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明治の傑物・黒岩涙香が残した最高難度の暗号に挑むのは、IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久! これぞ暗号ミステリの最高峰! いろは四十八文字を一度ずつ、すべて使って作るという、日本語の技巧と遊戯性をとことん極めた「いろは歌」四十八首が挑戦状。そこに仕掛けられた空前絶後の大暗号を解読するとき、天才しかなし得ない「日本語」の奇蹟が現れる。日本語の豊かさと深さをあらためて知る「言葉のミステリー」です。
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Posted by ブクログ
『狂狂』に続き、竹本作品七作目。本格ミステリ大賞受賞作。ミステリィとしても勿論面白いのだが、それにも増して、いろは歌の数々に圧倒された…こんなにたくさん作れるものなのかと!? その中でもある二首(一首?)には驚愕せざるを得ない。まさに超絶技巧。日本語の無限の可能性を感じる、そんな一作です。星四つ半。
★5 暗号ミステリーの名作! 明治の鬼才作家、黒岩涙香が残した「いろは歌」の暗号を解け #涙香迷宮 ■あらすじ 囲碁の世界では有名な老舗旅館で殺人事件が発生した。主人公であるトップ囲碁棋士の智久は、刑事とともに事件解決を図っていく。 一方、明治時代の作家、翻訳家である黒岩涙香の山荘が発見される。そ...続きを読むこには「いろは歌」に関する暗号が隠されたいた。主人公、暗号解読の猛者、研究者たちが難解な暗号に挑戦するのであった。 ■きっと読みたくなるレビュー こいつはすげぇ… 暗号ミステリーの名作ですね。 バケモノ感が満載、しかも楽しく読めて勉強になる、素晴らしい作品です。 まず本書の特徴としては、文学、ミステリー、いろは歌、囲碁や連珠など、様々なウンチクが盛りだくさんなんです。古いアナログゲームや文学の研究書を読んでるみたいなの。 暗号ミステリーは『黄金虫』や『踊る人形』あたりは有名で読んでますが、他の作品についてもいろいろ紹介がされていて、興味深く読ませていただきました。 また『五目並べ』は知ってはいますが、『連珠』なんて名称は知りませんよ。しかもこんな深いルールや歴史があったなんて勉強になるなぁ。そして昔の人はスゴイ。 最近話題にもなっているは『ウミガメのスープ』も登場します。今はデジタルゲームが主流ですが、アナログな遊びやゲームも、残り続けてほしいですね。 そして本書のメイン「いろは歌」ですよ。 マジかよ、おいっ!て内容で、もう驚愕でしかありません。天才なのか変態なのか、あまりのすばらしさにド肝を抜きます。しかも終盤に出てくる奴なんてね… もうなんも言えねぇっす なお、物語としてもミステリーファンが納得する内容になっていますね。 少しずつ不穏な空気になり、ついにはクローズドサークルに… 特にお気に入りは、犯人の動機ですね。この作品だからこその動機で、すっかり感服しました。 ■きっと共感できる書評 現代はAIの時代で、これからもどんどん発展していくでしょう。 チェスや将棋などの戦略ゲームの解析はもちろん、言語生成、画像や映像生成まですべて機械処理で可能です。 それは素晴らしく便利で画期的ではあるのですが、どんなに情報整理が巧みになっても得られないものがある。人生を豊かに生きるには、個々人の経験や体験に勝るものはありません。 いろは歌でも、囲碁でも、将棋でも、なんでも夢中になれることはホントに幸せですね。さて、今日も本を読もう。
すごい小説だった。ミステリーとしてのおもしろみには欠けるが、こういう趣向は大好きなので大いに楽しめた。自分でもいろは歌を作ってみたくなる。そういう人は多いと思う。
囲碁界で有名な老舗旅館で起きた殺人事件と明治の傑物・黒岩涙香が残した48首のいろは歌に秘められた謎が交錯するミステリーで、この作品に関しては殺人やトリックよりも凄まじい難易度のいろは歌の完成度とこんなものを産み出せる作者に心底凄いという感想が浮かんだ。
いろはの謎解きのクオリティが高く超大作ともいえるかもだが、 囲碁、将棋のくだりは自分には難しくてよくわからなかった。
