竹本健治のレビュー一覧

  • 涙香迷宮

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    牧場智久シリーズ。前半、読むのがしんどいからって、途中で辞めたら後悔しますよってタイプの本。黒岩涙香、囲碁や連珠についてのアレコレで埋め尽くされた前半を読むのは辛かった…。ようやく事件が動き始めた後半からは、涙香の隠れ家、台風の中のクローズドサークル、いろは歌に込められた暗号と、面白さ目白押し。犯人の動機もやや弱いが、連珠が好きな人ならもっと楽しめたのかな。とにかく、暗号を仕掛けた、作者作の大量のいろは歌は圧巻!しかし…最後の推理ゲームの答え、全然分からないんですけど…

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    2021年12月22日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    あまり好みの内容ではなかった。

    ただ、正月女の話はばあちゃんに聞いたことある話に良く似ていた。「正月」という所が「西の女」という話だった気がするけど、昔話なんてそんなもんか。ちょっとゾッとしたけど。

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    2021年09月26日
  • 閉じ箱

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    ネタバレ

    短編集だから玉石混合…というよりは、こちらの好みの問題か。「ホラー」メインで読み始めたので、幻想的なミステリーの冒頭から違和感がつきまとい、どうにものめり込めなかった。
    そんな中なので、『恐怖』のようにすとんと落とす納得のホラーが有難い。

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    2021年08月29日
  • これはミステリではない

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    これはなんだったんだろう…
    確かにミステリではなかったのかもしれない。
    でも…
    "ミステリではない"と謳えば何やってもいいのか。
    でもこれをやりたかったから、"ミステリではない"と言っているわけで、文句言われる筋合いはない、と作者は思っているのか。
    残るのは不条理。回答が得られたような得られなかったような…。
    とりあえず人物相関図は欲しい。

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    2021年05月24日
  • 涙香迷宮

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    天才囲碁棋士牧場智久を探偵役とした本作。今までにも牧場智久を探偵役とした話はあったが今作はゲーム・シリーズの延長上にあたりながらもそれ以外の要素もふんだんに盛り込まれている。暗号としてのいろは歌がメインなのは言わずもがなで、勿論そこにはミステリのエッセンスも忘れてはいない。けれどどうしても暗号解読がメインになってしまうので、そういうのがあまり好みではない私にはちょっと合わなかったかな…。

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    2021年02月17日
  • 囲碁殺人事件

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    牧場智久シリーズ、ゲーム三部作第一弾。
    囲碁タイトル戦の最中、勝利確定かと思われた棋士が近くの滝で首無し屍体で発見された。
    囲碁に関する蘊蓄がたくさんなので、囲碁をまったく知らない私はスルーしてしまった箇所も多いが、囲碁を知っていたらもっと楽しめたのかもしれない。
    牧場智久シリーズは何作か読んでいるが、幼い頃は賢いとはいえ年相応の部分もあり、まだ探偵然とはしていなかったのだなと感じた。やはり順番に読む方がいいですね。

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    2021年01月16日
  • 囲碁殺人事件

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    この設定だと天才少年棋士が探偵っぽいが、ワトソン然とした大脳生理学者が名推理を披露して謎を解くのがミソかな。作者の名前を見ると身構えてしまうが、ライトミステリ風で読みやすい。囲碁に関する蘊蓄はさすがに読み飛ばした。

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    2020年11月30日
  • これはミステリではない

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    ミステリではないと銘打ちながら、ミステリであり、最後に有り体な収拾がつけられない。ホワイダニットにこの答えはアリなのか。いや、これも答えだ。推理小説として求められる謎と解答を提示するものではなくて、読み手のエゴを満たすミステリでは無いと言う事か。誰が為の挑戦状かと言う一文にそれを感じる。読み取りたいと言う願望を完無視して嘲笑いながら、登場人物を読み手のエゴから解放している。読み手の為の登場人物では無く、彼らが彼ら自身の為に蠢き夢想する様に読み手側が巻き込み事故され、ミステリな人間のありようを見せつけられる、そう言う意味でのミステリなのかと思った。

