竹本健治のレビュー一覧

  • 新装版 匣の中の失楽

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    面白い、面白くないという次元でなく、一体どういう事?と頭がこんがらがる。この世界の実態を掴もうとする事自体、間違ってるのかも。
    なかなか印象に残る作品。

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    2024年10月07日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    「家が呼ぶ」に大興奮して以来、すこしずつ朝宮運河さん編纂のアンソロジーを買い集めている。今作も大興奮!

    ✂-----以下ネタバレです-----✂








    はじめに収録されたタイトルドンピシャの「恐怖」は、短くもラストにドキッとする極上の作品。最初からこの作品…もう期待しかないが、続くは小松左京「骨」。じっくり掘り進められた恐ろしく壮大な情景が、蘇る記憶とともに一気に駆け抜ける大迫力に感動…。
    「夏休みのケイカク」「正月女」は現代の割と身近な景色を思い浮かべつつ読み進めていたけど、オチに違ったカラーのダークさがあり面白い。
    今回すごく好きだった「ニョラ穴」は、SFチックな作風。日本のこ

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    2024年06月28日
  • 涙香迷宮

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    『狂狂』に続き、竹本作品七作目。本格ミステリ大賞受賞作。ミステリィとしても勿論面白いのだが、それにも増して、いろは歌の数々に圧倒された…こんなにたくさん作れるものなのかと!?
    その中でもある二首(一首?)には驚愕せざるを得ない。まさに超絶技巧。日本語の無限の可能性を感じる、そんな一作です。星四つ半。

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    2024年04月27日
  • これはミステリではない

    匿名

    購入済み

    20年くらい前にミステリーランドで「闇のなかの赤い馬」を読み、なんだか印象に残る作品で続きが出ないかなと思っていたら、10年くらい前に「汎虚学研究会」が出て更に続きが気になりすぎ、遂に「これはミステリではない」を読んで、まだ続きが読みたい作品。私はとても好き。

    #ダーク #エモい #シュール

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    2023年08月29日
  • 狐火の辻

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    最初は不気味かつ断続的な話が続いて少し混乱するが、それが段々と結び付き、最後に筋が通るのが面白かった。
    初めは心霊やオカルトかと思った部分が伏線になっているのも驚きがある。

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    2023年08月21日
  • 涙香迷宮

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    ★5 暗号ミステリーの名作! 明治の鬼才作家、黒岩涙香が残した「いろは歌」の暗号を解け #涙香迷宮

    ■あらすじ
    囲碁の世界では有名な老舗旅館で殺人事件が発生した。主人公であるトップ囲碁棋士の智久は、刑事とともに事件解決を図っていく。
    一方、明治時代の作家、翻訳家である黒岩涙香の山荘が発見される。そこには「いろは歌」に関する暗号が隠されたいた。主人公、暗号解読の猛者、研究者たちが難解な暗号に挑戦するのであった。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    こいつはすげぇ… 暗号ミステリーの名作ですね。
    バケモノ感が満載、しかも楽しく読めて勉強になる、素晴らしい作品です。

    まず本書の特徴としては、文学、ミ

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    2023年06月05日
  • 新装版 匣の中の失楽

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    素直に読めば奇数章の物語が「現実」で、所謂解決編が欠けている偶数章の物語が、ナイルズの書いた小説になるのだと思う。そう読まなくったって良いのだけれど。で、そんな風に読めば、意外なくらい(アンチでない)ミステリとして、かっちりとまとまっている。発表当時ならともかく、今となってはそうしたところや全然読みやすいところが、むしろ評価ポイントな気がする。あと、ディスカッション・ドラマの体裁には個人的に、「虚無への供物」より「死霊」を連想した。

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    2021年12月25日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    角川ホラー文庫ベストセレクション第二弾。全部読んだことがあるので再読かな。しかし何度読もうと、どれもこれも文句なしの名作です。
    何度読んでも恐ろしいのは坂東眞砂子「正月女」です。どこからどこまで全部怖い。柱時計の音が怖い。登場する人たちもみんな怖い。可哀想に思えるヒロインのキャラも、実はなかなかの恐ろしさなんですよね……。
    久しぶりに読んだ服部まゆみ「雛」も、再読でさらに恐ろしくなったかも。そしてラスト、小林泰三「人獣細工」で締めるとは!

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    2021年10月16日
  • 新装版 匣の中の失楽

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    2年前に新装版講談社文庫が再発されて、特別短編「匳」が収録されたので購入して再読。
    たしかン十年前に講談社文庫で「虚無への供物」に続く第四の奇書という謳い文句で紹介され、手にとって寒い夜に読んだのが初見だった。
    始まりからして霧のかかった夜に一人歩きしている大学生のシーンだったんで、あまり期待はしてなかったのだけど埴谷雄高の「死霊」と比較すると、ああなるほどとは感じた。この作家は後に発表する「ゲーム殺人事件」や「ウロボロス」シリーズの方が理解しやすいので、そちらを読んでからチャレンジされるといいかも。
    2019年は「匣」の記念限定豪華本を上梓するとかでちょっと楽しみ。

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    2018年07月05日
  • 閉じ箱

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    確か絶版になっていた本の復刊本。作者さんの多彩な短編が楽しめる本作。読み味が異なる作品ばかりですが、気付けば幻想的で異常な世界にいたような不条理さや恐怖が楽しめました。中でも『恐怖』はコンパクトにまとまっていながら大きな衝撃と恐怖があり、鳥肌が止まりませんでした。

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    2018年06月30日
  • 新装版 匣の中の失楽

