明野照葉のレビュー一覧

  • そっと覗いてみてごらん

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    とても嫌な気分になるサスペンス。でも読み始めたら止まりません。
    一見「いい人」で、ひたすら恵まれた環境に置かれた主人公。順風満帆に思えたその生活が、徐々に崩れていくさまがなんとも恐ろしく。だけど結局自業自得なんじゃ? と思えてしまいました。確かに彼女の行動には、認識が甘い部分が多すぎます。まあさすがにここまでだとちょっと可哀そうだけど。
    しかしこういうのは、誰にでも起こりうることなのかもしれません。くれぐれも「発言」には気を付けないとなあ。

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    2013年05月20日
  • そっと覗いてみてごらん

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    再読。
    面白かった。
    石屈日和は文具メーカーで働く30歳。創業者の孫であり、職場では恵まれた立場、親戚から格安で借りた高級マンションに住み、好意を寄せてくれる男性もいる。
    刺激を求めて始めた毒舌ブログ、個人を特定するのは簡単であり、何が災いするのか、恐ろしい世の中だ。

    2013.5.13
    そこそこ恵まれた人生を送っている30歳独身女性、本人も運がイイと自覚しており、このまま人生が進んでいくものと思っていたが思わぬ落とし穴が。
    主人公、脇が甘すぎるのだが、恵まれて育っただけに人を羨んだり疑ったりすることがない。
    さらって読めて面白ろかった。

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    2013年05月13日
  • 家族トランプ

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    ネタバレ

    『干支3回りが限度』何の限度か。思わず笑ってしまう親からの宣言。この言葉をきっかけに自分を見つめなおす主人公が微笑ましい。結婚とは、家族とは、普通の幸せとは?

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    2013年02月24日
  • 契約

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    一種独特で不穏な空気感が物語を最初から最後まで
    包み込んでいました。

    主人公牧丘南欧子34歳、つまらない仕事にくだらない恋人
    まさにさえない日常に怠惰な生活
    自分の人生はこんなハズじゃなかった・・・。

    そんな思いになってしまうのはきっと彼女が小学生時代の
    輝かしい過去を忘れられないからだと思う
    人はそんな経験をしてしまうと今の自分の姿、境遇を
    容易に受け入れられないものかもしれない。

    そんな彼女の心の隙をつくようにヘッドハンティングの申し出が
    舞い込みます。契約の内容は破格の報酬と不思議な仕事内容
    うまい話には何とやら・・で彼女も最初は疑い悩みますが
    彼女の背中を押すような事柄もあり南欧

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    2017年09月20日
  • その妻

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    プライドを傷つけられた女性の変貌。まさに鬼(笑)
    夫と以心伝心と言いつつ、チラチラとヒントをほのめかして思い通りに操縦しようという計算がなんとも…

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    2012年08月12日
  • 冷ややかな肌

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    こわ〜〜〜。


    最初はまったくよくわからなかった。
    主人公・夏季の焦りはまだわかる。
    でも、その夏季がいらつかされている、後輩にあたしはいらつけなかった。

    そこでちょっとだけ世界に入れず。

    主人公達が関係するやり手の女性、真理のすごさは伝わった。
    限りなく主張がなく、こだわりもなく、
    周りに主張なくとけ込む人と言うのは、いそうでいない。

    ニンゲンはおそらくは、誰かと違う存在でありたいベクトルを志向するはずだと思うから。

    真理の目的がそれをこえて、
    自分の存在の主張以上の大きなものに向かっていたというのはナットク。
    さらにそこにこそ、彼女の求めていたものがあったと言うのも。

    でも、そ

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    2012年07月17日
  • 憑流(hyoryu)

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    面白かった。今まで読んだ明野さんの作品の中では
    一番好きかも。
    救いのない終わり方といってしまえば
    それまでだけど、明野作品にみられる
    「罠」の中で一番魅力的な「罠」だな。

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    2012年04月29日
  • 澪(みお)つくし

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    最初の「かっぱタクシー」で背筋がゾゾってなった><
    ホラーと呼ぶほどではないけど、
    静かな怖さがある。

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    2012年04月23日
  • 契約

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    34歳のマンネリ化した毎日をすごすOL南欧子に、ある日高額で彼女を雇いたいという誘いが来る。それには知性と美貌と教養が必要とあって、まず自分を磨きあげることが条件とされていた。「マイ・フェア・レディ」のように、期日までダイエットをしエステに通いマナーを学ぶ南欧子。それらの費用は全部誘った雇い主持ち。
    そして、契約書にサインをし、南欧子は正式にこの誘いを受け入れたが、そこには実は周到なワナが仕組まれていた。

    女性とはこんなにも執念深いものか。
    小学生の頃に受けた心の傷から復讐を誓い徐々に相手を追い詰めるやり口は、確かに女性独特の復讐の手段かもしれない。
    殺人も脅しも何もないミステリーだが、その

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    2017年11月09日
  • 感染夢

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    幸せに暮らしていた従兄弟が、愛する子供や妻を殺して心中する。その従兄弟の遺品を親族の代わりに受け取った主人公阿部隼人は、従兄弟が残したメモを見て、自分が最近見ている悪夢と同じような夢に苦しめられていることを知って驚く。阿部の彼女も同じ夢を見ていることを知り、更に、二人の祖先の故郷が同じであることを知る。彼らの周囲で、夢に出てくる女が出没し、悪夢は進化していく・・・。

