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実在のミステリ作家らを襲う奇妙奇天烈な"うんこ事件"。竹本健治の連載ミステリに混入する眩暈と戦慄の物語。綾辻行人、小野不由美、笠井潔、新保博久、法月綸太郎、麻耶雄嵩、山口雅也が推理合戦を展開、小説ジャックまで強行される。物語中に有名作家が突如原稿を混入し、謎は深まる一方。世界は擾乱され朦朧胡乱の淵に転落した。
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Posted by ブクログ
○ 総合評価 ★★★☆☆ 〇 サプライズ ★★★☆☆ 〇 熱中度 ★★★★☆ 〇 インパクト ★★☆☆☆ 〇 キャラクター ★★★☆☆ 〇 読後感 ★★★☆☆ 総合評価 ★★★☆☆ 竹本健治によるウロボロスシリーズの第二弾。実名小説パートでは、うんこ事件の真相を...続きを読む推理することになる。うんこ事件とは以下のとおり: ○ 第一のうんこ事件 京都大学ミステリ研究会の部室で、「ブレード街の殺人」という本にうんこがされるという事件。この事件は15年ほど前の事件 ○ 第二のうんこ事件 山口雅也の家で、「ビッグ・ボウの殺人」という本にうんこがされるという事件 ○ 第三のうんこ事件 新保博久の家で、「うんこ殺人事件」という作品にうんこがされるという事件 ○ 第四のうんこ事件 笠井潔の家で、「バーナビー・ラッジ」という作品にうんこがされるという事件 ○ 第五のうんこ事件 田中幸一がうんこまみれの死体で発見されるという事件 実名パートとは別に「麻生邸」という館で、殺人事件が起こる。水樹という5歳の少年の殺人事件があり、火巳子という女性が自殺する。また、木羅という女性が死体で見つかる(事故とも目される。)。これらの麻生邸には、「牧場智久」と名乗る少年や、矢吹駆と名乗る探偵が出てくる。 実名パートには、うんこ事件の推理合戦や、法月、綾辻、麻耶などの原稿、物理などの雑学についての記載や、漫画まで含まれる。 その後、竹本竜都が、チェーンの掛かった部屋から消失するという事件を経て、実名パートと麻生邸パートの事件が交錯する。麻生邸事件の謎は、矢吹駆と名乗っていた笠井潔が解明し、犯人は成海という女性ということで終わる。麻生邸パートを一人称で記述していた「冥王星」に当たる人物は、冥王星が惑星ではなくなってしまうことを予見するように、まるで物語に登場しなかったかのように消滅していく。 実名パートは、第1、第2のうんこ事件については真相は語られず、第3、第4のうんこ事件は田中幸一の仕業であるとされ、第5のうんこ事件の犯人は、オリエント急行殺人事件のように、あまたのミステリ作家ということにされてしまう。 そして、杉田朋江として竹本健治の周囲に現れていたのは小野不由美であったという真相で終わる。 ウロボロスシリーズの雰囲気は大好きだし、竹本健治の文体は肌に合う。雑学部分も楽しく読めた。好みの作風で、好きな作家なので、ひいき目で見ているが、客観的に見ると、ウロボロスの基礎論は、優れた作品とは言えないと思う。もしかしたら、実名で登場していた作家達から横槍が入ったのかもしれないし、私の読解力が足りないだけかもしれないが、物語としては割り切れない部分が残ってしまっているように思う。 うんこ事件の真相も、犯人の血液型といった物的な証拠が出てないので、いかようにも解釈できる。第5のうんこ事件の真相も、一応の推理はされているが唐突すぎる。杉田朋子=小野不由美という真相は、伏線もあり、納得し得るが、そもそも物語の本筋にあまり関係がないように思える。小説ジャックの真相も不明 総合的に見ると、甘くみても★3止まりだろう。 ○ 実名パートの登場人物 竹本健治 本作品の著者 笠井潔 ミステリ作家。うんこ事件の被害者のひとり。宇川邸での推理合戦にも参加する。矢吹駆という名前を騙り、麻生事件にも関わる。 山口雅也 ミステリ作家。「うんこ事件」の被害者のひとり 乾敦 ウロボロス偽書から登場人物のひとり。早稲田ミステリ倶楽部出身 中井英夫 虚無への供物の作者。作中で死去する。 宇山日出臣 新本格の仕掛け人である講談社の編集者 島田荘司 ミステリ作家。ウロボロスの基礎論ではチョイ役 綾辻行人 ミステリ作家。ウロボロスの基礎論では、一部、原稿を記載し、田中幸一が全く美青年でないことを書く。宇川邸での推理合戦にも参加する。竹本健治により、犯人探しのために採取されたうんこから、ガンであることが分かる。 小野不由美 作家。綾辻行人の妻。宇川邸での推理合戦にも参加する。杉田朋子として竹本健治の周囲に何度も現れ、酉つ九の名前で小説を書いて賞に応募したりしたのも彼女 法月綸太郎 ミステリ作家。