酒井順子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ上野千鶴子さんの「女ぎらい ニッポンのミソジニー」を読んでいて、たくさん引用が出てくくる中に酒井順子さんが出てきたので読んでみました。「家族終了」というけっこうインパクト強いタイトルに惹かれて、小説かと思って買ったのですが、エッセイだった…エッセイって好んで読まないので「しまった」と思ったのですが、まぁ、とても面白く、色々と心に刺さりました。
文体が独特で、語尾が短く簡潔で私は好きです。他の方のレビューを読んだら文体が嫌いっていう人もいるみたいですけど。
著者は私の10歳年上。ご自分の両親のことも赤裸々に(というほどでもないか?)つづられているが、私自身のことや、私の両親と重ね合わせて読んでも -
Posted by ブクログ
処女の社会史です。
感想でも評価でもなく、ただ思ったことだけ書き連ね……
本人がどう思うかより世間様がどう見るかが問題。そして男性優位の視線から判断されてきた処女性。
今更誰も気にしてねーよ
って声も聞こえてきそうだけれど面白かった。
最初のヒトになるってのは男性からすると少しプレッシャー。でも言われる嬉しいかも。
ホンネで女性は『最初』なんて全く気にしてないのでしょうか?
AVとか観るとインタヴューで「初めては何歳?」なんて訊いていたりするので、それなりにエッチ界では話題になりやすいネタなのでしょう。
ホントのことを答えているとは思いませんが。最近の子は進んでおるのねーとか思ったりはし -
Posted by ブクログ
「昭和の女子」である私には、本書に書かれている内容、酒井さんの思いにすごく共感できた。ただ、これが書かれてから5、6年経った今はまた状況が変わっているのではないかと思われる部分もある。
細かい観察、分析が酒井さんの感性によりされていて、そこが素晴らしいところだと思いつつ、直前に読んだヤマザキマリさんの本と比べてみると、「日本の女性」っぽさが露わになっていて、日本という枠からもはみ出ていく女性が増えていけばいいなぁと思える。日本も変化しているとはいえ、酒井さんが危惧しているような後戻りがないともいえず、日本の変化など待っていられず、日本を飛び出した方が、限りある自分の人生を十全に生きられるかもと -
Posted by ブクログ
私は結婚はしているものの、子どもはいません。
子どもを欲しいと思ったことがありません。
ただ、そろそろ真剣に考えなければならない年齢になりつつあり、子どもがいない人生をこのまま歩んでいいのか、迷っていました。
自分が子どものころから、子どもは欲しくないと漠然と思っていました。
周りの兄弟や、友達が親になるのを見て、自分の気持ちに変化があるかもしれないと期待しましたが、今も変わっていません。
子どもを欲しいと思えない自分は、どこかおかしいのではないか、と思ったことさえあります。
子どもを産むことによって、大きく変わってしま人生に、一生責任を背負わないといけない人生に、向き合えないのだと思いま -
Posted by ブクログ
負け犬=未婚、子ナシ、三十代以上の女性のことを指す
2004年の流行語大賞トップテン入りし、ドラマ化もされたらしい。
著者酒井順子さんの「家族終了」が面白かったので、タイトルでチョイスした本書でしたが、まあよくぞ「負け犬」というワンテーマでここまで書ききったなと感心するばかりです。もう20年前の本なので、当時の時代感と現在では少し違うのかも知れませんが、より未婚化が進んでいる現在の方が先鋭化されている状況と言えるかも知れません。
40代既婚オジサンからすると、真ん中辺にあったコラム・オスの負け犬で、30代半ば以降の未婚男性にはこういう問題がある5類型が面白かったです。自分も結婚してなかったらこ -
Posted by ブクログ
ananの1970年創刊号からの50年余りの変遷をつづったエッセイ。
私はananまったく読んだことなかったので、へーそういうコンセプトの雑誌だったのかと、楽しく読めました。
今はどうかわからないけど、昔は皆雑誌から情報を得ていたわけで、そういう意味で、世相を敏感に映していた。
ananも時代によってかなり志向が異なっていたのだな。
創刊当初は、バリバリにとがっていて、男からのモテなど気にしない非モテ、ウーマンリブ志向。
結婚のケの字も出てここない、かっこいい雑誌だった。
山頭火を目指せ、だなんて、いまの女性誌では考えられないフレーズ。ある意味相当高尚なフレーズ。
初期は、ニュートラに -
Posted by ブクログ
自分が生まれ育った家族のことを「生育家族」、結婚などによってつくった家族を「創設家族」というそうである。
著者は、両親と兄を亡くし、同居人はいるが婚姻関係は結んでいないので「家族終了」となるらしい。
確かに遠くにいても家族はあって、今はいても当たり前だと感じるが、そうでない人も多くなっているのだろう。
今の時代も家の存続を意識している人はどのくらいいるのだろうか?とふと感じてしまった。
長男が家を継ぐのが当たり前だと言っていた時代。
早く身を固めろと言われた息子。
娘は、まだ片付かなくて困っている。などと普通に言ってた時代に育った私。
これが現代では考えられない死語となっているのでは…。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ酒井さん赤裸々です。隠し通したい諸々をここまで大っぴらに出来る勇気は無いので天晴でした。
わたしなら隠し通したいが…となる煩悩が書かれててうわぁと。解説の鷺沢さんみたいに「見てたんですか士官!」ってなります。
「ここまでないけど」と思ってる方々はきっと、他のかたのレビューにもある「アタシだけは違うと思いたい煩悩」なので年末に鐘を108回撞くと良いと思います。今年はまだ1月なので気が長い話です。
関東出身の元同僚はたぶん酒井さんと同世代なのですが、気を抜くと語尾が「〜わ」「〜よ」となる人だったのでやっぱり珍しいんだなと思いました。(吉本ばなな作品の登場人物たちと同じ喋り方だ!と高まっていました