酒井順子のレビュー一覧
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ネタバレ「婦人公論」1400冊余りで書かれていた女性たちの歩みが、この1冊で見えてくるの興味深かったです。
激変ではあったけど、時代の流れにかなり翻弄され左右されてしまうのは大正・昭和・平成も変わってないんじゃ…となりました。令和もどうなることやら。
…「どうなる」でなく、「どうする」なのだけれど。光があまり見えなくても歩き続けるしかないです。
酒井順子さんと立ち位置が違う(既婚・子持ちなど)方がまとめると、視線が違って切り口も異なるんじゃないかなと思いました。わたしは独身子無しが同じなので、そうだ〜と思って面白かった。
他の文筆家さんがこの熱量と冷静さでまとめられるかどうかですが…酒井さんの文章好 -
Posted by ブクログ
これは、すごく面白かった!
最近あちこちで眼にする「老い本」。これを時代別に分析してくれたのは、三宅香帆の「働いているとなぜ本がよめなくなるか」の手法と同じ。
でも酒井順子の時代別分析には、独特の冷静沈着な毒が程よく散りばめられていて、クスッと笑いながら読むことができる。
やはり、新人の書き手より、熟練、手練れの書き手です笑
憧れのリタイヤ後のシングルシニア生活本。
男性は、「結婚しようと思えばいつでもできたが、あえてしなかったのです」というムードが漂う哲学を前面に出しているカッコつけ本が多いが、女性はシニア一人暮らし本での庶民のスターが次々に登場して活況を帯びているという。
確かに最近よく -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりのサカジュンさん。相変わらず筆が冴えています。(いやタイピングが?)
この一冊がどういう一冊なのかということが「はじめに」に書かれてますがもうここからサカジュン節全開といいますか。
「序列をつけることは生き抜くための知恵」と。確かにそうですね。そんな風に考えたことなかったですがそう感じる序列・順番・差異はたくさんある。
どの話もじわり(というかニヤリ)と面白いのですが、とりわけ超高齢化社会の中で長生きしたくないと同世代と会話をする話があり、p162「そんなに長生きしたくないといいながら健康のために運動したりサプリメントを飲んだり毎年人間ドックに行ったりしている」という状態が出てきて吹 -
Posted by ブクログ
平等という理想の陰で、当然のように湧き出てくる偏見や比較、油断するまでもなく人は他者を下に見たりバカにしたりする。もちろんその反対の尊敬や憧れもあるだろうが、多くは自分を上にしてあの人よりマシだと納得する。脳内で他者を "下に見る" のはやはり面白い、そこまでは許容範囲で、無自覚にアウトプットすると差別や誹謗中傷いじめ、言葉や行動で他者を傷つけてしまう。これは倫理に反している。誰しもわかっていることなのに、この愚行は絶えない。なぜか。社会と個人の在り方にイマイチ気付いていない、玄関から一歩外に出てもまだ家の中だといういわばオールパーソナル空間を維持しようとしている。それが
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Posted by ブクログ
いい歳をして、いわゆる古典を殆ど読んでいない。ローマ人の物語を読み終えてから、次は何を、と考えた時に、少しずつ古典を読んでいこうと思いました。その始めは、清少納言の枕草子。
自慢話をしちゃうのも、定子様推しなのも、好きも嫌いもはっきりしているのも、私は好きだなぁ。今回、読んで気づいたのは、花、鳥、木々、虫などの文章。当たり前だけど、現代よりも静かで自然の多い所で暮らしていたのだなと気づく。音や色の表現も細かくて、同じものを見ても、全然違って見えているのではないかと思う。
平安時代と同じにものを見られるわけではないけれど、スマホを見ない時間を増やしたいなぁと思いました。もっと五感を通して、世界