宇川邸での推理合戦にも参加する。 麻耶雄嵩 ミステリ作家。宇川邸での推理合戦にも参加する。 竹本竜都 竹本健治の息子。4歳 田中幸一 ミステリ評論家。第5のうんこ事件の被害者。何もあんな殺され方をしなくても…。 六反田良平 京都大学の学生。ミステリ研究会に所属 新保博久 ミステリ評論家。うんこ事件の被害者のひとり。証拠物件としてうんこを採取する。 東海洋士 竹本健治の友人。匣の中の失楽の「根戸」のモデルと言われる。 橘田 中井ファンで研究所に務める女性。うんこを検査する。 ○ 麻生邸パート 水樹 麻生邸事件の最初の被害者。5歳の子ども。「水星」に位置づけられる。 金江刀自 「金星」に位置づけられる。 月彦 「月」に位置づけられる。 火巳子 水樹の母。自殺する。「火星」に位置づけられる。 木羅 麻生邸事件の第二の被害者。「木星」に位置づけられる。 珂土 「土星」に位置づけられる。 天音 「天王星」に位置づけられる。 成海 「海王星」に位置づけられる。 日馬 「太陽」に位置づけられる。 牧場智久と名乗る少年 本名江川欄。麻生邸事件のパートでは頭を殴られ、実名小説パートでは記憶を失い、「天使」として登場する。 「冥王星」の位置づけのおとこ 名前は出てこない。麻生邸事件パートの記述者。水樹を殺害する。
一読、とても疲れてしまった。 面白かったか面白くなかったかといえば、面白かったんだけど、とにかく、ついていくのが大変。真相も、酉つ九を名乗っていた人の正体と、竜ちゃん消失の謎と、うんこすりかえの謎は明らかにされたけど、あとはどうなっているのかよくわからないまま……。うんこ事件の謎は、あそこで竹本さん...続きを読むが言った通りの解決でいいのかな?麻生家も、よくわからないまま……。というか麻生家事件の「僕」って名前明らかにされていた?あの人は結局何ものだったのか……。水樹くんをぶら下げたのは誰?骨揚げの時の謎のプレートは何??そういうのほっぽり出してると「あとがき」でも指摘されてるけど、ううん座りが悪い。しかし私は「血の巡り」は悪いけど、素直な読者でもあるので、「こういうもんだ」とされたら「そうか、こういうもんか」と受け入れてしまうので、それはそれとして楽しんだ。「そこはそれ」だもんね……トリック芸者シリーズ大好き。 ただ、「うんこ事件」「麻生家事件」はともかく、間に挟まれる小説ジャックの「評論」「物理論」「仏像論(?)」あたりは、小説との有機的なつながりがどうにもわからなくて、とにかく読むのに苦戦した。衒学的なのは好きな方なので、全然読まずに飛ばすようなことはしないんだけど、特に物理論には苦戦……あの「ボーア博士」、夢の中だけど何かほかに正体があるような感じだった。神様?中井さん? それにしても、うんこうんこ出まくりで、自分の中の小学生男児(うんこ漢字ドリルで喜ぶ)を発見してしまった。不覚。終盤の、例のブツのすりかえについて、採取装置の説明をしつつ解決し、ブツの主を明らかにするシリアスなシーンも、シリアスなのに「こんな方法でとったんかい!うわっいやだな!」みたいな、笑いと驚きでテンションが保てず、その感情の振れ幅も読後の疲労感に影響している気がする。すごい疲れるよ。 25年も前の本なので、一部よくわからない言葉も出てきて、ちょっと新鮮だった。 パラノ人間→偏執的な人間、スキゾ人間→分裂的な人間ということ? ちょっと調べてみたら、バブルのころの流行語だったみたい。おもしろいな。 例のヤオイ文化についてのくだり、あまりにもすごくて笑ってしまった。途中引用されているマンガ?は本当にそのミスパロなのかな。びっくりしたわ。すごい世界すぎて変な笑い声出た。島田先生が綾辻先生と三人の時にほんとにそんなことおっしゃったのかしら……と笑ってしまった。でも実際本出してるわけだし、御手洗シリーズのどれかにミスパロサークルの座談会みたいの載せてたし、交流あったのもホントなのかな。しかも名古屋なんだ……。絶句。 もう一度頭から読まないと理解できないけど、もう一度頭から読む元気がない。いつか再読しよう。 全編にわたって中井英夫の「のろい」のようなものがかかっていて、その影響力に圧倒された。ずっといつか読んでみなくてはと思いつつ、大変そうで手が出なかった「虚無への供物」をついに読む決心をした。でも、これを読み終わった直後にはちょっとむつかしい。「普通の」ミステリで頭と心をリセットしないと……。 あと、ミステリの評論について、今まであまり関心がなかったんだけど、ちょっと読んでみたなという気になった。やたらと評論が盛んな文芸ジャンルという意味で、ミステリとSFってかなり特殊なんじゃないかと思ってたけど、読めばわかるかな。
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