明野照葉のレビュー一覧

  • 赤道

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    バンコクを舞台にした人間模様を背景に、一人の男の葛藤を描いた作品。明野照葉、得意の家族愛や泥臭さについても触れている。
    面白かった。

    さて前提知識

    小乗仏教:悟りの川を自ら泳いで渡って彼岸に辿り着いた者だけが救われるとい思想

    大乗仏教:みんなでいっしょに船に乗り彼岸という悟りの岸に渡りましょう的思想

    タイは、小乗仏教

    タイ人気質を表す言葉にサヴァイとサヌックがある。サヴァイは、OK、fineというニュアンス。サヌックは、funといった面白さ。これにマイ・ペン・ライ(Dont mind) を加えると三拍子揃った感じ。これで日本のビジネスマンは胃を悪くする。

    3つのセリフが印象的だ。

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    2012年11月11日
  • 冷ややかな肌

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    再読。
    大手商社の総合職として10年、34歳にして「島流し」、中華料理のチェーン店「シノワズリ」に出向させられた夏季。
    急成長を遂げた「シノワズリ」の仕組みにとともに、若き取締役 渡辺真理の手腕に羨望と疑念を抱く。

    多数の外国人を雇用しての効率的な経営、裏社会を匂わせる面白さ。
    突出したところがなく中途半端にいい人であるが故に、そんな役回りを与えられてしまう主人公に自分を重ね合わせて、仕事をする上での気持ちの持ち方になるほどと思うところが多かった。

    2014.7.12
    再読。
    帯にある「目立たない女が、いちばん怖い」とは実はそうかも。
    飲食産業の女性取締役でありながら没個性、慌てず騒がず仕

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    2014年07月12日
  • 澪(みお)つくし

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    明野照葉さんの本はこれが初めてでした。
    怖いとかいう感覚は私は感じなくて、ストーリー展開がすごくおもしろかったです。
    短編集なのですいすい読めて文章の魅力にはまってしまいました。
    これをきっかけに明野照葉さんを何冊か購入しました。

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    2010年05月13日
  • 骨肉

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    稲本家の三姉妹。
    長女の真子は、几帳面な性格で容姿はよくないが若くして結婚して、中学生と小学生の子供を持っている。旦那は、出張ばっかりで家にいない事が多く家事と子供の面倒を見る専業主婦。
    次女の聖美は、きつい顔立ちの独身で一人暮らしをしている。常に仕事が忙しいからと仕事が恋人のような女性。
    三女の美善は、ふっくらとした顔立ちで30台まじかの独身。定時で終わる楽な仕事をしていて実家で父親と暮らしてる。

    ある日、父親から「実家に来い」と三姉妹に召集がかかった。
    すでに大人として、別々の人生を送っていた三姉妹は、性格もバラバラで普段から会ってなかった。
    困惑しつつ、実家に集合した三姉妹

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    2009年10月07日
  • 魔性

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    主人公の志穂子が有名大を卒業してるとは思えないほど軽薄
    で浅はか、でも晃と関わって転落していく様が小気味いいのか、なぜか憎めない

    平成後期から令和初期の設定だけどどこかバブル期を思わせるお話でした

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    2025年09月04日
  • 新装版 汝の名

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    誰の中にも里矢子と久恵はいるのではないか。パッと見の表面に浮かんでいるタイプの違いなだけで。
    里矢子のように生き直してバリバリガンガン突き進みたい、でも思うようにならずに久恵のように陰鬱にウジウジ成功者を恨んでしまう、の交互を生きてしまう。
    互いの裏切りや報復から自分の新たな一面に気付かされたというエンディング。そう見ると、二人とも向上心が凄まじい。

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    2023年06月16日
  • 家族トランプ

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    ネタバレ

    えええ! これで終わるの? 北上次郎氏の「下町食堂小説になっていくのだ」という文章を読み、主人公が潮美の実家である食堂で働き出し、その悪戦苦闘の日々を描いていくのかと思っていたのだ。しかし、一向に働かないのである。あれれ、となっちゃった。思い込みはいけません。しかし、普通小説として充分愉しめました。

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    2023年06月14日
  • 家族トランプ

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    30代女性として、仕事や結婚の悩み。あるあるなんだなぁて共感した。リソさんや磯家のキャラクターが素敵で読んでてほっこりするような物語。同年代の方におすすめ

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    2023年02月24日
  • そっと覗いてみてごらん

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    欠かさず読んでいる明野照葉さんの文庫描き下ろしです。

    美味しい思いをたくさんして来た主人公の日和(ひより)が毒舌ブログを始めた事によって次々と不幸な目に合う転落人生を描いた物語。

    当然、そこには、恨み・妬みが存在しています。 日和の周りの人々の行動も不快ですが、全ては世間知らずで人の気持ちに寄り添えない本人が招いたものである事は言うまでもありません。

    途中で犯人はわかってしまったけれど飽きずに最後まで読める所は明野さんの持つ一種独特の雰囲気だと思います。
    次作も楽しみです。

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    2023年02月17日
  • その妻

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    専業主婦を夢みる妻、聡乃。
    甲斐性はないが優しい夫、融也。
    余命わずかな女性デザイナー、モナミ。
    この3人の人物が軸となり物語が展開します。

