酒井順子のレビュー一覧

  • 平安ガールフレンズ
    平安時代の女性たち、煌びやかで上品で男性の一歩後ろにいるイメージを持っていたけど、そんなことはなく、本質的なところは今と変わらないことがわかって面白かった。個人的には和泉式部が気になる存在だった。不幸があっても突き進めて強いのか弱いのかよくわからないミステリアスさ
  • 鉄道無常 内田百けんと宮脇俊三を読む
    鉄道文學界の二大巨匠内田百けんと宮脇俊三の生涯を幼少期から晩年まで二人の作品から「鉄道好きの観光嫌い」、「トンネル」、「戦争」、「酒」などの共通するテーマを掬い上げて評伝に仕立てている。鉄道好きの物書きとしての偉大な先達二人への敬愛が素直に伝わり気持ちが良い読書ができた。
  • 無恥の恥
    「無知は罪なり」をモットーに生きているので、無知は恥でもあるのかな、と思い、タイトルに惹かれて買ったのですが、「無知」ではなくて「無恥」だった(笑)。
    著者が「恥ずかしい」と思うことについて、かなり辛辣につづったエッセイ。例えば、お金持ちの男とカオが良い女性のカップルを見ると、男はカオで相手を選び、...続きを読む
  • 金閣寺の燃やし方
    下からの視線の水上勉、上からの視線の三島由紀夫。水上勉は林養賢に同情的で、三島由紀夫はドライな見方をしている。これは、「五番ます夕霧楼」、「金閣炎上」と、「金閣寺」を読んだ時にも感じたことである。重松清氏の解説が秀逸である。
  • 負け犬の遠吠え
    2003年に刊行されて超話題となった酒井順子さんの本。ご存知の通りドラマにもなりました。

    20年前は自分がまだガキだったので「そんなもんかねー」っつう程度の印象。女性から見た男性としての自分のことを見つめ直したりは決してしなかったし、1人で生きる女性の心の中など想像しようともしなかった。
    今回読み...続きを読む
  • 徒然草REMIX
    清少納言と、兼好法師を対談させるなんて!
    なんて、素敵な組み合わせ。
    私は、「知らんけど」が興味深かったな〜。
    地方出身者なので、知らんけどに振り回されっぱなしです。
  • 本棚には裏がある
    おもしろかった!!!
    読みたい本爆増!

    その本とその本、こう繋ぐんだ〜と感心しながら、読み進めた。こんな上手なブックトークができるようになれば、プロだなと。酒井さんのユーモアがありつつ、解釈に幅を持たせた文章のおかげで、今まで挑戦してこなかったジャンルが挑戦できそう。

    キュリー夫人伝〜別れの色彩...続きを読む
  • 子の無い人生
    沖縄の特有の文化について書かれていることがとても興味深かった。というか沖縄のこと全然知らなくて、琉球王朝が中国文化の影響を強く受けている儒教色が非常に濃いものだったなんて初めて知った!
  • 女人京都
    へえーーへえーと思いながら、面白かった。
    1回目はさっーと
    2回目は地図とスマホを横において。

    京都行くときは、その前ににもう一回読んでどこかをプランにねじ込もう。あー、このへんで和宮さん過ごしてたのねーとか、建礼門院が晩年を過ごしたのはここかーうんやっぱ静かだーとか言いたい。

    印象に残ったのは...続きを読む
  • うまれることば、しぬことば
    天才だ…

    エッセイって、文体、雰囲気、取り上げる題材全てにおいてとても難しいというか自分には決して書けないものだと思うのだけど、その中でもこれは絶対に書けない。

    言語学的知見、鋭い観察力、経験則からの考察、全てがうまく噛み合って、世の中を生きる皆に刺さるように構成されている文章…そして読みやすい...続きを読む
  • 平安ガールフレンズ
    平安時代も今も変わらずに、いろんなタイプの女の人がいて、こじらせてみたり、自慢したり、妬んでみたり、中二病だったりして一生懸命生きている。あらためて、古典を読んでみたいと思った。清少納言と友達になりたいと思う人にちょっと嫉妬に似た気持ちを抱くという不思議な感覚は、私だけでなかったことにホッとしたり、...続きを読む
  • 「来ちゃった」
    旅筋。予定を詰め込まなくても濃い旅になってるのが楽しいです。ほとんど一泊二日みたいで、あれもこれもじゃなく目的も一日ふたつくらいだけれどそれが丁度よくのんびりでした。予定になかった事が起こるのも旅の醍醐味だし、忙しなくしてたら見られなかった景色や出会えなかった人もあるのかも。
    移動時間も旅という感覚...続きを読む
  • 無恥の恥
    中年とSNS、実によくわかる。感謝にテレない時代、同じことを思っていた。クールジャパンの痛さ、つらい。すべてヒトゴトではなく、常に恥の感覚・記憶と戦って、「穴があったら埋まりたい」「どこか遠くに行ってしまいたい」「ギャー」と思考がループする自分にとって、これほど日常的な恥の種類を丁寧にさらってもらっ...続きを読む
  • 無恥の恥
    兼好法師は、『徒然草』のなかで、そんな含蓄のあることを綴っていたのかあ、と思うと同時に、高校の時に習ったはずなのに、理解もしてなく覚えていない自分が恥ずかしくなるのでありました……。
  • 紫式部の欲望
    めちゃくちゃ楽しかった。源氏物語読みたいなと思いつつ読まずにきてたけど、今すぐ読みたくなった。
    すごい共感できるフレーズばっかりで原作に期待しか持たせないエッセイ。
  • 家族終了
    私も一緒に暮らしていきたいって思える人に出会って、気ままに暮らしていきたいって思った

    気ままに暮らすことは、もしかしたら茨の道なのやもしれんけど

  • うまれることば、しぬことば
    モヤっとした思いを、深堀り考察されていて面白かった!
    ご○○&ご○○、「戦い」、二人称のyou…などなど激しく首肯します。
  • うまれることば、しぬことば
    酒井順子はちょっと毒のある、あざとい位の
    話だと更に冴えがます。
    「『活動』の功と罪」が秀逸。
    「『パパ活』であれば、ときめきに飢えた
    おじさん達を金ヅルとして活用しようという
    若い女性の意欲」を感じる。
    ここで「ときめき」と「活用」という
    言葉を使う時点で類稀な才だ
    (「泡沫系」って言うんだ)。
    ...続きを読む
  • 平安ガールフレンズ
    こういう本に、学生時代に出会えてたら国語や歴史の授業がもっと楽しかったのかなと思う。大昔の人は使う言葉も生きる環境も全然違って、ひとりの人間として見ることはなかなかイメージできないけど、この本では本当に“女友達”の恋バナや武勇伝を聞いているような感覚に陥る。何百年、何千年かけて科学や技術がいくら発達...続きを読む
  • 男尊女子
    「男尊女卑」ではなく、作者ならではの造語「男尊女子」。一見、「?」と思われがちかもしれないが、しかしこの「男尊女子」という視点から見えてくる現代日本の本質的な問題や状況がみえてくる。