酒井順子のレビュー一覧

  • 百年の女 『婦人公論』が見た大正、昭和、平成

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    ネタバレ

    「婦人公論」1400冊余りで書かれていた女性たちの歩みが、この1冊で見えてくるの興味深かったです。
    激変ではあったけど、時代の流れにかなり翻弄され左右されてしまうのは大正・昭和・平成も変わってないんじゃ…となりました。令和もどうなることやら。
    …「どうなる」でなく、「どうする」なのだけれど。光があまり見えなくても歩き続けるしかないです。

    酒井順子さんと立ち位置が違う(既婚・子持ちなど)方がまとめると、視線が違って切り口も異なるんじゃないかなと思いました。わたしは独身子無しが同じなので、そうだ〜と思って面白かった。
    他の文筆家さんがこの熱量と冷静さでまとめられるかどうかですが…酒井さんの文章好

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    2025年02月09日
  • 消費される階級

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    なんで買ったのか忘れたけど、おばちゃんの感想ながら、自分の中にもある見えない意識を意識させてくれるものでした。

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    2025年02月05日
  • ユーミンの罪

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    論拠に無理がない。ほんとそう! と首肯。
    自分が松任谷由実になってから聴かなくなった理由もわかった。
    彼氏のスペックが女子のヒエラルキーに直結する現実の気持ち悪さをユーミンの曲(歌詞)から感じたのね。
    りっぱな論文でした。

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    2025年01月07日
  • 消費される階級

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    私が気になったのは、やはり年齢的に「超高齢化時代のおばあさん格差」。そして「稼ぐ女と、使う女」この2つが特に興味深く読みました。

    また皇室に関しての考察も面白く、感心させられる内容です。

    ただこの作品を読んで、今後私はどうしたいのか、どうすべきなのかは、実ははっきりと掴むことができませんでした。この作品は提示はしていますが、その先は見えません。そこがなんというかソワソワするといいますか、もう一つガッテンできませんでした。惜しい!

    著者は今後もこんな感じで作品を世に出されるのでしょうか?なんかもったいない気がしてなりません。

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    2025年01月01日
  • 下に見る人

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    人を下に見たいという欲求__扱い辛いテーマを著者が掘り下げまくって人間の本音に斬り込む!
    「世の中平等なわけないでしょ」と綺麗ごと抜きの見下しエピソード多数。ズルい言葉以来の酒井さん節堪能致しました(面白い)

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    2024年12月05日
  • 老いを読む 老いを書く

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    老いの心理や悲しみや可笑しみを語る本を「老い本」と呼ぶのか。このトピックに目をつけて、とことんかみ砕いて分析する酒井のセンスは、まったく昔と変わらない。
    そういえば有吉佐和子『恍惚の人』は、面白い本であった。
    バブル期ごろ、酒井と同じようなエッセイストで、泉麻人もよく読んだのだが、最近は、はっと目を引くような文章は書いていないようだな。

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    2024年11月30日
  • 老いを読む 老いを書く

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    これは、すごく面白かった!
    最近あちこちで眼にする「老い本」。これを時代別に分析してくれたのは、三宅香帆の「働いているとなぜ本がよめなくなるか」の手法と同じ。
    でも酒井順子の時代別分析には、独特の冷静沈着な毒が程よく散りばめられていて、クスッと笑いながら読むことができる。
    やはり、新人の書き手より、熟練、手練れの書き手です笑

    憧れのリタイヤ後のシングルシニア生活本。
    男性は、「結婚しようと思えばいつでもできたが、あえてしなかったのです」というムードが漂う哲学を前面に出しているカッコつけ本が多いが、女性はシニア一人暮らし本での庶民のスターが次々に登場して活況を帯びているという。
    確かに最近よく

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    2024年11月28日
  • 消費される階級

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    淡々とした筆調の中で現在の筆者と同世代の人々の姿を描く視点は相変わらず素晴らしい。ジワジワ来る内容。皇室ネタが多いのが面白い。

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    2024年11月24日
  • 中年だって生きている

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    著者とほぼ同年代なので、いちいち共感&爆笑。
    特に、肌のシミ、シワ、白髪を受け入れるか否かを語る「老化放置」、若い頃まったく興味なかった古典文学、古典劇、古都にのめり込むようになった「回帰と回顧」のチャプターは、まんま私やん⋯。
    気取らず寄り添ってくれるようで、試論に引き込む巧みな文体でするりと読めた。

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    2024年11月23日
  • 消費される階級

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    ネタバレ

    久しぶりのサカジュンさん。相変わらず筆が冴えています。(いやタイピングが?)
    この一冊がどういう一冊なのかということが「はじめに」に書かれてますがもうここからサカジュン節全開といいますか。
    「序列をつけることは生き抜くための知恵」と。確かにそうですね。そんな風に考えたことなかったですがそう感じる序列・順番・差異はたくさんある。

    どの話もじわり(というかニヤリ)と面白いのですが、とりわけ超高齢化社会の中で長生きしたくないと同世代と会話をする話があり、p162「そんなに長生きしたくないといいながら健康のために運動したりサプリメントを飲んだり毎年人間ドックに行ったりしている」という状態が出てきて吹