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    2020年10月31日
  • ウロボロスの基礎論 下

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    ネタバレ

    一読、とても疲れてしまった。
    面白かったか面白くなかったかといえば、面白かったんだけど、とにかく、ついていくのが大変。真相も、酉つ九を名乗っていた人の正体と、竜ちゃん消失の謎と、うんこすりかえの謎は明らかにされたけど、あとはどうなっているのかよくわからないまま……。うんこ事件の謎は、あそこで竹本さんが言った通りの解決でいいのかな?麻生家も、よくわからないまま……。というか麻生家事件の「僕」って名前明らかにされていた?あの人は結局何ものだったのか……。水樹くんをぶら下げたのは誰?骨揚げの時の謎のプレートは何??そういうのほっぽり出してると「あとがき」でも指摘されてるけど、ううん座りが悪い。しかし私は「血の巡り」は悪いけど、素直な読者でもあるので、「こういうもんだ」とされたら「そうか、こういうもんか」と受け入れてしまうので、それはそれとして楽しんだ。「そこはそれ」だもんね……トリック芸者シリーズ大好き。

    ただ、「うんこ事件」「麻生家事件」はともかく、間に挟まれる小説ジャックの「評論」「物理論」「仏像論(?)」あたりは、小説との有機的なつながりがどうにもわからなくて、とにかく読むのに苦戦した。衒学的なのは好きな方なので、全然読まずに飛ばすようなことはしないんだけど、特に物理論には苦戦……あの「ボーア博士」、夢の中だけど何かほかに正体があるような感じだった。神様?中井さん?

    それにしても、うんこうんこ出まくりで、自分の中の小学生男児(うんこ漢字ドリルで喜ぶ)を発見してしまった。不覚。終盤の、例のブツのすりかえについて、採取装置の説明をしつつ解決し、ブツの主を明らかにするシリアスなシーンも、シリアスなのに「こんな方法でとったんかい!うわっいやだな!」みたいな、笑いと驚きでテンションが保てず、その感情の振れ幅も読後の疲労感に影響している気がする。すごい疲れるよ。

    25年も前の本なので、一部よくわからない言葉も出てきて、ちょっと新鮮だった。
    パラノ人間→偏執的な人間、スキゾ人間→分裂的な人間ということ?
    ちょっと調べてみたら、バブルのころの流行語だったみたい。おもしろいな。

    例のヤオイ文化についてのくだり、あまりにもすごくて笑ってしまった。途中引用されているマンガ?は本当にそのミスパロなのかな。びっくりしたわ。すごい世界すぎて変な笑い声出た。島田先生が綾辻先生と三人の時にほんとにそんなことおっしゃったのかしら……と笑ってしまった。でも実際本出してるわけだし、御手洗シリーズのどれかにミスパロサークルの座談会みたいの載せてたし、交流あったのもホントなのかな。しかも名古屋なんだ……。絶句。

    もう一度頭から読まないと理解できないけど、もう一度頭から読む元気がない。いつか再読しよう。

    全編にわたって中井英夫の「のろい」のようなものがかかっていて、その影響力に圧倒された。ずっといつか読んでみなくてはと思いつつ、大変そうで手が出なかった「虚無への供物」をついに読む決心をした。でも、これを読み終わった直後にはちょっとむつかしい。「普通の」ミステリで頭と心をリセットしないと……。
    あと、ミステリの評論について、今まであまり関心がなかったんだけど、ちょっと読んでみたなという気になった。やたらと評論が盛んな文芸ジャンルという意味で、ミステリとSFってかなり特殊なんじゃないかと思ってたけど、読めばわかるかな。

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    2020年09月02日
  • 涙香迷宮

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    ネタバレ

    評判が良かったので読んでみたくて、シリーズモノだと知ってまずは『囲碁殺人事件』を読んだんだけど、三部作探すのが面倒臭くなって、将棋とトランプを飛ばして本作品に着手した。
    そしたら12歳だった智久は全く子供っぽさがなくなった18歳になってて、天才の名をほしいままにしてた。
    ちょっと飛ばしたのを失敗したかなと思った(笑)。
    脳科学者の須堂なんかも居なくなってて残念。