パングラムとは「いろはにほへと」のようにある言語の文字をすべて使って文章を作る言葉遊びのことだそうです。例)色は匂へど散りぬるを…など 本書はその「いろは」だけで四十八首も作成した黒岩涙香さんのパングラムが、それ自体暗号だったのでは?というミステリーでした。 作者の博覧強記ぶりも去ることながら、...続きを読むやはり涙香さんの多才ぶりがすさまじいです。 涙香さんといえば江戸川乱歩『幽霊塔』の原案者?くらいの知識しかありませんでしたが、とんでもないお方でした。 日本ミステリーの祖なのはいうまでもなく、新聞社を経営して将棋欄や相撲欄を初めて作ったり、レ・ミゼラブルを『ああ無情』と訳したり、現在まで続くかるた大会を主催したり、囲碁やビリヤードは玄人はだしだったり、その万能ぶりは遊芸のレオナルド・ダ・ヴィンチと称されるほど、だそうです。 なかなか渋いいろは歌。 * ふうりんのねよ さやけくも ときつあいろを わたらひぬ ゆめちるまへに こゑせしか むゐそおほえて すみれはな 風鈴の音よ 清けくも 時つ隘路を 渡らひぬ 夢散る前に 聲せしか 無為ぞ覚えで 菫花 * 次は涙香さんに関する本を読んでいきたいと思います。
竹本健治の長篇ミステリ作品『涙香迷宮』を読みました。 ここのところ国内の作家のミステリ作品が続いています。 -----story------------- 明治の傑物・黒岩涙香が残した最高難度の暗号に挑むのは、IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久! これぞ暗号ミステリの最高峰! いろは四十八文字を一...続きを読む度ずつ、すべて使って作るという、日本語の技巧と遊戯性をとことん極めた「いろは歌」四十八首が挑戦状。 そこに仕掛けられた空前絶後の大暗号を解読するとき、天才しかなし得ない「日本語」の奇蹟が現れる。 日本語の豊かさと深さをあらためて知る「言葉のミステリー」です。 こんな小説を書ける作家は世に1人、竹本健治しかいない! ──ような気がする。 ──綾辻行人 セカイを再編集する悦び。 言葉の総てがセカイになる驚き。 堪能できます。 ──京極夏彦 ・第17回本格ミステリ大賞 小説部門 受賞 ・「このミステリーがすごい!2017年版」(宝島社)国内編第1位 ・第40回「週刊文春ミステリーベスト10」 国内部門第3位 ・「ミステリが読みたい! 2017年版」(ハヤカワミステリマガジン)国内篇第2位 ----------------------- 2016年(平成28年)に刊行された、IQ208の天才少年囲碁棋士・牧場智久が探偵役として活躍するシリーズ作品です。 ■発端 ■もうひとつの発端 ■経緯 ■発掘調査 ■嵐の前 ■嵐 ■暴風雨の底で ■解読 ■真相 ■解放 ■あとがき ■解説 恩田陸 囲碁界では有名な老舗旅館で発生した怪死事件… IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久は謎を追いかけるうちに明治の傑物・黒岩涙香が愛し、朽ち果て廃墟になった茨城県の山荘に辿りつく、、、 そこに残された最高難度の暗号=日本語の技巧と遊戯性をとことん極めた「いろは歌」48首は天才から天才への挑戦状だった……。 面白かったですが… それ以上に「凄いっ!」という印象の強い作品でしたね、、、 48語を一度ずつ、全て使って作られる、日本語の技巧と遊戯性を極めた「いろは歌」に何重もの暗号が仕掛けられているのですが… これだけの数の「いろは歌」を考えて、その中で暗号を仕掛けるなんて、想像を絶することですねー ホントに驚きです。 そして、国内ミステリの始祖であり、優れたジャーナリストであり、数多くの趣味娯楽で一流の腕前を持つ黒岩涙香を絡めた展開も印象的でしたね… ホントに凄い暗号ミステリでした。
蘊蓄部分はよく分からず、流し読みしました。しかし、日本語ってすごい。こういったものを作れる言語センスが素晴らしく、信じられない。
竹本健治の涙香迷宮を読みました。 囲碁、将棋、トランプ、匣、涙香と5冊目になります。 どれもハズレがありませんでした。 まだ未読未入手のものを読みたいと思うばかりです。
なんといっても空前絶後のいろは歌暗号に尽きるでしょう。あとがきによると、本作のために用意されたわけではなく、作者さんが趣味で作っていたいろは歌暗号が先にあって、ということのようだけれど、それはそうだろうね。どこかで作中でのいろは歌に対する賛辞、つまり自讃が過ぎるというような批評を目にしたのだけれど、...続きを読むこれだけのモノを作ったら、少々自讃したところで罰は当たらないと思う。正直、ここまで最初から解いてみる気にならない、ミステリの謎もないが、謎解きの過程でのカタルシスはまれに見るもの。いやー面白かった。
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