酒井順子のレビュー一覧
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未婚子なしの筆者の、「子どもがいない人生」というところに焦点を当てた本。
私自身30代で結婚出産したけど、旦那に出会えなければ私も未婚子なしだったと断言できる。出産も二人で話し合って計画的だった。結婚出産ってポーンとできる人もいるけど、私にとってやっぱり大きな関門には違いなかったと思う。一度やると決めたら思い切って突き進むしかない。女の場合は妊娠に期限があるのがまた辛い。いつまでも先送りしてると妊娠できなくなっちゃう。そんな焦りもありつつ私は出産し、子どもはほんとにかわいすぎるので、思い切って産むと決めてラッキーにも子どもを授かったことに幸せを感じているけれど、結婚出産を布教しまくることは絶対したくない。
子を持つ人、持たない人みんなが生きやすい世の中になればいいなあと思う。
そんな自分を振り返り、思いを馳せた本でした。 -
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徒然草リミックス
「あはれ」…「哀れ」悲しさ、寂しさ、憐憫
「天晴れ」 同じ語源
【三省堂】新明解古語辞典
上代・中古にはその表現領域がかなり広く、後世、悲哀感に傾いていく。それに合わせるように、力強い感嘆や賞賛には、促音化した「あっぱれ(天晴れ)」が用いられるようになった。
兼好と清少納言の仮想対談という発想は面白かった。欲を言うなら、鴨長明も交えて三者の仮想鼎談が見てみたかった。兼好と長明は、それぞれ、ようきゃ、いんきゃというキャラで差別化する。
「ではなかったか」おばさん
「をかし」と上矢印、「あはれなり」を下やS印と定義している点は面白かった。 -
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四十路半ばで体験する初めての物事を綴ったエッセイ。スマホを持つようになったり、老化のきざしのようなこともあり。そして東日本大震災があり。わりと淡々とした日々のなかの初めての出来事を淡々とした筆で描く酒井さんの安定感。
こうしてあらためて考えると、いくつになっても初めてのことはあるもので、そのことをそう感じられなくなるのが年をとるということなのかな。初めてのことに敏感になってみると、意外と日々を過ごす心持ちも変わりそう。
そういえば、あとがき(文庫版)で酒井さんが「年をとる」「年を重ねる」という表現についてわりと力説していた。「重ねる」という耳ざわりのよい言葉より、しっかり年をとることと向き合う、また「取る」というふんだくる元気さが感じられもする「年をとる」でいいじゃないかと。そう、ついつい丁寧ぶって「重ねる」って言ってしまうけれどムードで使っているようなもの。それなら「年をとる」でもいいじゃないか。 -
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初めて読んだ著者さんの本です。
お金に関する話を、「かせぐ・つかう・けちる・ふやす」という4方向で章立てしています。
これ、初版が1997年なんですよね。つまり、今からちょうど20年前。
バブルの時の話は、さすがに時代を感じるところがありますが、著者の考え方としては、なかなかどうして。今の時代の人たちとの考え方と共通してるところが多分にあるという印象でした。
「将来的に、レジが無人化するかも」の著者の予想は、現代、少しずつではありますが、部分的に浸透してきていますし。
「三高」の件も、本来はそういう意味だったんだと分かると、見方が変わりました。
ただ、ハンカチで鼻をかむところは、眉をひそめてしまい、本書の中で、唯一共感は出来ませんでしたが。
そして、言葉こそ出て来ませんでしたが、さりげなーく、今でいう「行動経済学」にも触れられています。「行動経済学」ってここ数年良く聞くようになったイメージがあるのですが、これが書かれた20年前にも「行動経済学」ってあったんでしょうか? 難しい言葉や専門用語など一切出てきませんが、誰にでも「あるある!」というような著者の経験談を交えられると、より一層説得力を増します。
なんとなーく、自分が感じていたことを文章にしてもらうことで、文字通り「可視化」してもらうことで、すっきりしたり、同調したり、「私とおんなじだ!」と思ったり。でも、唯川恵さんの解説を読むと、「これが大きな勘違い」だそうで。「こういうことは酒井さんがちゃんと文字にしてくれているからこそ気がついたことなのです。でなければ、漠然と感じてるだけで、なあんにも考えていないのと同じこと」。と読者にきっぱり頭突きしてきます。
「目からウロコ」まではいきませんが、当たり前のことや漠然としていたことを、肩肘張らずに文字で楽しく読んで、「なんか、すっきりした」というのが、一番の感想です。 -
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『昨晩お会いしましょう』から『DAWN PURPLE』まで毎回発売を楽しみにアルバムを買っていた者としては、読まないわけにはいかないでしょうと、この本の発売時に思っていましたが、それっきり忘れていましたね。今更ですが一応読んでおこうかと。
もともと雑誌の連載とはいえ、全体的に雑誌向けのネタ感が強いです。「助手席性」「軍歌」はなるほどと思いましたし、歌詞の解説、解読はそのとおりかもしれないけど、改めてそれを書かれても、だから何?みたいな。いわゆる同人誌的な、おもしろいと思えない消化不良な感じだけが残りました。
言葉には刷り込みの力があって、深く考えずに聴いていても影響を受けることはあると思う。しかし私自身の恋愛はユーミンの歌と重なる部分はあまりないし、踊らされたかのような経験もないです。改めてわかったのは、私は単に音楽作品として好きだったということ。好きだからといって歌詞が描き出す世界の価値観にライフスタイルまで影響されるわけじゃない。
バブル崩壊まで音楽ビジネスは大盛況で、他にも同等かそれ以上の大物ミュージシャンは何人もいたんだし。確かにユーミンは女性のトレンドを歌に取り入れるのは上手だったと思うけど、何をもって罪なんだかさっぱりわからない。売るための煽り文句でしかない。繰り返しになるが雑誌向けのネタで読み捨てレベルのものでしかない。 -
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女を観る歌舞伎。女形って歌舞伎の超特徴的な一面ですが、やはり時代背景もあってか、お芝居のなかで大活躍するのは立役(男役)であることが多い。女暫とか、女団七とか、あえて「女」を主役にしている演目もあるが、逆に何も言わなければ主人公はだいたい男性。私もどちらかというと立役の魅力を重視して見てしまう。そんな歌舞伎のいくつかの演目を、「性愛以外においては女にしか興味が持てない」というくらい女観察が好きな酒井さんが、女性の振る舞い、生きざまに焦点を絞って解説。複雑な時代物のあらすじも華麗にすっとばして、ただひたすらに女。
すごく雑にいうと、歌舞伎の中の女性はだいたい不幸、しかも自ら不幸な(、と私たちには思える)選択をすることさえあります。現代の人権意識ではあまりに理解不能すぎて、「そういうものなんだ…」とわかったようなわからんような感じで呑み込んで観てしまいがちですが、酒井さん、そこは同じ女同士と斬り込んで、私たちにも通ずるようにタイプ分けしていきます。「罪な女」「リードする女」「だめんず好きな女」等々。
これですっきり昔の女の気持ちがわかった!とまではいきませんが(そこまで封建社会甘くない)、あ~こういう女の人いるいる、こういうことあるある、という理解から歩み寄ることはできそうです。
実はこれが初・酒井順子さんだったがそういう意味ではチョイスを間違えたかも。初めて順子節を味わってみようとしている私からしたら、歌舞伎は題材として強すぎるというか…。せっかくいただいた新鮮な食材もカレーに入れたらカレー味だわな、みたいな。そっちは別のものでリベンジしようと思います。