酒井順子のレビュー一覧
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松本清張と酒井順子の組み合わせ、って塩辛と生クリームぐらいの食べ合わせ?って新聞広告でびっくりしました。「ユーミンの罪」「オリーブの罠」の系譜に「松本清張の女たち」ですよ。でも酒井順子が生クリームはちょっと言い過ぎで過去の作品に忍ばせている酒井ならではの辛口成分は確かに松本清張が描いた高度経済成長時代の物語の切り口として非常に有効だったのでありました。むしろ「女の物語」が松本ワールドを成立させるキーファクターだったのではないか?という本格的な松本清張論とさえ思いました。新しい視点ですがど真ん中の作品論の思ました。振り返ると「ゼロの焦点」久我美子からの広末涼子、「霧の旗」倍賞千恵子からの山口百恵
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京都はたくさんの優れた女性たちの生きた町。
あちこちに、ゆかりの地や建物、石碑が点在する。
彼女たちの面影をたどりながら、ちょっと甘味で一休み、という旅のエッセイだ。
しかし、途中からコロナ禍でステイホームを余儀なくされ、旅するエッセイの大ピンチ!
ストリートビューと脳内の記憶を駆使しての旅も多くなったが、逆に、自由に表に出ることが許されなかった平安貴族の女性の気持ちに寄り添えることもできた。
自由に会いに行けないからこそ、強くなる思い。それは身のうちから魂が「あくがれいづる」ほどに。
天皇の娘や妻でない限り、女性は系図に名前も残らない。
ここに取り上げられている女性達は、それでも爪痕を残し -
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言葉についてのエッセイ
以下、公式の説明
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陰キャ、根暗、映え、生きづらさ、「気づき」をもらった……あの言葉と言い方はなぜ生まれ、なぜ消えていったのか。「ことば」にまつわるモヤモヤの原因に迫る、ポリコレ時代の日本語論。古典や近代の日本女性の歩みなどに精通した著者が、言葉の変遷をたどり、日本人の意識、社会的背景を掘り下げるエッセイ。以下、章題。
・Jの盛衰・「活動」の功と罪・「卒業」からの卒業・ 「自分らしさ」に疲弊して・「『気づき』をもらいました」・ コロナとの「戦い」・「三」の魔力・「黒人の人」と「白人」と・「陰キャ」と「根暗」の違い・「はえ」たり「ばえ -
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酒井順子さんは「はじめに」の冒頭をこう書きました。
「京都は、誰もが惚れてしまう美女のような街である。」
「それも、「あるがまま」系の天然美女ではありません。」
「それは、メイクもファッションも、そして声の出し方すらコントロールした、人為の結果としての美女。」
そして、こう進めます。
「そんな美女の魅力は、若者にとってわかりやすいものではないようです。」
「たとえば私は高校の修学旅行で初めて京都に行ったのですが、その時の感想は、「茶色いっぽい建物をたくさん見た」というものでした。」
さらに、
「自らの心身が古びると共に、古い都への共感が深まってきたのです。」
「かくして私は京都へ足繫く -
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ネタバレ一 迷惑をかけたくない──『楢山節考』 姨捨山
二 いつか、自分も──『恍惚の人』 認知症
のストーリーから入りいろいろ懐かしく思い出す。
恍惚の人では、認知症の親の世話をする嫁、そしてその高校生の息子が母をみてお父さんお母さんは長生きしないでね というらしい。
姨捨山では、主人公は自ら口減らしのためにためらう息子に姨捨山行きをせがむらしい。
老人をどのように扱ってきたか、認知、痴ほう、ボケは昔からあったもの。
男性の老い本ははじけていて、女性の老い本は身の丈に合わせているらしい。しかし実際には男は庭で草をむしり散歩をして、女性は趣味を持ち友人と旅行する。 -
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酒井順子(1966年~)氏は、東京都生まれ、立教女学院小、中、高を経て、立教大学社会学部卒。高校時代から雑誌「オリーブ」にエッセイを寄稿。博報堂勤務、生活総合研究所客員研究員を経て、フリーランスのエッセイストに。『負け犬の遠吠え』で講談社エッセイ賞(2004年)受賞。
本書は、松任谷由実(ユーミン)の楽曲を通して、高度成長期の1970年代から、バブルが崩壊した90年代初頭までの、日本の女性の生き方や価値観の移り変わりを読み解いた評論的エッセイ集で、アルバム「ひこうき雲」(1973年)から「DAWN PURPLE」(1991年)までの20作品が取り上げられている。
私は、酒井氏とほぼ同世代の男性 -
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言葉は生まれ消えていく。改めて言葉は変化していることを実感しました。
生まれ消えていく言葉についての考察が分かりやす、「そうか」「そうなんだ」と思いながら読みました。
冒頭の「J」の盛衰
Jリーグが開幕した1993年から日本の事をJで表す者が増えた。J-WAVE、J-POP、企業の名前にもJが使われた
JR、JT、JFE.
当時を振り返るとJという文字がカッコよく感じたのは確かだった。
しかし、当時選手の事をJリーガーと呼んでいたが、今はJリーガーと呼ぶ人は少ない。
平成の初期には眩しかった「J」という文字が放つ輝きが薄れつつある。一つの文字や言葉は時代の空気を変える力を持ち、またその言葉に