竹本健治のレビュー一覧

  • 囲碁殺人事件

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    ゲーム3部作の最初の作品、囲碁、将棋、コントラクト・ブリッジと続くゲームとミステリの融合が頭を悩ませます。
    三部作の中ではトランプが個人的には好きですが、囲碁が一番ミステリとして純粋に楽しめます。
    囲碁の知識はヒカルの碁程度でも大丈夫!詰碁ってなにさ!?って人でもちょっと暗号の意味が解らなくて寂しい気持ちになるぐらいです。敬遠せずに読んでみてください。

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    2009年10月04日
  • トランプ殺人事件

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    再読です。高校時代に読み「竹本健治天才!!」と絶叫したこの本は心からのオススメです。推理小説でこんなドキドキするんだと感動しました。この方の作品は難解らしく好みも有ると思いますが。智久君は永遠のアイドルです。

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    2009年10月04日
  • トランプ殺人事件

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    ゲーム三部作最終作!
    コントラクト・ブリッジの最中に鍵のかかった部屋から女性が消失、その後廃屋の密室で遺体として発見された…
    三部作順番通り読むと、作品ごとの方向性を変えているのが感じられる。
    自分が一体何を読まされているのか?物語の進む方向性も暗闇の中手探りでジリジリと進んでいる様な不安を感じつつ迎えるラスト…
    そしてここから牧場智久シリーズへと続いていく…

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    2025年10月26日
  • 涙香迷宮

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    すごい小説だった。ミステリーとしてのおもしろみには欠けるが、こういう趣向は大好きなので大いに楽しめた。自分でもいろは歌を作ってみたくなる。そういう人は多いと思う。

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    2025年05月30日
  • 涙香迷宮

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     囲碁界で有名な老舗旅館で起きた殺人事件と明治の傑物・黒岩涙香が残した48首のいろは歌に秘められた謎が交錯するミステリーで、この作品に関しては殺人やトリックよりも凄まじい難易度のいろは歌の完成度とこんなものを産み出せる作者に心底凄いという感想が浮かんだ。

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    2025年05月20日
  • かくも水深き不在(新潮文庫)

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    これはミステリか?ホラーか?幻想か?の連作短編集。
    一編ごとに成立した物語となっているが、どことなく収まりの悪さを感じながらも物語は進行していく。
    最終章「舞台劇を成立させるのは人でなく照明である」で照明が成立させる世界…読者である我々は只々受け入れるしかないのだ。

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    2025年03月09日
  • トランプ殺人事件

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    評価
     サプライズ ★★★★☆
     熱中度   ★★☆☆☆
     インパクト ★★★☆☆
     キャラクター★★★★☆
     読後感   ★★☆☆☆
     希少価値  ★☆☆☆☆
     総合評価  ★★★★☆

    サプライズ ★★★★☆
     猿使いの患者が戸川雅彦だったという部分は素直に驚いた。これは,そのようなサプライズが用意されている小説だと思わせない雰囲気があるからだろう。背景にあるのは時制の叙述トリック。しかし,時制の叙述トリックがあったとは感じさせないくらい,暗号やら事実を隠す叙述トリックがあるなど,技巧が尽くされた作品。猿使いの患者が戸川だと分かってから再読するとさらに怖い。
    熱中度   ★★☆☆☆
     大部

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    2025年02月24日
  • 狐火の辻

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    ページ数は多くなく読みやすそうだったのと、このミス1位にもなった【涙香迷宮】の作者竹本健治だったので軽い気持ちで手に取った。

    予想を大きく上回りかなり面白かった!
    怪談とホラーを上手く取り入れており、怪談部分もかなり現実的で深掘りされてるのが興味深い。

    ミステリー部分もきっちり謎に意味があり伏線回収もキレイな見事な作品でした。

    ホラー過ぎずミステリー過ぎずなので、ガッツリこの要素を求めてる人には少し物足りないかも!?

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    2024年08月13日
  • 新装版 匣の中の失楽

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    日本における第四の奇書と言われているこの小説は、1978年に発売された著者のデビュー作です。
    約800ページと、かなりの長編です。
    専門的な話が出てきますが、基本的にはテンポよく読めました。
    どんでん返しの要素もあり、本格ミステリでしたが、奇書と言われるだけのことはありました。

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    2024年04月10日
  • 狐火の辻

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    最初は一見関係なさそうな事故話や怪談話が、断片的に語られてなかなか掴みどころがないのですが、それが徐々に関係性を持ち始め、最終的に一つの線に収束するのは気持ちよかった。(謎が魅力的過ぎて、真相が少し肩透かしなのはご愛嬌)

    中盤で語られる、タクシー怪談のルーツに関するくだりはこれ一本で本書けるんじゃないかと思うほど面白かった。

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    2024年02月12日
  • 涙香迷宮

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    いろはの謎解きのクオリティが高く超大作ともいえるかもだが、
    囲碁、将棋のくだりは自分には難しくてよくわからなかった。

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    2024年01月15日
  • 瀬越家殺人事件

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    いろは文字を使ってミステリを描くという前代未聞の、確かにこれは奇書です。「涙香迷宮」を読んだ時に凄いと思いましたが、今回はそれ以上。ちなみにイラストも竹本さんなのですね。もう存分に味わいたい一冊です。
    アートブック形式なので、ページ数のわりにお値段高め。そしてこんなページ数ならさくっと読めちゃうんじゃ? と思いましたが。トータル文字数は少なくても、中身はとことん濃いです。いやほんと、いろは四十八文字でこんなことができるだなんて。きちんと起承転結のミステリになってるわ、ちょっとゴシック感のある雰囲気も横溢しているわ、ささっと読み飛ばしてしまうのはできないことはないけれど、それはあまりにもったいな

