あらすじ
三十代の若さで事業に成功し、誰もが憧れる優雅な生活をおくる麻生陶子。だが、その美貌とは裏腹に、「理想の人生」を手に入れるためには、恋も仕事も計算し尽くす人間だ。その陶子には、彼女を崇拝し奴隷の如く仕える妹の久恵がいた。しかし、ある日、この歪んだ姉妹関係が崩れ始め、驚愕の真実が明らかになっていく……。〈解説〉大矢博子
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
面白くて一気に読めた!最後は流石陶子だな、とスッキリできたし陶子のような女になりたい。。。その後久恵は陶子にどんな復讐をするのか気になる。
Posted by ブクログ
とても面白かった。
負け組、勝ち組。弱い、強い。自己責任、存在価値、幸せとは。「比べる」をやめられない。人間の「欲」の話。
完璧に見える人間もどこか作り物で、どこか疲れていて、どこかで自由になりたいと思っている話。
完璧って何をもって完璧なのか人間の欲は計り知れない。仕事も地位も名誉も恋愛もなにもかもほしいと望む女の話。
誰かに憧れたりするのはいいけれど、その人になりきることがしあわせだと思ったら不幸になる。その人の幸せはその人のものであって、決して自分の幸せではないということを肝に命じないといけない。
誰かに憧れて近づきたいと思ってもその中で、自分の目標を立てなければ路頭に迷う、幸せは遠くにいってしまう。むなしくなるだけ。
自分が本当に望むものを手にしなければ幸せになれない。
他者に認められたいばかりだと苦しくなる。
承認欲求、いいねの数など振り回されるものが多い現代。
13年前の小説だというが、新しさというか、現在でも十分楽しめる小説だ。
他者も大事だが、自分がどうなりたいかというプランがないと、振り回されて終わってゆくなと読みながら思った。
「妹」を、さんざん利用するだけ利用して、暴力でも支配するのだが、あることをきっかけに「なぜあの子は、私の側から、離れないのかしら?何を考えているのかわからない不気味な子」という考えに行きつく傲慢さ、身勝手。邪魔物扱いがすごかった。
「妹」の暴走も、すごい。
一気読み。
年賀状って罪だな。結婚、妊娠、子供の成長などなど。相手がどんな状況か、一切考えもしないで一方的に送ってくるものって。自分の幸せ(幸せを装ったものであったとしても)を全面に、出したものは、控えた方がいい。幸せの手紙は、ある種の不幸の手紙よりも不幸を呼び寄せる道具になるかもしれない。相手の暴走に拍車をかけ凶器、狂気になるかも。SNSは、見なければいいけど。(それだけが楽しみだった時代とは違う。)
Posted by ブクログ
表紙と帯に惹かれて購入。
明野作品は、初めて。
一言…凄い作家に出会ってしまった。
仕掛けが一つでは、収まらず…。
心を許してページを捲ってると、
突然、来る。
予告も無しに来る。
‘20.12.31読書完了
Posted by ブクログ
誰の中にも里矢子と久恵はいるのではないか。パッと見の表面に浮かんでいるタイプの違いなだけで。
里矢子のように生き直してバリバリガンガン突き進みたい、でも思うようにならずに久恵のように陰鬱にウジウジ成功者を恨んでしまう、の交互を生きてしまう。
互いの裏切りや報復から自分の新たな一面に気付かされたというエンディング。そう見ると、二人とも向上心が凄まじい。
Posted by ブクログ
どちらも私とは性格が異なるので完全に人ごととして楽しく読めました。
だんだん本性があらわになるところが面白かった。
ドラマにすると面白いと思いましたが、すでにドラマなっていたのですね。
Posted by ブクログ
女性の生命力。私も欲しいと思うけど、望むだけじゃなくて自分から掴みに行かないとダメ。それには並々ならぬ努力があって、人に見せるものでもなし。それを妬んだりするなんて努力してない人の言い訳だと、グッサリ刺さった。
展開が気になって一気に読みました。
Posted by ブクログ
2人の姉妹のドロドロした関係が強く出てる小説。
私は姉のスパっとした行動力が気持ちよくて好きです。最後にはどんでん返しがあるので、楽しめます。
Posted by ブクログ
最後のエピローグまでどんでん返しで面白かった。
女性の騙し合い系のお話はすごくはまる。珍しくあとがきまで読んだけど今の自分と照らし合わせてゾクってなった。
Posted by ブクログ
久しぶりに所謂イヤミスを読みました。読んだつもりでした。女のドロドロが描かれつつも、何度もどんでん返しがあって、読み終わった今だからこそ1から読み直したい作品です。
姉と妹のどちらに共感するのか、そしてどちらに嫌悪感を抱くのか、この裏表の感情について誰かと語ってみたいです。笑
Posted by ブクログ
本屋でふと目に止まって購入し、読みました。
2人の女性、どちらにも感情移入してあっという間に読み進めました。
ラストもバシッと決まっていて、決して爽やかな内容ではないですが、読み終わりもスッキリ!