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    2024年10月29日
  • 泡沫日記

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    方丈記にも書かれているように、この世はよどみに浮かぶ泡沫(うたかた)の如し。中年域に達した著者のエッセイは、中年になって初めて経験する事物だけではなく、図らずも東日本大震災の前後の日常が綴られることになった。私も老親の看取り・葬儀を初めて経験したが、中年とは社会的責任を伴う初体験が突然に出来するものなのだと感じた。

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    2024年09月22日
  • 男尊女子

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    負け犬の遠吠えで有名な著者のフェミニズムエッセイ。
    「男女差別だ!」と言いつつ、我々の中にも「男を立てなくては……」的な思考が染み付いているのでは……という分析なんだが、ほんそれ!となることばかりである。
    解説の山内マリコ氏が「女だから勉強しなくていいとかもない」と書いてるが、いやいやまだそういう考えの人はたくさんおるぜよ……と思う。

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    2024年09月08日
  • ガラスの50代

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    まさしく今のわたしの状況と重なり共感する内容が多々あった
    子育てからの卒業は自分の存在価値の喪失につながり寂しく思っていたが私だけじゃないんだ…と
    これからの私に必要な『3つの金…お金・筋肉・近所の友達』を心掛けたいと思う
    老後を楽しむ土台として心身ともに健康でいることを目指したい

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    2024年08月25日
  • モノ欲しい女

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    ⚫︎たいしたことじゃない話をここまで面白く書けるのは稀有な才能。
    ⚫︎上野千鶴子みたいな今時のフェミニストかなと誤解していたが、まるで中身はおっさんのような思考。
    ⚫︎おっさんが読む週刊誌に連載していたから、おっさん受けする文章に敢えてしているのかは不明だが、にしてもギャップが面白い。
    ⚫︎世代がバブル、昭和の話だから、勢いがあるし、華があるね。しみったれていない。
    ⚫︎東京の都会育ちだから、ある種の田舎臭さやら陰湿さも皆無。陽の当たるところを歩んできた人の文章。擦れてない。

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    2024年07月06日
  • 下に見る人

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    平等という理想の陰で、当然のように湧き出てくる偏見や比較、油断するまでもなく人は他者を下に見たりバカにしたりする。もちろんその反対の尊敬や憧れもあるだろうが、多くは自分を上にしてあの人よりマシだと納得する。脳内で他者を "下に見る" のはやはり面白い、そこまでは許容範囲で、無自覚にアウトプットすると差別や誹謗中傷いじめ、言葉や行動で他者を傷つけてしまう。これは倫理に反している。誰しもわかっていることなのに、この愚行は絶えない。なぜか。社会と個人の在り方にイマイチ気付いていない、玄関から一歩外に出てもまだ家の中だといういわばオールパーソナル空間を維持しようとしている。それが

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    2024年06月25日
  • 枕草子 上

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    いい歳をして、いわゆる古典を殆ど読んでいない。ローマ人の物語を読み終えてから、次は何を、と考えた時に、少しずつ古典を読んでいこうと思いました。その始めは、清少納言の枕草子。

    自慢話をしちゃうのも、定子様推しなのも、好きも嫌いもはっきりしているのも、私は好きだなぁ。今回、読んで気づいたのは、花、鳥、木々、虫などの文章。当たり前だけど、現代よりも静かで自然の多い所で暮らしていたのだなと気づく。音や色の表現も細かくて、同じものを見ても、全然違って見えているのではないかと思う。
    平安時代と同じにものを見られるわけではないけれど、スマホを見ない時間を増やしたいなぁと思いました。もっと五感を通して、世界

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    2024年06月23日
  • 処女の道程(新潮文庫)

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    このテーマで一冊仕上げるのがすごい。まさに女性しか書けない。処女の価値についての歴史的変遷を追いつつ、その意味性と重さを捉え直している。

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    2024年05月07日
  • 都と京(新潮文庫)

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    私も田舎から京都の大学に行って、そのまま関西に住みついたくちです。
    大阪に住んで、せっせと京都に通っています。
    京都、奥深いですね!

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    2024年04月14日
  • 鉄道無常 内田百けんと宮脇俊三を読む

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    読み応えありました!
    いちばん意外だったのが著者が鉄道好きとは。

    百閒先生は大ファン、ヒマラヤ山系さんの話題も出てきて、なんだかうれしい。
    宮脇氏は知らなかったので、著書を紐解いてみたいと思って新たな楽しみも。

    題名の通り、鉄道と人生とはかくもリンクしている。
    この先の鉄道事情も憂いながらも、鉄道と人のロマンを感じる本です。

    文庫本の解説、梯久美子氏も秀悦、サウダージ。

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    2024年03月25日
  • 本棚には裏がある

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    書評として面白い
    毎回3冊紹介され、何かしらテーマがある
    面白いと書いているわけでないが、とても面白い本のような気がする
    実際のレビューを見るとそんなでもなかったりするので、書評が面白いのだ
    何冊かをテーマをもって選書するというのはいいなあ

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    2024年01月01日