酒井順子のレビュー一覧
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女を観る歌舞伎。女形って歌舞伎の超特徴的な一面ですが、やはり時代背景もあってか、お芝居のなかで大活躍するのは立役(男役)であることが多い。女暫とか、女団七とか、あえて「女」を主役にしている演目もあるが、逆に何も言わなければ主人公はだいたい男性。私もどちらかというと立役の魅力を重視して見てしまう。そんな歌舞伎のいくつかの演目を、「性愛以外においては女にしか興味が持てない」というくらい女観察が好きな酒井さんが、女性の振る舞い、生きざまに焦点を絞って解説。複雑な時代物のあらすじも華麗にすっとばして、ただひたすらに女。
すごく雑にいうと、歌舞伎の中の女性はだいたい不幸、しかも自ら不幸な(、と私たちには -
Posted by ブクログ
確かに、あの当時独身の人の声って、あまり聞こえてこなかったかも。
帰宅困難者でも独身者の人は意外と帰らなかった人が多かった、というのは、言われないと気づかなかったかな。
一人暮らしだったりしたら余計にそうかも。
いろんな人の話が聞けて、自分があの頃どうしてたかなーっていうのも思い出したりして、また震災について考えるいいきっかけになりました。
それにしてもあの当時、関東圏に住んでいる人でも「放射能が気になるから」と逃げる人が少なからずいた、というのに驚きました。
そうかあ……。
私はまったく気にならなかったな。
「目に見えないものだから気になる」
「目に見えないものだから気にならない」
酒井 -
Posted by ブクログ
「女子と鉄道」等々、女子鉄としての存在感を俄然増しつつある酒井順子氏の、地下鉄探訪本。
…という内容を想像して買ってみたのですが、実態としては東京各地の街歩き記というか、隠れスポット紹介的なエッセイ集でした。酒井さんの著作としてはこれでいいのでしょうが、タイトルや装丁に若干騙された感も否定はできません。
広い東京にはまだまだ知らない場所がいっぱいあるもので、一章、もとい一駅毎に新たな発見をしたような気分になれました。早速有楽町の交通会館に行ってみましたが、著作通りのバラエティ豊かなテナント群に、くらくらさせられました。
筆致が淡々かつパターン化しているきらいもあるため、じっくり読むには若 -
Posted by ブクログ
ネタバレ東京出身で京都好きの筆者が、東京と京都を、「言葉」、「料理」、「節約」など19の観点から比較するエッセイ。
京都人がドヤ顔で「京都とは云々…」と語ると興醒めしますが(筆者によると、また、私の肌感としても、京都人はそういったことを出来るだけ避けようとするのでそんな機会は滅多になさそうですが…)、東京出身の方が、憧れつつも、客観的に(主に)京都について考察を巡らせるという形で、本社は読者にとって取っ付きやすいように思います。
「嗚呼、なるほど」と膝を打ったのは、「観光客という生き物は常に、『地元の人しか知らないもの』を欲しているし、また『私だけは凡百の観光客とは違って、特別に地元から愛されてい