Posted by ブクログ
秋野照葉さんの作品を何作か読んだんですけど、嫌な女のオンパレードって気がします。
この作品にも陶子と久恵という、対照的な嫌な女が出てくるので、どっちもどっちだな〜 という気持ちで読み終わりました!
Posted by ブクログ
女は怖い(笑)
悪女の物語。こういうの好きです(笑)
30代の若さで社長の麻生陶子。一方、製薬会社を辞めて引きこもっている妹の久恵。
久恵は、奴隷のごとく、陶子に仕えます。
陶子の事業が面白い!ってこれ詐欺ですよね。
しかし、成功者の優雅な生活。勝ち組の女として、男も仕事もすべて計算しつくし。
ある意味すごい女性です(笑)
一方、久恵は、どんくさく語られています。
陶子からひどい仕打ちを受けながらも、家政婦の様に陶子を支える久恵。陶子なしでは生きていけない。
そんな奇妙な関係が、ある日突然変わっていく。
そこからの狂気はここでは書けません(笑)
本書をお読みください!
陶子と久恵の関係。女の執念。
そして、どんでん返し。スカっとします。
とても面白い。そして怖い!!
お勧めです。
ドラマにもなっているんですね。
Posted by ブクログ
陶子と久恵は姉妹だと思いながら読んでいたけど、陶子は別人の戸籍で久恵は他人だと知って驚いた
陶子の視点と久恵の視点と交互にストーリーが進んでいくのは読みやすい
陶子のやってることはほぼ詐欺だけど、生き方としてはかっこいい。久恵は初めから最後まで地味なキャラで対照的な2人。
元々生まれ持ったもの、育った環境の違いは自分ではどうすることもできない
久恵の復讐で陶子は殺されるか廃人になって人生を終えるのかと思いきや、陶子は最後まで負けてなかった。久恵も最後くらい幸せな人生を歩んで欲しかったけど…
Posted by ブクログ
読み進めていくと展開が読めなくて一気読み。女性の狂気を感じる、嫌らしさと汚らしさが味わえる!女性同士の嫉妬でこうも人は変わるのかっていう感じでハラハラしました。ただ無理矢理感があったのが残念です。でも楽しめました。
Posted by ブクログ
人間なら誰しも地位やお金、美というものを少なからず求めるだろうと思うけど、あまりに偏り過ぎてて、また女性特有の嫉妬や執着が際立っていて、怖すぎる。陶子は、違う方向にエネルギーを向けると素敵な女性になりそうなのに…。女vs.女のドロドロした感じが昼ドラみたいで、たまにはいいかも。
Posted by ブクログ
ひとはみな一人だ。同じ方向に向かってともに歩くことはできても、誰かとひとつになることはできない。だからこそ、常に自分を見失わず、目指すところに向かって自らの足で歩んでいかなければならない。それが真のしあわせに至る道だ。
利用できるものは利用したらいい。ただし、それだけでは真のしあわせを手にすることはできない。自分の手で勝ち掴むのだと自らを信じて、陰で限度一杯の努力をして、あくまでも自分の力で闘う。
今を輝いて生きるということは、自分だけの問題ではない。自分が身を社会と時代を感じていなければならないし、それとともに歩み、流れていなければ、周囲の目には、輝いているとは映らない。
憧れているだけでは駄目なの。夢があるなら、それを実現するための確実な努力をしなければ。
Posted by ブクログ
「この世は舞台、人はみな役者」という劇作家シェークスピアの言葉を地で行く作品。もう誰の何を信じていいのか、全く分からない。人は生きていく限り、TPOに合わせた何枚もの仮面を被っている。もはや本当の自分は誰にも見えていないのかもしれない。
他人を利用し、利用され、いわゆるマウント合戦とも言える構図が全面に張り巡らされている。現代社会においても、この構図はあらゆる場面であることなので、つい共感してしまうことも多い。「負けたくない」「誰かに必要とされていたい」など様々な欲望が渦巻く人間関係の闇を描き出しているように感じる。本当に、人間は怖い。
Posted by ブクログ
容姿の全く違う2人は、親友のようで違う。頼り合っているようで利用しあい、そして憎み合う。本当は友情はあったら良いのに。精神的、思考回路が似ている2人。スルスルと読め楽しめる作品。
ご近所同士、ママ友、友人との女同士の内面を見たようなおもしろさ。
Posted by ブクログ
