あらすじ
隣国・出散渡の統治者ラウフ・カダルが楽土に乗り込んだ。以前はムメイと名乗り、シン音導師の音討議を見ていた男が、己の意思を代弁する音導師――ザイオンを連れて。そして――かつての盟友を相手に楽土の存在意義を懸けた、シン音導師最後の音討議が始まった。シリーズ最終巻。
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Posted by ブクログ
伝説のシン音導師(イーオン)と兄弟子ザイオン音導師(ヤコウ)の最初で最後の音討議、面白かったです。
でも、一番印象的だったのは、イーオンが弟子のシン少年に、自分の過去を語り、シン少年が真の楽土を出てひとり立ちする決意を固めるあたりです。
そして音討議3日目、シン音導師の語る言葉が私の中にも心地よく響きました。
Posted by ブクログ
今までより軽めで、ということで書き始めたというシリーズです。1,2巻は独特の世界観に慣れていないせいもあって、設定がわからないまま読んでました。3,4巻になると世界観も理解できて話に集中できた気がします。
確かに雑談も多めだし、犠牲が少ないので軽めでしたが、物語の根幹である人と人が対話する、言葉を紡ぐ部分はきちんと重みがありました。
ちなみに、多崎さんの過去作で感じたやるせなさはあまり感じられなかったので、物足りなかったです。読後感が一番いいので良いはずなんですが、多崎さんに求めるのは軽さではなく重さなんだなと感じた作品でした。
Posted by ブクログ
最終巻。
イオンとヤコウの楽土の存在を賭けた音討議。
シン少年の成長と旅立ち。
少ししんみりとしつつも柔らかい終わりでした。
トウロウが多少不憫に思えるのですが(笑)、まあしょうがないですよね。
楽土を出たシンとトウロウの物語もちょっと読んでみたいなあ、と思いました。
Posted by ブクログ
イーオンの過去が明かされ、彼女のこれまでの言動の意味がわかったと同時に、ストンと落ちてこないところもありました。とはいえ、緻密に張り巡らされた伏線や構成は鮮やか。再読したらまた印象がガラリと変わると思います。
Posted by ブクログ
第5章終盤から先の流れは実に心地よい。
そしてラストの旅立ちのシーンは泣きそうになった。
多崎さんの作品の中ではコミカルな描写が多かったかな。
それはそれ、面白かった。
最終巻はカタルシスはあまりなかったけれども、登場人物の成長が見て取れて嬉しかった。