    タイトルの「涙香」は人名なのね。
    全然知らなかった。

    とある老舗旅館で殺人事件が起きて、たまたま対戦で近隣に来てた智久と担当刑事が知り合いだったことから、智久は現場に立ち会い、解決に向けて頭脳を働かせる。
    一方、智久の示唆で見つかった黒岩涙香の隠れ家を発掘調査する涙香研究者達に同行する智久と彼女の類子(彼女できてる!)は、隠れ家の意匠に組み込まれた数々のいろは歌に驚かされる。
    そのうち、これも涙香の暗号なんじゃないかと智久が見破る。

    いろは歌はみんな竹本さんが作ったわけで、まずそれに圧倒される。けど、正直、付いていけないと言うか、かなり置いていかれた感を感じながら読むことになった。
    暗号も、凄いんだけど。凄いんだけど。

    とにかく、よくこんなの考えつくな、って感想しかない。
    渾身作なのは疑いないけど、面白く読めたかと言われれば、そうでもなかった。ので辛口かもしれないけど☆3つ。
    単に自分は暗号モノに向かないのかも。

    智久が人間としてほぼ完璧なのがなんか嘘っぽかった(突出した脳味噌の持ち主は性格が歪んでるもんじゃね?、って先入観のせい)。
    大事な一戦の前に発掘現場に赴いて、そこから対戦に向かうとか、なんかモヤった。
    直前に『囲碁殺人事件』読んだから余計にそう感じたかも。あの作品は対戦前や対戦中の棋士の心理状態がとても良く書けていたから。

    ほかにも、台風近づいてきたら大人しく発掘中断して帰りなよ危機管理能力ないな、と思ったし、犯人の動機もちょっと納得行かなかった。
    自分の器以上の作品を発表したらむしろその後の苦しみの方が遥かにツライ。それこそ竹本さんが身を持って知ったことだろうに。
    そんなんで人殺してたら割に合わない。
    …などと思ってしまった私は名声欲が無いからなのかな。

    …もしかしたら、暗号部分は凄いけど、ミステリとしてはイマイチなのかも。
    ただ、黒岩涙香との関わらせ方はとても巧みだった。
    どこまでが史実でどこからが創作なのか、混乱しそうだった。

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    2020年08月30日
  • 囲碁殺人事件

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    ネタバレ

    囲碁、全然知らないんです。
    なので棋譜を使った暗号は全然ピンと来なかった。
    ていうか、かなり囲碁に詳しくないと、暗号の真意は腑に落ちないんじゃないかな。

    囲碁界の鬼と言われる槙野九段がタイトル戦の第2局目に凄い閃きで勝利しかかったその夜、首切り遺体で発見される。天才少年棋士智久と大脳生理学者須堂が事件に挑む。

    1人殺されるシンプルな事件。
    途中棋譜の暗号から導き出される推理は根拠がよく分からなくて、集中して読めなかった。
    しかも推理が間違ってて読者は惑わされる。まぁ高根犯人だと動機に無理がありすぎるし、真犯人は別人フラグ立ってたけどね。
    真相は面白く読んだけど(特に頭を切り落とされた理由)、眼科医の死は謎のままだった。
    マジで予行演習なの? あんなに小心の犯人に予行演習でヒトを殺したりできない気がするんだけど。
    それとも全く関係ない事件だったってこと?
    ていうか、智久、『匣の中の失楽』のナイルズみたいだった。

    犯人、槙野を殺しただけなら師匠を思っての自殺幇助で不問ってのは許すけど、智久にあんな怖い思いさせといて見逃すのは、何だかなー。
    推理が真相とかけ離れてるからって、推理した人を脅すの意味分からない。
    どんだけ察してちゃんだよ。
    1番のツッコミどころは、槙野、死にたいならちゃんと自死しろや。
    飛び降りとかして頭潰して死ねばいいんだよ。

    附の「チェス殺人事件」は多重解決ぽくて簡単な読み物としてはなかなか楽しめた。
    まぁでも自殺なんだろうな。迷惑。

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    2020年08月22日
  • 新装版 ウロボロスの偽書(下)