仕返しからの仕返しみたいな展開で面白かった。
優しい老人を騙すシーンは胸が痛んだし、あまりいい気はしなかったけれどそれ以外はとっても面白かった。姉妹だと思っていた二人が姉妹じゃないし、名前も違うしで読者を騙す展開がいっぱいあった。
Posted by ブクログ
もっと凄い展開を久恵には期待してました 笑
まぁ結果そのストッパーになってしまったのは
紛れもなく陶子。
でもあのオチは笑いました。
人はイヤミスと言うのでしょうが
私はそれでこそ陶子!お見事!と
思ってしまいました。
陶子は一流の女優で仕事人と思っている様ですが
二流の結局駒でしかない使い捨ての女って
ところでしょうか。
でもその二流の女優がバチコーーン‼️と
やり返してるのには爽快でした。
今はドラマ見て楽しんでます^^
Posted by ブクログ
本屋でおすすめされてて気になったのがきっかけ。
更にドラマ化して、早く読まなきゃと焦って買った。
話のピークは、めっちゃ面白い展開だと思って楽しめた。特に終盤は終わりまでずっと面白い。
ピークに達するまでが長く、話の展開が掴めなくて疲れてしまう。
展開は面白かったけど、流石にオチはがっつりイヤミスで、言葉を失った。
Posted by ブクログ
新宿駅構内の書店でプッシュされていたので購入。
ストーリーとしては先が読めてしまうものの、中毒性とイヤな爽快感があり、楽しめた。
薬の作用で上手く思考がまとまらない描写が特に技術の高さを感じた。
Posted by ブクログ
若くして人材派遣会社の社長である『姉』の麻生陶子は、結婚寸前までいった男性を後輩の女性に奪われ、精神を病んで製薬会社を辞めた『妹』の久恵と二人暮らしをしている。
表参道にある会社からほど近いマンションに住み、高級ブランド品を身につけ、それに相応しい容姿を持つ陶子に対して、童顔で背が低く、愚鈍な雰囲気の久恵。陶子はそんな久恵をまるで家政婦のように扱い、ときには感情に任せて暴力さえ振るっていた。そこには人生の勝者と敗者としての力関係が、あからさまに存在していた。
それでも久恵は美しい陶子が好きだった。加えて彼女には生活の面でも面倒をみてもらっていたから、久恵は陶子から離れることはできない。陶子にとっても、心地よい日々を送るためや精神のバランスの維持のために久恵は必要不可欠な存在だった。
しかし、ある男性の出現で二人の関係性に綻びが生じることになる。そのとき久恵がとった恐ろしい行動とは。。。
魅力的な外見を持った人。スタイルのいい人。人当たりのいい人。頭が良い人。わたしが誰かを妬みに近い羨望の眼差しで眺めるとき、当人の見えない努力なんかは想像しないことのほうが多い。生まれつき運がいいんだなと思うことのほうが多い。
だけど、確かに身長や顔の造り、骨格など努力で補うことができないことは多いが、人間の魅力というものはそれだけじゃないと考えてみる。魅力的な人はみんな陰で努力しているのだ。その努力を自分のために楽しんで続けられるよう工夫したり、よりよい自分になるために厳しくあるのだろう。
だからわたしは陶子が好きだ。
そして久恵が嫌いだ。
一見女二人のドロドロした物語のように見えるかもしれないが、これはすごくスカッとした話だと思う。
だって、時間が経ったからってすべてが許されるわけじゃない。
ざまあみろだと思った。
Frailty,thy name is woman.
弱き者よ、汝の名は女なり
この小説のタイトルを見たときに、まずこのフレーズを思い出した。
女は弱く、心変わりが早い。
でもタイトルは『汝の名』だ。その名は女ではない。名前は人それぞれあり、その人だけのものだ。どう生きるかは本人にすべてかかっている。
最初は誰かに憧れてマネをしたとしても、努力をして自分のモノにできたのなら、もうそれはマネなんかじゃない、自分自身の本物の力だ。
Posted by ブクログ
身勝手な陶子に病的に依存していた久恵。物語が進むにつれその久恵の仕打ちが事件性がありすぎて怖すぎる…とも思ったけど、久恵のその気持ちもわからないでも無い。芯の所はやっぱり気が弱くて地味な久恵でしかなくて少し切なくなった。そしてやっと掴んだ平凡な幸せに最後にはやっぱり壊されてしまう報復も気持ちが良いというよりは辛くなってしまった。
どこまでいっても陶子は陶子で、久恵は久恵。