    主人公側のストーリーと、夢にでる女側のストーリーが交互に進んでいく形式で、謎も少しずつ明らかになるところが面白い。
    ちょっと、原因に納得性が弱い感じもするが、そんなことよりも物語が醸し出す妖しさに、ついつい読み進めてしまう作品。

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    2011年11月19日
  • 輪(RINKAI)廻

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    嫁ぎ先の姑と実の母親ともうまくいっていない香苗
    実の親との確執は違和感があるぐらい・・・

    どうしても逃れられない怨念と復讐は恐ろしい
    そして、それを金儲けにかえようと群がる人

    怨念と復讐に翻弄される香苗の人生は切ないです。

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    2017年09月20日
  • 棲家(新装版)

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    日常がほんの少しのきっかけで
    非日常になってしまう。それが怖い。

    「あばたもエクボ」を隠喩している本。

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    2011年06月28日
  • 降臨

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    密かに忍び寄る、日常の違和感。

    ぎしぎしと、というよりもわずかにきしみ、
    いつの間にか気付いたらそこにあった、壁のわずかな亀裂のような。
    あるいはふとしたときに気付く、こんなところにあったかしら?というシミのような。

    正直読後感は悪い。
    明るく描かれた家族がふと、次の作品で追い込まれている苦しさ。

    降臨、と言うタイトルからむこうの世界の、あるいは宗教のような、
    超・次元の話を想像したのだがそれはまるで違っていて。

    しんしんと胸に詰まってゆく、見えない汚濁。

    すごく怖くて、本当に気持ちの悪い、優秀作。
    特に最後の一作は、ぐらっと揺れるような、底冷えのする、悪意にやられた。

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    2011年04月13日
  • 冷ややかな肌

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    全体的にダークな雰囲気。
    でも結構楽しめた。明野さんの本はこれが初めてだけど、あと数冊読んでみようかな。

    商社の中の人ってこんな事までするんだ~、と妙な所に興味深々。

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    2011年01月16日
  • 25時のイヴたち

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    ネット犯罪を通して、女性の悪意と狂気を描いた作品。
    私も女子校出身ですし、今も女の園におりますけど、
    いやいやそんな怖いもんじゃないよと思いながら読んでいました。
    それとも私が単に、突如としてできるぽっかりとした穴に落ちることなく
    たまたま上手くやってこれているというだけなんでしょうか…

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    2010年12月31日
  • 25時のイヴたち

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    再読。
    後味は良くない。
    どんな場においても本音を語るのは危険な世の中になってしまった。

    2010.12.19
    女性限定の隠しサイトを通じて知り合った二人の女性の物語。
    隠しサイト、いかにもありそうで怖い。
    読後感の良くない作品だけど、面白い。

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    2014年07月28日
  • 冷ややかな肌

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    現代版1984年って感じ。
    あ、もちろんジョージ・オーウェルの方です。
    目立たない女が一番怖いっていうのは
    確かに頷ける。

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    2010年11月21日
  • 冷ややかな肌

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    十年の商社勤めの末、三十四歳にして「島流し」の憂き目にあった夏季は、出向先のレストランチェーンの若き支配人、渡辺真理の手腕に羨望と疑念を抱く。地味な外見、希薄な存在感に反して発揮される冷徹な決断力と異様な行動力。夏季は後輩とともに秘密を探り始めるが…日本にいながら日本人のルールから外れて中国的なルールに生きた時に新たば世界が広がる。
    面白い。

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    2010年11月13日
  • 赤道

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    再読。
    タイのバンコク、アパートの一室。
    男は、全身を切り刻まれ、鮮血に染まっていた。
    子どもの炉から優秀で、バブル崩壊後に会社の命によりバンコク赴任した男の転落。
    バンコクを味わいたくて読んだが、それよりも過去を引き摺らないで生きる、心に突き刺さる内容だった。

    2017.7.26
    バンコクで沈没している人々の生活を読みたくて再読。
    面白かった。
    バンコクに滞在しその日暮らしのシュウ、周りの日本人のようにタイの気風に溶け込めず、かといって日本に帰ることもできない。
    前回ほど怖いとは思わなかった。
    心の闇を抱え、流されるままの人生。
    シュウの奥底にある本質、人となりが興味深かった。

    2010

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    2017年07月27日
  • さえずる舌

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    再読。
    これも知性・美貌を備えカリスマ的な魅力をもつ完璧な女性の話。
    主人公である心理カウンセラー 真幌が完璧な女性 芽衣を雇い入れたことからスタッフ間に歪みが生まれる。
    真幌が自分を守る気持ちを否定するのは理解できないが、充分に面白かった。

    2010.10.5
    面白かった〜
    この作家さんにしばらくハマリそう。

    最後がちょっと尻つぼみかな。
    完璧な女性である芽衣に関しての分析は腹に落ちないし、真幌の自責の念は優等生過ぎ。誰でも自分が可愛いし、保身の気持ちを否定することはないと思う。
    芽衣と沢崎との攻防が中途半端に終わったのは残念。

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    2014年07月10日