    現実には起こりえない様な設定ですが、面白い。

    今で言う所の草食系男子、融也の行動に苛立ち、自己中心的なモナミの行動に同姓として怒りを感じ、そして聡乃に感情移入しながら飽きる事無く読み進める事が出来ました。

    ラストの展開も予想外で、ある意味、胸がすく様なスッキリとした気分になれます。

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    2023年02月17日
  • 廃墟のとき

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    テーマも斬新で登場人物も細やかに描かれ、いつもながらの丁寧な心理描写も見事で飽きる事無く一気に読めました。

    明野さんの作品は読んでいる間、終始脳内映像で人物が動いています。

    今回も主人公の美砂、そして美砂に関わる男性2人も絶えず脳内で動いていました。

    一筋縄では行かないストーリー 本当に明野さんの作品は面白いです。

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    2023年02月17日
  • 魔家族

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    明野照葉さん 文庫書下ろし作品

    プロローグから不穏な空気感満載で、遺影の女性は誰なのかが気になり、ドキドキしながら一気読みでした。

    明野さんの作品は全て読んでいますが最近の著書は以前の物より平凡な作品になった印象を持っていました。
    けれど本作はクセ&毒に加え、「魔」まで持った人物が登場し久々のイヤミスサスペンスを堪能出来ました。

    主人公はOA機器を扱う会社で働く西原早季ですが、主役を上回る感の温子の存在が大きく、又早季が好きになった恭平と言う男もかなりの「魔」を感じる人物で恐ろしかった。

    ラストに向かっての展開は思いも寄らない物で意外性もあり飽きずに読めました。
    エロとイヤミス

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    2023年02月11日
  • 新装版 汝の名

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    どちらも私とは性格が異なるので完全に人ごととして楽しく読めました。
    だんだん本性があらわになるところが面白かった。
    ドラマにすると面白いと思いましたが、すでにドラマなっていたのですね。

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    2023年01月23日
  • 女神 新装版

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    ネタバレ

    沙和子は、自分が作り上げた沙和子を、完璧に演じている。努力もしていて向上心もあるのだけれど、どこか歪。

    シナリオがあり、自分が主役で、評価をする観客も自分自身。自分と関わる者はコマにすぎず、勝手に動くことは許さない…。

    意識せずに演じられること、シナリオ通り演じられたことにこそ価値があると思っている。

    端から見たら神経すり減らして苦しくて、そこまでやらなくてもと思うのだけれど、彼女はそれを存在価値だと言い切る。

    何故そこまで、できるのか、やろうとするのかー。

    沙和子が「沙和子」になった理由が最後の方に出てくるがそれを踏まえた上でまた最初から読むと沙和子の並々ならぬ決意、行動の一つ一つ

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    2022年11月05日
  • 家族トランプ

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    両親と同居、自宅通勤者の「風見窓子」は、30歳を越え両親に『結婚をして独立を』と言われる日々。ある日、勤務先の40歳台独身の上司「有磯潮美」から声を掛けられ「結婚しないの?」と言われます。話をするうちに潮美の実家に誘われる窓子。潮美の実家は家族経営の、食堂兼居酒屋の『磯家』。窓子は、潮美の家族やお客様、潮美の幼なじみ等との交流を深める程「磯家」に行くようになります。やがて窓子は、刺激を受けながら心境が変わり始め家族や結婚について考えていくようになります。題名の「家族トランプ」は読み進めて意味が解るのですが、私はこの小説が読みやすく展開もテンポも良いと感じました。

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    2022年10月30日
  • 新装版 汝の名

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    女は恐い。裏の顔、嫉妬、復讐、などなど…それが普通と思っていても、普通ではない!
    冷静に考察すると、何を信じればいいのか、そんな本です。

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    2022年10月14日
  • 新装版 汝の名

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    女性の生命力。私も欲しいと思うけど、望むだけじゃなくて自分から掴みに行かないとダメ。それには並々ならぬ努力があって、人に見せるものでもなし。それを妬んだりするなんて努力してない人の言い訳だと、グッサリ刺さった。
    展開が気になって一気に読みました。

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    2022年07月27日
  • さえずる舌

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    こういう心理戦はぞくぞくします。
    嬉しかった楽しかったが段々落ちていく感じがたまりません。
    悪意がない無邪気、他人を心地よくする。
    だが、そうしたことが自分の嫌な部分に触れ自己嫌悪に落ちいる。
    人は他人だけじゃなく自分の心さえもわからないってことでしょうか。

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    2022年07月18日
  • 黒白の一族

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    すごく怪しいけど、気になる大家族に翻弄される主人公に最初は楽しめ、所々の歴史的な話には興味を惹かれて、読み進めて行くうちにフワッと終わったので、それが残念。

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    2022年07月01日
  • 誰?

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    優しい沢田さん騙して殺したところは不快だったけど、嘘をつき続けてお金を騙し取るお話は面白かった。最後は私たちまでもが騙されていたことに気づいて驚いた。

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    2022年05月24日