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Posted by ブクログ
一種独特で不穏な空気感が物語を最初から最後まで
包み込んでいました。
主人公牧丘南欧子34歳、つまらない仕事にくだらない恋人
まさにさえない日常に怠惰な生活
自分の人生はこんなハズじゃなかった・・・。
そんな思いになってしまうのはきっと彼女が小学生時代の
輝かしい過去を忘れられないからだと思う
人はそんな経験をしてしまうと今の自分の姿、境遇を
容易に受け入れられないものかもしれない。
そんな彼女の心の隙をつくようにヘッドハンティングの申し出が
舞い込みます。契約の内容は破格の報酬と不思議な仕事内容
うまい話には何とやら・・で彼女も最初は疑い悩みますが
彼女の背中を押すような事柄もあり南欧子は新しい未来を
夢みて賽を投げてしまいます。
仕事に必要だと言われ、プロポーション改革にマナースクール、
芸術知識の習得と洗練されていく度に意識も変わり
南欧子はやはり自分は高見にいる人間なのだと錯覚していきます。
しかし南欧子が高見に上りきった時、「そ・れ・は」やってきます
破格の報酬を支払う雇い主の徐々に見え始める思惑
雇い主が南欧子に求めるものは何なのか、そして南欧子は
自分が置かれている現実にどう向き合っていくのか
最後まで目が離せませんでした。
自分はこんな仕事をしているはずじゃなかったし、自分が接する
人はこんな人達じゃないと、人を上級と下級に分けている南欧子に
共感できる部分は多くはなかったけど、私だって無意識に自分の
善良さを信じて生きている部分はある。
しかしそれがいかに儚いものなのか痛感させられました。
契約書にサインをする事なんてほとんどない生活ですが契約書を
前にした時、この本のことを思い出してしまいそうです。
Posted by ブクログ
34歳のマンネリ化した毎日をすごすOL南欧子に、ある日高額で彼女を雇いたいという誘いが来る。それには知性と美貌と教養が必要とあって、まず自分を磨きあげることが条件とされていた。「マイ・フェア・レディ」のように、期日までダイエットをしエステに通いマナーを学ぶ南欧子。それらの費用は全部誘った雇い主持ち。
そして、契約書にサインをし、南欧子は正式にこの誘いを受け入れたが、そこには実は周到なワナが仕組まれていた。
女性とはこんなにも執念深いものか。
小学生の頃に受けた心の傷から復讐を誓い徐々に相手を追い詰めるやり口は、確かに女性独特の復讐の手段かもしれない。
殺人も脅しも何もないミステリーだが、その裏にあるのは策略と怨み。
平凡な日常生活からどんどん追い込まれていく南欧子の運命に読者も引き付けられる。これだけ惹きつけておいて、あのラストはちょっと残念だが、心理サスペンスとしては読みごたえのある本だった。
教訓として悟ったことが3つある。
契約書はじっくりと腰を据えて何回でも目を通すこと。
敵の顔はしっかりと覚えておくこと。
逃げにまわらず、周りの状況を確認すること。
私だけかもしれないが、学生の頃に読んだ「モンテ・クリスト伯」(デュマ・ペール)を思い出した。
「モンテ・クリスト伯」は、エドモン・ダンテスが無実の罪で監獄に送られ、そこで長い年月を過ごしたのち、脱獄して巨万の富を手にし、モンテ・クリスト伯爵として自らを陥れた者たちに復讐する物語だ。
この本は女性版の「モンテクリスト伯」なのかもしれない。
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