竹本健治のレビュー一覧
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牧場智久シリーズの一冊で、連珠やいろは歌などを愛好していた黒岩涙香ののこした謎に彼がいどむなかで殺人事件に巻き込まれていくストーリーになっています。
ある老舗旅館で殺人事件が起こり、智久は現場にのこされた碁石から、被害者の人物像について推理をおこないます。その後、智久と類子は黒岩涙香ファンと知り合い、茨城県にある涙香の山荘へ行くことになります。いろは歌のさまざまなヴァリエーションのなかにかくされた謎に智久は挑戦しますが、しだいに彼の身に危険がせまることになり、しかも最初の殺人事件と今回の彼の身に起きた出来事とのつながりが明らかにされていきます。
著者のパズルへの愛好ぶりがうかがえる暗号ミス -
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ネタバレ〇 総合評価 ★★★☆☆
4つの短編とエピローグ的な作品である「舞台劇を成立させるのは人でなく照明である。」という作品からなる短編集
全体を通じる大きな仕掛けがある。その仕掛けは4つの短編の主人公は,一人の人間の別の人格だった。解離性同一性障害をテーマとしたミステリは,安易に「幻想的な謎」を作りだせてしまうのであまり好きではない。とはいえ,この作品は解離性人格障害をテーマとした天野が語り手の物語では終わらない。もう一つ仕掛けがある。一見,精神科医の天野不巳彦が4つの人格から主人格を残すという展開で終わると見せ掛ける。しかし,天野は最後の1人の人格まで消してしまう。そして,この作品で「天野不 -
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ネタバレ○ 総合評価 ★★★☆☆
〇 サプライズ ★★★☆☆
〇 熱中度 ★★☆☆☆
〇 インパクト ★★★☆☆
〇 キャラクター★★★☆☆
〇 読後感 ★★★☆☆
【レビュー】
竹本健治の初期の代表的なシリーズであるゲーム3部作の第一弾。被害者による嘱託殺人という,やや変化球ではあるが,竹本健治の作品の中では比較的オーソドックスな本格ミステリという評価になっている。ポイントは,「純粋語盲」という病気が脳の病気であることを知った牧野が,「純粋語盲」であることを隠すために,自分の死体から,首から上を切断してほしいと杉沢に頼んでいたことだろう。これは,死体の頭部を切断する理由
として,それなり -
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ネタバレ○ 総合評価 ★★★☆☆
〇 サプライズ ★☆☆☆☆
〇 熱中度 ★★☆☆☆
〇 インパクト ★★☆☆☆
〇 キャラクター★★★☆☆
〇 読後感 ★★★☆☆
ゲーム3部作の2作目。「将棋殺人事件」というタイトルだが,テーマとなっているのは「詰将棋」と「恐怖の問題」という六本木界隈で流行しているという噂
将棋殺人事件は,2つの流れがあり,1つに収束していく。1つ目は詰将棋の盗作問題をめぐる話。2つ目は静岡県掛川で見つかった男女の死体と,六本木界隈にある「恐怖の問題」をめぐる話。
恐怖の問題関係については,牧場智久と牧場典子の姉弟による調査がされる。その調査の中で,女子寮が噂の出