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    ネタバレ

    ものを知らない私は、ウロボロスといえば「はてしない物語」の表紙のしっぽを噛み合う2匹の蛇のイメージが浮かぶ。「はてしない物語」も、外から読者という形でかかわっていたはずのバスチアンがいつのまにか本の中のファンタージエンに取り込まれていく、中に入り込んでいくという物語で、「ウロボロスの偽書」も最初は3つの物語が分立しているのかと思いきや、まじりあい絡み合い、どこが表でどこが裏なのか判然としなくなり、読者はどこを立ち位置に踏ん張れば良いのかわからなくなる、そういう物語。「はてしない物語」が単純な入れ子構造なのに対し、こちらはいったい何元なのか読んでいるうちに分からなくなるほどだけれど……。読み始めて、そういうところが共通しているようで、それがタイトルに「ウロボロス」を持つ意味なのかなと思っていた。ウロボロスというか、メビウスの輪というか、そういう感覚。
    物語は複雑怪奇で、本当にどこが現実でどこが架空のできごとなのか。幻惑されて混乱するかと思いきや、文章がとても読みやすいので、意外と読み進むのには時間がかからない。すいすい読める。著者らしさなのか、アンチ・ミステリらしさなのかど、衒学的でめくらましされているような文章なのに、読みづらさはない。それが読んでいて不思議だった。展開がスピーディーで飽きさせないのもあるかもしれない。
    殺人鬼のパートの猟奇的な描写には正直参ってしまったけれど、それも多分必要なパートなのだろうと読むことはできた。ただやっぱりきつい……。エログロが怖くて探偵小説が読めるか!というのは、もちろんあるんだけど、私はミステリに「謎解きの安心」を求めるタイプなので……そういうタイプの読者にはそもそも向かないのかもしれないけど。放り出される不安感を楽しむ小説を書く人なのだろう。
    芸者パートの「トリック芸者」はシュールですごく面白くて、笑ってしまった。分かりやすいというか、素人臭いようなトリックが謎解きの「そこはそれ」の突拍子のなさと相まって、本当にシュール。これだけでもたくさん読みたい。しかも下巻の半分以上を読み進めるまで、「酉つ九」=「トリック」というのに気づかず、気づいた時には自分のあほさに笑ってしまった。すごいな!
    竹本健治パートは、本人は出てこず言及されるだけの連城三紀彦が(「連城さんに書いてもらえ」とか、なんかツッコミ要素として入れられていたりして)妙におかしく、その他実在人物の要素が、本当に面白くてフフッと笑ってしまったりして物語に没入できた。「知っている人」が出ていると、それだけで読みやすくなるのかもしれない。どなたのことも別に個人として知っているわけではなく、単なる一読者の身で何を言っているのかという感じかもしれないけど。

    物語の登場人物が、実在人物は筆名(じゃない人もいるのかもしれないけど)、芸者は芸者名(というのかな)、殺人鬼は自ら偽名とした名を名乗るなど、みんな本当の名前がわからないのがキーになるのかな、と思いながら読んだけれど、全然関係なくて笑った。あとは、面白いけど振り回されまくり、時制の問題などにも全然ついていけなかった。メモを取りながらじゃないと正確には追えないよ!追ったところで、結末がああでは、あんまり意味なかったけど……。

    「読者への忠告状」が出てきたときには笑ってしまった。これにあるとおり、本書はミステリではないのかもしれないけれど、物語として、小説の可能性というものをどんどん広げていくもののようだと思った。
    いいとか悪いとかじゃなくて、小説が好きで、その可能性を広げていく、小説愛の強い人なのかなーって、作者について、そんな感想を持った。涙香迷宮を先に読んだらタイプの違いにクラクラしちゃった。面白かった。

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    2020年08月20日
  • 涙香迷宮

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    ★★★☆☆ 3.6
    もはや天才すぎて凡人にはついていけない(笑)。「かっこわら」が付くくらいの圧倒的才能の前に僕ら読者は口をパクパクさせて読むことしかできない。本当に天才的な暗号すぎてまじで全く意味わからないけど、overwhelming genius boy は素晴らしい。

