酒井順子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
鉄に非ぬ者だが百閒本と聞いて。
浅学にして宮脇俊三は初めて知ったくらい。
だがこれはすでに人生折り返した者のための本でもあった。
百閒を知った四半世紀前に読んでも届かなかっただろう。
「曾遊、その喜びと悲しみ」にて極まる、ペーソス。
一言で言い換えれば「時は変改す」。
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「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」と『特別阿房列車』に書いた、内田百閒。「鉄道の『時刻表』にも、愛読者がいる」と『時刻表2万キロ』に書いた、宮脇俊三。鉄道に乗るという行為を文学に昇華させ、鉄道紀行の世界を拓いた2人は、時代とともに変わり続ける車窓風景に、人生と日本とを見た。2人へ憧憬の念を抱く鉄道好きの著者が、それぞれの著書を読み解いて描いた、渾身の評伝。
目次
鉄道紀行誕生の背景は?
生まれた時から「鉄」だった
人生鉄路のスタート地点
それぞれの新橋駅、それぞれの鉄道唱歌
「鉄道は兵器だ!」の時代へ
東京大空襲を生き延びて
敗戦の日の鉄道
新たなスタート
鉄道好きの観光嫌い
御殿場線の運命
抗い難いトンネルの魅力
鉄道の音楽性
酒という相棒
女と鉄道
誕生鉄と葬式鉄
曾遊、その喜びと悲しみ
旅を書く・内田百閒編
旅を書く・宮脇俊三編
子供の心、大人の視線
「時は変改す」
◇あとがき
◇文庫版 あとがき
◇解説 梯久美子 -
Posted by ブクログ
本が好きです。
ただ、私の好みはかなり偏っているので
不得意な分野というか
読んだことのないジャンルの本も数多くあります。
エッセイもそのひとつ。
新聞や雑誌等々に書かれているコラムは読みますが
一冊の本としてのエッセイはあまり読みません。
エッセイが嫌いというわけではなく
エッセイよりも小説の方が好きというだけで
これまであまり読んでこなかったのです。
今回手にしたのは酒井順子さんのエッセイ。
この本の「読書エッセイ」というところに惹かれました。
仕事、暮らし、家族、女の人生…表があれば、裏もある。
本書は、本の世界から平成・令和の世相を鋭く読み解く読書エッセイ!
(引用:朝日新聞出版・書籍紹介)
この本の中で一番興味をそそられたのは
Ⅱ.暮らしを巡る本
それぞれの「ていねい」
で紹介されている
『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』佐光紀子著・光文社新書
ここに書かれている
「ていねい」好きな日本女性、家事のハードルを自分で上げておいてヘトヘトに、
というケースも多い。
に大きく首肯してしまいました。
私、「ていねい」好きかと問われれば、そうとも言えないのですが
「自分でハードルを上げておいてヘトヘトに」に関しては
まさにその通りです。
”やななければならない”と自分で自分を追い込むことがあって
これがちょっとしたコンプレックスでもあるのですが
この本を読んで、それもまあいいやん!と思ったり。
2010~20年代初頭の話題作を酒井さんならではの視点で深掘りしています。
この本を読まなかったら
知ることがなかっただろう著者や作品がたくさん。
中には読んだことのある本もあったり
読んでみたいと思う本もあったけれど。。。
ほとんどはたぶん読まない(汗)
酒井さんのエッセイで
読んだ気になれたから。。。
本には好き嫌いもあるし。
色んな読み方ができるし。
読みたいときに読みたい本を読めば
自分なりに深堀りできて
たま~に、大きな影響を受けたりすることも
あったり、なかったり。。。(笑)
それが読書の魅力でもあって。
この本を読みながら改めてそう思ったり。 -
Posted by ブクログ
一般の方の感想も面白いが、作家が書く読書の感想はさらに面白い。
筆者は古典や旅行や小説、外国文学と幅広く多くの本を読んでおり、本を楽しく紹介してくれるので、また読みたい本が増えることとなってしまった。
既読の本については、紹介されると著者のファンという訳でもないのに何故か嬉しくなる。
オバマ大統領が愛読していたという「運命と復讐」に興味が湧いた。
外から見たら理想の夫婦でも、妻には夫に話していないことがある…この辺りは普通だが、結婚することの意味を考えるきっかけとなりそうな本である。
また、何の本か忘れたが、現代の男子は料理をしたり美容についても話ができるようになってきたという記述があって、面白く感じた。昭和の時代には考えられなかったと思う。私の夫もファンデーションを最近使い始めたが、肌が綺麗に見えて良いと思う。(ただ、メイク落としを雑に肌に擦り付けてメイクを落としているので、もう少し美容知識を得てほしいと思う。) -
購入済み
おもしろかった
褒めるのがあまり上手くないので、ハウツー本のようなつもりで読んだ。逆に自分が褒められた時には相手がこういうつもりで言っていたのかと知ることにもなった。
人間関係に限定せず、あらゆる「ほめ」につながる文化を解説して書かれていた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレしょっぱなから、筆者の共感力の高さに感動しっぱなしでした。古典女流作家の作品の内容から作者の性格・行動を解釈し、上手に現代に当てはめます。するとどうでしょう、あれほど訳が分からない古典の人物でも、あら不思議、確かにそういう人いるよね、という人物像へと見方が大きく変化するではないですか。
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ということで、本作、平安時代の女流作家とその作品を、現代の状況に置き換えるという試みであります。
より詳細に説明すると、筆者の試みは、ガールズトーク的味付けで古典の偉人たちを分析している、ということです。ガールズトークってのは要は恋愛観ですね。
清少納言はサバサバしているので、名門の殿方も寄ってきやすい。それをサラリと振って、言い寄られたことをインスタとかで上げちゃうタイプ。
他方、紫式部はそういう出しゃばりなタイプが一番嫌い。故に清少納言とか大っ嫌い。でも実は本人もそういうのがしたいのに、性格が許さないタイプ。メンドクサ!
藤原道綱母は、今でいうところのサレ女か。招婿婚で一夫多妻の当時でも、ほかの妻にジェラシーをめいいっぱい感じて、新しい妻が自分の夫から愛想をつかされると大喜びするという。。。原典を読んでいないのにヒステリックさが伝わります。『死の棘』を彷彿とさせます。
菅原孝標娘は恋に恋しちゃうタイプ。源氏物語で光源氏が夕顔を連れ去るシーンがありますが、そういう「連れ去り」をしてくれる王子様が早く出てこないかなーなんて願っちゃうタイプ。
和泉式部は、恋愛体質。その気がないのに自然と愛想を振り舞いてしまうのか、男が絶えない。挙句に死んだ元カレの弟とも結ばれちゃう(ちなみにその弟も死ぬのだが)。今ならばあざといとかって言われちゃうんでしょうね。
こういう分析をして、この子は友達になれるとかなれないとか、私ならばどうこうアドバイスするのにな、などの想像のやり取りが盛り上がります。確かに面白い。
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ということで、古代の女流作家をその恋愛観などで読み解くような作品でありました。
「する」とか「した」とか、シモの話が多く、読んでいる最中は、女子の集団にうっかり男一人で迷い込んだような気分になりました。が、平安時代の女流作家はばっちり頭に焼き付きました。原典もちょっと目を通してみたくなります。
本作は当初、中三の娘の古典苦手意識解消のために購入したものでした。確かに非常に面白く、苦手意識も消えるかもって思いましたが、内容がなあ・・・読ませてみるか悩みどころであります笑