あらすじ
不可解な夢に現れる、妖艶な女。夢から夢へ、不幸が伝染してゆく……。ベストセラー『契約』『汝の名』の明野照葉の原点といえるサスペンスホラーの傑作がついに電子化! 幸せな暮らしを営んでいたはずの従兄弟が、一家心中を遂げた。阿波隼人は、従兄弟が生前、不可解な夢に苦しんでいたことを知り驚愕する。隼人も、同じ悪夢に魘されてされていたからだ。夢に出てくる女は誰なのか。そして、隣に越してきたあの女は――隼人の日常が、少しずつ狂ってゆく。衝撃のラストまで繰る手が止められない、ノンストップホラー!
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Posted by ブクログ
幸せに暮らしていた従兄弟が、愛する子供や妻を殺して心中する。その従兄弟の遺品を親族の代わりに受け取った主人公阿部隼人は、従兄弟が残したメモを見て、自分が最近見ている悪夢と同じような夢に苦しめられていることを知って驚く。阿部の彼女も同じ夢を見ていることを知り、更に、二人の祖先の故郷が同じであることを知る。彼らの周囲で、夢に出てくる女が出没し、悪夢は進化していく・・・。
主人公側のストーリーと、夢にでる女側のストーリーが交互に進んでいく形式で、謎も少しずつ明らかになるところが面白い。
ちょっと、原因に納得性が弱い感じもするが、そんなことよりも物語が醸し出す妖しさに、ついつい読み進めてしまう作品。
Posted by ブクログ
じわじわと日常に侵食していく様子は日本的?なホラー小説だなと感じる。
夢というのは夢占い等古典の時代から重要視されていたことではあるが、この小説では夢がきっかけとなり日常が変化していっている。
人は寝なければ生きていけないし、必要な行動であるため強く日常に根ざしている。そこから少しずつ変化していく様はまさしくホラーだと思う。
終わり方は何となく「あぁ〜」という感じであった。