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    2020年08月06日
  • 狂い壁 狂い窓

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    怖いと聞いてすごいと聞いて読んで、あんまりすごいと思わなかった。読みにくいわかりにくい。コロンボや、横溝正史を思い出すような半端さが目立つ。面白くないわけではない。

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    2020年07月19日
  • 新装版 匣の中の失楽

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    とても難しくて私にはよくわからなかった。
    現実と非現実世界が複雑で
    頭の中が整理できないまま終わった感じ。
    心理戦のラストも納得いかない。

    しかし昔の小説は密室がお好きね。
    そういえば昔の2時間サスペンスドラマも密室が多かった気がするな。

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    2020年07月18日
  • 汎虚学研究会

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    再読。聖ミレイユ学園で起こる怪事件を「汎虚学研究会」という名称のクラブ員たちが解き明かしたり議論したりする話が五篇収録されている。といってもその五篇とも全部話のテイストが違うので色んな味が楽しめるのが良い。最初の「闇のなかの赤い馬」は講談社ミステリーランドとして個別に刊行されていたものでミステリ色が強いのもこれかな。好みなのは日常の謎といった趣を持つ「世界征服同好会」。

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    2020年06月06日
  • かくも水深き不在(新潮文庫)

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    オープンエンディングなのはそれでも良いんだが、割とはじめの方でネタが分かってしまったので、もうひと展開欲しかった。

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    2020年04月18日
  • 狂い壁 狂い窓

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    怪奇ミステリ。「将棋殺人事件」「トランプ殺人事件」に続く狂気三部作の三部作目。怪奇ミステリと書かれているだけあって本格ミステリとは違っていかに恐怖や狂気をそそらせるかに重きが置かれている。部屋を覗く蝋面、投げ入れられたマネキンの恐怖の首、埋められてから掘り返された死体。そういった怖さの象徴のようなものがこれでもかと散りばめられている。ミステリとしての謎はあっけなかったけれどホラーとして読むなら面白かった。

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    2020年01月30日
  • かくも水深き不在(新潮文庫)

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    ネタバレ

    〇 総合評価 ★★★☆☆
     4つの短編とエピローグ的な作品である「舞台劇を成立させるのは人でなく照明である。」という作品からなる短編集
     全体を通じる大きな仕掛けがある。その仕掛けは4つの短編の主人公は,一人の人間の別の人格だった。解離性同一性障害をテーマとしたミステリは,安易に「幻想的な謎」を作りだせてしまうのであまり好きではない。とはいえ,この作品は解離性人格障害をテーマとした天野が語り手の物語では終わらない。もう一つ仕掛けがある。一見,精神科医の天野不巳彦が4つの人格から主人格を残すという展開で終わると見せ掛ける。しかし,天野は最後の1人の人格まで消してしまう。そして,この作品で「天野不巳彦」として描かれた自分自身も本当の「天野不巳彦」ではなく,天野を模した一つの人格だった。4つの人格を消して,望める最良の結果になったとして,「天野」の人格も消える。そして,誰もいなくなった…として終わる。
     竹本健治らしい終わり方とも言える。すっきりした終わり方ではなく,「なんだこれは?」という終わり方。解離性同一性障害…多重人格の物語で,主人格が誰かを推理させる物語だと思わせる。実際,「舞台劇を成立させるのは人ではなく照明である。」という作品では,いくつかの人格が主人格ではないという推理をする。最後,主人格が存在しないという形で終わる。作者である竹本健治の中では,スジの通った論理があるのかもしれないが…多分ないだろう。いつもの竹本健治作品らしく,もやっとした謎を残して終わる。これが狙ったものなのか,こういう終わり方しかできないのか。謎が残ったままの終わり方は嫌いではないが,安易すぎると単なる失敗作にも見えてしまう。この作品は個々の短編のデキがそれほどひどくないことも踏まえて★3で。

