竹本健治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ミステリではないと銘打ちながら、ミステリであり、最後に有り体な収拾がつけられない。ホワイダニットにこの答えはアリなのか。いや、これも答えだ。推理小説として求められる謎と解答を提示するものではなくて、読み手のエゴを満たすミステリでは無いと言う事か。誰が為の挑戦状かと言う一文にそれを感じる。読み取りたいと言う願望を完無視して嘲笑いながら、登場人物を読み手のエゴから解放している。読み手の為の登場人物では無く、彼らが彼ら自身の為に蠢き夢想する様に読み手側が巻き込み事故され、ミステリな人間のありようを見せつけられる、そう言う意味でのミステリなのかと思った。
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Posted by ブクログ
ネタバレ一読、とても疲れてしまった。
面白かったか面白くなかったかといえば、面白かったんだけど、とにかく、ついていくのが大変。真相も、酉つ九を名乗っていた人の正体と、竜ちゃん消失の謎と、うんこすりかえの謎は明らかにされたけど、あとはどうなっているのかよくわからないまま……。うんこ事件の謎は、あそこで竹本さんが言った通りの解決でいいのかな?麻生家も、よくわからないまま……。というか麻生家事件の「僕」って名前明らかにされていた?あの人は結局何ものだったのか……。水樹くんをぶら下げたのは誰?骨揚げの時の謎のプレートは何??そういうのほっぽり出してると「あとがき」でも指摘されてるけど、ううん座りが悪い。しかし -
Posted by ブクログ
ネタバレ評判が良かったので読んでみたくて、シリーズモノだと知ってまずは『囲碁殺人事件』を読んだんだけど、三部作探すのが面倒臭くなって、将棋とトランプを飛ばして本作品に着手した。
そしたら12歳だった智久は全く子供っぽさがなくなった18歳になってて、天才の名をほしいままにしてた。
ちょっと飛ばしたのを失敗したかなと思った(笑)。
脳科学者の須堂なんかも居なくなってて残念。
タイトルの「涙香」は人名なのね。
全然知らなかった。
とある老舗旅館で殺人事件が起きて、たまたま対戦で近隣に来てた智久と担当刑事が知り合いだったことから、智久は現場に立ち会い、解決に向けて頭脳を働かせる。
一方、智久の示唆で見つか -
Posted by ブクログ
ネタバレ囲碁、全然知らないんです。
なので棋譜を使った暗号は全然ピンと来なかった。
ていうか、かなり囲碁に詳しくないと、暗号の真意は腑に落ちないんじゃないかな。
囲碁界の鬼と言われる槙野九段がタイトル戦の第2局目に凄い閃きで勝利しかかったその夜、首切り遺体で発見される。天才少年棋士智久と大脳生理学者須堂が事件に挑む。
1人殺されるシンプルな事件。
途中棋譜の暗号から導き出される推理は根拠がよく分からなくて、集中して読めなかった。
しかも推理が間違ってて読者は惑わされる。まぁ高根犯人だと動機に無理がありすぎるし、真犯人は別人フラグ立ってたけどね。
真相は面白く読んだけど(特に頭を切り落とされた理由) -
Posted by ブクログ
ネタバレものを知らない私は、ウロボロスといえば「はてしない物語」の表紙のしっぽを噛み合う2匹の蛇のイメージが浮かぶ。「はてしない物語」も、外から読者という形でかかわっていたはずのバスチアンがいつのまにか本の中のファンタージエンに取り込まれていく、中に入り込んでいくという物語で、「ウロボロスの偽書」も最初は3つの物語が分立しているのかと思いきや、まじりあい絡み合い、どこが表でどこが裏なのか判然としなくなり、読者はどこを立ち位置に踏ん張れば良いのかわからなくなる、そういう物語。「はてしない物語」が単純な入れ子構造なのに対し、こちらはいったい何元なのか読んでいるうちに分からなくなるほどだけれど……。読み始め