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    『虚無への供物』の後に読むとほんとに工夫されてるなと思う。別の角度から再表現してるというか。虚無への供物もそうだけれど、酩酊感で作中に気を取られているところに終盤のラッシュがあって、正気に戻って現実世界に立ち返ると、現実にいながらにして作中に巻き込まれてる。哲学の思考実験とか、不確定性原理とかスリット実験とか、ラプラスの魔とか、そういう知識を面白がって中学くらいから調べて読んでいた無意味と思われるような趣味が『匣の中の失楽』で普通に語られているのがほんとに嬉しい。四大奇書読破の最後の一冊に相応しかった。

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    2017年08月01日
  • しあわせな死の桜

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    書き下ろし「トリック芸者 いなか・の・じけん篇」含む、12の短篇。
    解説が詳しくてよい。

    <収録作>
    夢の街
    彼ら
    依存のお茶会
    妖かしと碁を打つ話
    羊の王
    瑠璃と紅玉の女王
    明かりの消えた部屋で
    ブラッディ・マリーの謎
    妙子、消沈す。
    トリック芸者 いなか・の・じけん篇
    漂流カーペット
    しあわせな死の桜

    あとがき
    解説・千街晶之

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    2017年04月24日
  • 新装版 匣の中の失楽

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    いやー、奇書。奇書だ奇書だとは聞いていたが、やっぱり奇書だった。22歳の青年がこれを書いたって?うそでしょー!?

    さしずめ現代に蘇る黒死館殺人事件ってとこか。全編を通じて醸し出されるペダンティックで奇妙な空気は、僕のようなある種の人間を熱狂させる。
    次から次へと姿を見せる謎、そして謎解き→その謎解きの否定といった推理小説の王道の繰り返し。もう、心躍らないわけがないって感じ。

    ただ惜しむらくは、最後がしりすぼみだったこと。
    結局、回収されていない謎がむちゃくちゃ多くないか?
    なんかこう「ああ、惜しい。あと1ミリだったのに」感が漂うなあ。

    ま、という欠点を補ってあまりある結論までの流れなので

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    2016年11月16日
  • 新装版 匣の中の失楽

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    この本を読んで、最初『読解力が足りないんじゃないか?』そう思った。
    しかしもう、そう思った段階で作者の罠にはまっていたのだけど(笑)。

    読んでいくうちに、幾重にもかこまれた迷宮に落ちていった。
    そして、真実とかそういうものがあまし意味をなさなくなっていく。
    仲間の殺人を信じ、それを暴こうという狂気。しかし、誰もそれに気づかない。

    そして、狂ったったまま静かに迷宮の中でゆがんだ真実と、現実をすりかえる。
    そして、そのまま音もなく本当に静かに物語は終焉してしまう。

    読み終わったとき何となく、これがフィクションで本当によかったと思った。

    ■追記■
    この作品が竹本さんのデビュー作(1978

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    2016年07月18日
  • 新装版 匣の中の失楽

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    五年以上積読だったのを、ようやく読む。
    「虚無への失楽」と「死霊」に大きく影響されているなと思いながら読んでいたが、解説を読むと確かに「ドグラ・マグラ」や「黒死舘」からの影響も。

    ミステリはとくに、登場人物が魅力的かどうかが重要視されるが、
    本作では人物の描きわけができていない、というより、されていない。
    (女性の魅力のなさも)
    そしてそれがメタミステリゆえに現れる特徴としても機能している。
    若書きの作品としては巧妙すぎて卑怯だなーと思う。
    登場人物たちは、いや「人形たち」は全員平板な顔つきをした、紙に書かれたままの顔で、語る、語る、語る。

    とにかく独特の空間を作り出してい

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    2016年07月13日
  • 新装版 匣の中の失楽

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    前に双葉文庫版を読んでいるから、一応再読に入るのかしら?やはり凄い作品だ!一体どちらが現実で、どちらが作中作なのか全くワカラナイ…この終わり方では彼ら自体もしかしたら存在などしていなかったのでは?・・と、思ったり思わなかったり。とにかく頭の中がパニックになること必須。これを機にたくさんの人に読まれますように。ちと高いけどw

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    2016年07月06日
  • 新装版 匣の中の失楽

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    ページの多い本だったけど、集中して面白く読めた。
    勿論、古い作品で謎な部分も多いので、全てを読みつくしたのではないことは
    わかっているが、それでもやはり面白い。

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    2016年01月31日
  • トランプ殺人事件

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    ネタバレ

    日本では数少ない暗号小説の傑作。一冊の小説の中にブリッジの用語辞典がまるまる入っているという型破りなスタイルは、すれっからしのミステリ・ファンを心地よく挑発してくる。そして魅力的な謎が見事に解き明かされた後で、なお残る深い余韻。
    「匣の中の失楽」でデビューした竹本健治という特異な作家にとって、本作を含む「ゲーム三部作」とは「ウロボロスの偽書」へ到る過程の作品なのか、それとも本格ミステリとメタ・ミステリが奇跡的にバランスした一つの到達点なのか。
    いずれにしろミステリ・ファンにとっては、最高の悦楽を与えてくれる必読の作品であることは疑いない。

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    2013年02月13日
  • キララ、探偵す。

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    ちょっとエッチなシーンもあったりするけれど、基本的にはミステリ。
    キャラが立っているので、読んでいて面白い。

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    2010年02月12日
  • 将棋殺人事件

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    後から全ての糸および意図が繋がる作品。
    将棋がさせる人はもっと楽しく読めるのだろうな・・・うらやましい!

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    2009年10月04日