明野照葉のレビュー一覧
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ネタバレ三人の共通点は孤独。
そこにスッと入ってくる一人の女性、晴美。
最初は孤独じゃなくなったこと、誰かと食事をし、会話をする、約束をして会う、彼女との日々を大切に、日々を過ごし楽しかったのだが…。
そんななかで、少しずつ彼女の言っていることに齟齬が。そんなはずはないと思いながらも、疑ってしまう気持ちが止められない。それでも孤独よりは…と思う者、真実、本当が知りたいと動きだす者。
晴美の淀みなく出てくる嘘、もう逃げられないんじゃないかと思っても、次から次へと嘘をつく晴美。
彼女が最終的にどう三人と向き合うのか逃げるのか、どうなるのか気になって一気読み。
彼女が瑞枝に語った「本当の話」が最 -
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「この世は舞台、人はみな役者」という劇作家シェークスピアの言葉を地で行く作品。もう誰の何を信じていいのか、全く分からない。人は生きていく限り、TPOに合わせた何枚もの仮面を被っている。もはや本当の自分は誰にも見えていないのかもしれない。
他人を利用し、利用され、いわゆるマウント合戦とも言える構図が全面に張り巡らされている。現代社会においても、この構図はあらゆる場面であることなので、つい共感してしまうことも多い。「負けたくない」「誰かに必要とされていたい」など様々な欲望が渦巻く人間関係の闇を描き出しているように感じる。本当に、人間は怖い。 -
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ネタバレ老舗画廊勤務の中田由紀と妹の美久は幼い頃電車事故で両親を亡くし、それいらい2人で仲良く暮らしていた。
この度、由紀が悠介と婚約しその前にと、突然1人旅に12日ほど行った。
旅のことは何も聞かないでほしいし、話さないと美久に言っていた。
今までこんなことはなかったのに、と不思議に思いながらも姉を送り出す。
旅行から帰ってきた姉はこれまで穏やかだった性格が豹変し、暴言、暴力を振るうようになる。持っていたものも捨てて全く趣味が変わり、飲み歩くようになり、知らない友達と付き合うようになる
それが何ヶ月と続き、豹変ぶりに困った美久と悠介は密談をするようになり、同じ境遇にいる2人は由紀をどうすればいいか相 -
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若くして人材派遣会社の社長である『姉』の麻生陶子は、結婚寸前までいった男性を後輩の女性に奪われ、精神を病んで製薬会社を辞めた『妹』の久恵と二人暮らしをしている。
表参道にある会社からほど近いマンションに住み、高級ブランド品を身につけ、それに相応しい容姿を持つ陶子に対して、童顔で背が低く、愚鈍な雰囲気の久恵。陶子はそんな久恵をまるで家政婦のように扱い、ときには感情に任せて暴力さえ振るっていた。そこには人生の勝者と敗者としての力関係が、あからさまに存在していた。
それでも久恵は美しい陶子が好きだった。加えて彼女には生活の面でも面倒をみてもらっていたから、久恵は陶子から離れることはできない。陶子にと