? だとしたら今年はたくさん多崎さんのご本を読めそう。楽しみ。とりあえず水の可見をなで回して大きい猫さんを大いにもふりたい(笑
Posted by ブクログ
季節感のある春特有の風光明媚な情景が目に浮かぶようだった。
最後が圧巻だった。
〜名言〜
言葉は自分を良く見せるためのものではない。自分を理解して貰うための道具だ。(P210)
形あるものは常に変化し続ける。美しい壷もいつかは壊れ、色鮮やかな絵画もやがては色褪せる。(P211)
真に美しいもの。それは目には見えない。だからこそ、それはどこにでもあり、誰の中にもある。真実の美。それは八魂の中でも、もっとも尊いとされる三つの魂
慈愛の『恩』、希望の『温』、そして自律の『御』だ。(P213)
すべての言葉には魂が宿る。お前の口から出た言葉は、その瞬間にお前の分身となる。