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    2023年12月17日
  • 涙香迷宮

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    パングラムとは「いろはにほへと」のようにある言語の文字をすべて使って文章を作る言葉遊びのことだそうです。例)色は匂へど散りぬるを…など

    本書はその「いろは」だけで四十八首も作成した黒岩涙香さんのパングラムが、それ自体暗号だったのでは?というミステリーでした。

    作者の博覧強記ぶりも去ることながら、やはり涙香さんの多才ぶりがすさまじいです。
    涙香さんといえば江戸川乱歩『幽霊塔』の原案者?くらいの知識しかありませんでしたが、とんでもないお方でした。
    日本ミステリーの祖なのはいうまでもなく、新聞社を経営して将棋欄や相撲欄を初めて作ったり、レ・ミゼラブルを『ああ無情』と訳したり、現在まで続くかるた大

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    2023年11月18日
  • 新装版 ウロボロスの偽書(下)

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    上巻が面白かっただけに、広げた風呂敷をさらに広げたままで終わってしまったのが残念。
    作者がやりたかったのは、そんな、小説的整合ではないことはわかっているけれど、それでももやもやを抱えながら立ち尽くす身としては、細部まできっちり作り込んだうえでのバカミスなり、トンデモ本なりを求めてしまう。

    そもそも、小説世界と現実世界が互いに入れ替わる様相は、ウロボロスではなくてメビウスなのでは?

    そして、どうしても納得のできない、恐喝のネタ。
    暴かれるといやだからといって、殺すことはないと思うのね。
    一生恨むことはあっても。
    そして隠しおおせる謎でもないと思ったのよ。
    今時、それはニュースにならないわけが

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    2023年08月29日
  • 囲碁殺人事件

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    囲碁のルールを全く知らないまま読みました
    『ヒカルの碁』を読んだ事があるくらいで
    あの漫画は面白いけど、読んでいても一切囲碁の詳しいルールを覚えられないですよね(笑
    いや、それであれだけ面白いのはもの凄いことだと思いますけど

    で、そんな状態で読んだ訳ですけども、全く知らないと言いつつも『ヒカルの碁』を読んだくらいの知識はあった方が楽しめる作品だなと思いました

    逆に言えば、その程度の知識があれば楽しむラインには立てるのではないかと

    ネタバレ無しの感想設定にしているのであまり深くは書きませんが、『囲碁殺人事件』というだけあって囲碁のルールとお話がしっかりと絡み合っています
    さすがの仕上がりの

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    2023年08月14日
  • 新装版 匣の中の失楽

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     こりゃ参りました。奇数章と偶数章で小説内の現実と作中作である虚構が入れ替わり、しかもどちらが現実かも判然としないという構成からして度肝を抜かれますが、自然科学、人文科学からカルト論までジャンルを超えて繰り広げられる目くるめく知的対話に圧倒されっぱなしでした。

     推理小説マニアの大学生・曳間(ひくま)が、密室で殺害された。しかも仲間が書いている小説の予言通りに。現実と虚構の狭間に出現する5つの≪さかさまの密室≫とは?

     『黒死館殺人事件』『ドグラ・マグラ』『虚無への供物』の系譜に連なる、正に「第4の奇書」と呼ぶに相応しい大作です。しかも著者が22歳から23歳の若さで書き上げたということにも

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    2023年05月30日
  • 涙香迷宮

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    竹本健治の長篇ミステリ作品『涙香迷宮』を読みました。
    ここのところ国内の作家のミステリ作品が続いています。

    -----story-------------
    明治の傑物・黒岩涙香が残した最高難度の暗号に挑むのは、IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久! これぞ暗号ミステリの最高峰!
    いろは四十八文字を一度ずつ、すべて使って作るという、日本語の技巧と遊戯性をとことん極めた「いろは歌」四十八首が挑戦状。
    そこに仕掛けられた空前絶後の大暗号を解読するとき、天才しかなし得ない「日本語」の奇蹟が現れる。
    日本語の豊かさと深さをあらためて知る「言葉のミステリー」です。

    こんな小説を書ける作家は世に1人、竹本

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    2023年03月25日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    小林泰三『人獣細工』、怪奇趣味的でもありSF的でもあり。
    すごいなこれ。惜しい人を亡くしたって改めて思った……

    他の作品もどれも良かったけど恒川光太郎『ニョラ穴』が特に好き。
    程よく謎が謎のまま残ってて余韻のゾワゾワ感ヤバい。やっぱホラーはこういう読後感が残ってこそですよね!

    ジワジワ怖い、ゾッとする不気味な印象の話が多め。
    同シリーズの『再生』とは毛色の違ったアンソロジーに仕上げてきたなーって感じ。

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    2023年03月20日
  • 新装版 匣の中の失楽

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    どっちが現実でどっちが虚構なのか。
    現実と劇中劇がぱたぱたと入れ替わる複雑な構造だけど、ちゃんと「今、どちらなのか。どちらの事件の話をしているのか」を明確にしてくれる文章だから余計な混乱しなくて意外とノンストレス。
    最終的に「現実」とされたサイドは本当に現実なのか。実は書かれてないだけで「……という結末にしてみたんだけどどうかな」と語り出す「真・現実パート」があるんじゃないか……みたいな不思議な読後感でした。

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    2023年03月05日
  • 囲碁殺人事件

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    棋幽戦第二局1日目を妙手で終えた槇野九段が、二日目の朝首無し屍体としてなって発見された。
    囲碁の世界を舞台としたミステリ。囲碁にまつわるあれこれで構築された謎を、ミステリの手法で解き明かす。両者が持つ純粋さが絡み合いできる美しさを堪能した。

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    2022年10月31日