    〇 鬼ごっこ ★★★★☆
     世にも奇妙な物語的な「奇妙な味」の短編。ある館で鬼ごっこをする少年たち。その館には,鬼がいて,鬼につかまると鬼に見られると鬼になる。少年たちは次々に鬼に見つかり鬼になる。
     ミステリではないが叙述トリックがある。最後の部分で,「かっちゃん」という人物は少年ではなく少女であったと明かされる。そのように読むことで違和感が解消される。そして,この物語が夢であり,夢を語った人物は記憶をなくしているという。その記憶をなくした人物こそが,物語の最後で精神科医からこの話を聞いている人物である。
     一つの短編として,奇妙な味の短編としてインパクトがある。★4で。

    〇 怖い映像 ★★☆☆☆
     主人公がテレビである映像を見て恐怖を感じる。その謎を解く。この作品もミステリ的な要素はあるが,奇妙な味の作品。主人公の男が,CMの制作会社に連絡をし,テレビで映った場所に行く。そこで出会ったナオという女性と話をして,その場所で少女暴行事件が起こり,奥田惣一という男が逮捕された。しかし,冤罪の可能性もあるという。主人公は捜査を続けるが,主人公が事件の目撃者で,主人公が証言をしなかったから奥田が冤罪となり,その娘が復讐をしようとしている。ナオという女性が,奥田の娘だと思わせて,実は殺害された少女の姉だったというオチ。一読では分かりにくい考えオチのような作品。ある意味竹本健治らしくないが,苦手な作風なのか,オチが分かりにくく,すっきりしない。★2で。

    〇 花の軛 ★★★☆☆
     男が花屋で三輪江梨香という女性と出会う。主人公の妹の紗季に婚約者がいるというが,その婚約者は天野ではなく菱崎という男だった。主人公は菱崎が江梨香のストーカーだと考えるが,真相は逆。江梨香が菱崎のストーカーだった。江梨香は,菱崎の婚約者である紗季を殺害しようとし,返り討ちにあう。主人公が仕掛けた毒で菱崎は死ぬ。
     最後に唐突に工藤が現れ,釈然としない終わり方をする。竹本健治らしいもやっとしたものが残る終わり方。江梨香がストーカーをされていると見せかけてストーカーをされているというどんでん返しと,江梨香と菱崎が死ぬというインパクトがある終わり方。まぁ,短編ミステリとしては及第点か。

    〇 零点透視の誘拐 ★★★☆☆
     大物芸能人の娘の誘拐事件が起こる。身代金奪取前に成功する寸前で犯人が消える。天野の推理は,この誘拐事件の目的は身代金受け渡しの最中で,シャッターの中にある,遺留品を回収するため。この物語の中で,天野と話していたのは,連続少女誘拐殺人犯。その人物が無に覆いつくされるという描写で終わる。
     誘拐事件はちょっとした意外な真相。それだけで終わらせるのではなく,全体を通した仕掛けに繋げている。
     誘拐テーマの短編ミステリとして見れば及第点。★3で。

    〇 舞台劇を成立させるのは人ではなく照明である
     インパクトなるタイトル。これまでの4つの短編の主人公な一同に介する。天野が全員の話を聞き,彼らは解離性同一性障害による多重人格,一人の人間の別人格だという。主人格以外を消滅させていく。まず,零点透視の誘拐の主人公を消滅させる。次に花の軛の主人公を消滅させる。三番目に、鬼ごっこの主人公を消滅させ、最後に残った怖い映像の主人公も消滅させる。天野と思われた人格も交替人格の1つ。これも消滅する。そして誰もいなくなった。

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    2019年12月22日
  • クレシェンド

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    今作は怪奇小説とか伝奇小説という括りの小説になると思う。古事記やら言霊やら日本語の特異性といった事柄に対する薀蓄がたっぷり出てくるのでそういうのが苦手な方には向かないかも。ヒロインとして出てきた真壁岬というキャラの過去の話を読むに「ははーん、これは作者の別作品にも出ているな!」と直感して調べてみたら「緑衣の牙」という小説に出ているみたい。他にも天野先生も出てくるので竹本健治作品が好きな方にはお得感があるやもしれない。

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    2019年11月11日